「Biii」が考えるリピート通販で売れる商品開発・販売戦略で重要なこと

 

2017年9月に設立し、現在は活性炭のサプリメント「KURO SHIRO(くろしろ)」と脂肪や糖の吸収を抑えるサプリメント「抑-somosomo-」の2種類を販売している株式会社テキトウ

▲「KURO SHIRO(くろしろ)」「抑-somosomo-」を販売しているオンラインショップ-[Biii]

同社はこれまで良い商品を提供することはもちろん、どうすれば売れるのかというマーケティング目線で徹底的に商品と向き合ってきた。社名の「テキトウ」には、「いい加減」と「適している」という2つの意味があるが、世の中のいい加減な商品を撲滅して、それぞれの顧客に適した商品をお届けするという想いを込めたという。

一見適当な社名にも見えるが、いい加減な仕事はしていないと自信をもって言い切る同社の山田伸一代表に、マーケティングの手法について話を伺った。

 

※今回は、テキトウが運営しているECサイトBiiiに導入されているD2C・リピート通販特化型カート「リピスト」を提供する株式会社PRECSの協力のもと、インタビューを実施致しました。リピストに関するサービス資料は以下からダウンロード下さい。

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炭を使った主力商品「KURO SHIRO(くろしろ)」

 

テキトウで現在扱っている商材は、日々の食事や運動で不足している栄養素を補い、栄養バランスを整えることで健康な身体に導く活性炭の「KURO SHIRO(くろしろ)」、そして脂肪や糖の吸収を抑える「抑-somosomo-」の2つのサプリメントだ。

KURO SHIROには、乱れた体内環境をサポートする活性炭、238種類もの原料を発酵熟成させた生酵素、10種類の乳酸菌、十数種類のフラボノイドを含むブラックジンジャーを投入。今でこそ炭が入った商品は巷に出回っているが、テキトウが商品を発売した2017年の秋ごろはそのような商材は殆ど出回っておらず、「おそらく弊社が一番早かったのでは」と山田氏は話す。

▲株式会社テキトウ 代表取締役 山田 伸一 氏

商品開発をする中でフックとなる目新しい素材を探していたところ、当時はまだ珍しかった炭に出会ったという山田氏。サプリメントのベースとなる処方はある程度組んでおり、そこに目玉となる炭と乳酸菌を投入することに決めた。わずかに成分を追加するといったことはしているが、発売以来ほとんど内容を変えずに販売しているという。

ターゲットは当初20代後半から30代を狙っていたが、いざ発売してみると40代からの支持が圧倒的に多く、30代と50代が次に続く。購入の際、ユーザーは定期購入、単品、3個セットの3パターンから選択できるが、定期購入の「くろしろチャレンジコース」を選ぶと、初回はワンコイン(税別463円)で購入が可能だ。

この初回にお支払い頂く価格が、1,000円以下なのか以上なのかによって顧客の獲得のしやすさが変わってくるため、999円等のギリギリの設定ではなく、ワンコインで販売することにしたという。

その価格決定に至るまでにはもちろんさまざまな意見があった。2回目以降グッと値段が上がるため、初回と2回目の差異がない方がいいという意見のほか、初回が安すぎると商品自体の質が悪いと思われてしまうのではないかと危惧する声もあった。一方で初回からある程度の価格設定にしていれば、仮に全体の獲得が減ったとしても最終的には継続してくれるユーザーも多くなる。それらを踏まえた上で現在の価格に決定したという。

 

 

リーズナブルな初回価格で資金繰りに苦労

 

立ち上げ当初は社内に広告担当がいなかったため、宣伝には外部のリスティング会社とASPを使ったという。ブランディングという意味ではインフルエンサーを使うことも大事かもしれないが、それはある程度利益が出てからだと考えていた。そのため、スタート時は無駄な資金は一切投入しなかったという。

ただし、初回ワンコインという設定によって、資金繰りには苦労したと山田氏は話す。売買が成立しても500円しか売上が上がらず、一方で外部のリスティング会社やASPには15,000円程度の成果報酬を支払わなければならない。クロスセルなどで当てる商材があるような、商品のラインナップが豊富にある会社は、単体で収益が出なくても最終的に単価が上がればいいが、テキトウは商品のラインナップが2種類という状況ゆえ、キャッシュフローには苦労したそうだ。

「最初の商品を出して2カ月ぐらいは数十件程度しか注文が入りませんでしたが、3カ月後ぐらいからはコンスタントに売れるようになりました。何が当たるか分からないジャンルなので、売れた理由ははっきりとは分かりません。辛抱強くやって、その中で1つヒットすればそこからは一気に楽になります。また、一度売れるとそれを見た周りのアフェリエイターさんもあれをやりたいという風になるので、そうなると売上は大きく変化しますね。普通のリスティングでも指名ワードで入ってきたり、売れたら営業さんの方から来てくれるので、最初は色々な代理店さんとやり取りしていました。ただ、半分以上の会社がやりますと言っても動いてくださらない。それも関係値や担当者によって変わってきて、クライアントサイドとアフェリエイターサイドで担当者が一緒なのかどうかでも通る通らないがあると思います。初期はLPOを分析してテストするなど、予算運用系も何度か依頼したことがありますが、うまくいかずにほとんどやめました。もっと弊社の商品に認知度があれば別だったかもしれませんが、コンサルに関してはあまりいい思い出はないですね」(山田氏)

 

 

制作サイドにとって使いやすいリピスト

 

手数料の関係から、販路は自社サイト「Biii」と楽天の2つに絞った。ただし、楽天で収益を立てたり依存する気持ちはなく、楽天で購入したいという人も中にはいるだろうということで出店している。

「立ち上げ当初は、当然皆さん手数料のことが一番気になりますよね。その点スタートアップが始めるには、カートシステムのリピストはやりやすかったです」(山田氏)

山田氏の前職は通販周りの手伝いも行うWeb系の制作会社で、そこにはWebを始めたい人もいればリニューアルしたい人もいた。そのため、カートについてはひと通り知見があり、中でも課金通販向けで良さそうなところということでリピストを選択したそうだ。

カートによってはマイページを用意しないケースもあるが、テンプレートのLP1枚だけで表のページがないと、胡散臭い仕様になってしまうと感じたという山田氏。扱う商材がサプリメントというジャンル柄、表のページが1枚あるだけでも説得力が増すため、サイトの見せ方については意識したという。

▲KURO SHIROのLP一体型ページ

また、最初に惹かれたのは価格面だったと言うが、いざ使ってみると制作サイドにとっていかに使いやすいカートなのかということを実感したという。システムにデザインを乗せる際などは使い勝手が良く、ストレスもない。また、不明点が出てきてカスタマーに問い合わせると、電話口にエンジニアが出てくれる。他社は問い合わせに対してマニュアル通りの回答しかしない中、リピストはエンジニアが的確かつ深い回答をしてくれるところにも驚きを覚えたという。

「弊社は社内にエンジニアがいるので、技術者がいる会社からすると非常にやりやすいです。エンジニア同士が話をするので無駄な会話は一切ありません。以前サーバーのファイルを整理する時、派遣のエンジニアが誤ってファイルを消去してしまったことがありました。ですがその際もスムーズに復元していただいて。システムの裏側というのは素人には分からないですよね。なのでリピストのカスタマーサポートには満足しています。」(山田氏)

 

 

強みの1つに外注に依存しない社内体制も

 

テキトウの強みの1つに、外注に一切頼らない体制を整えたことがある。社内には技術者とデザイナーがいて、昨年からは広告の運用もスタートした。それにより、スピーディに認識の相違なく物事を進めることができるようになったという。従業員の採用は主にWantedlyで行っているそうだが、月に150名前後の募集がある。

「Wantedlyは従来のように求人媒体に高い掲載料を払うことなく運用できるので、かなり助かっています。しっかり記事を上げないといけないため、Wantedlyは登録しても運用できていない会社が多いですが、弊社は運用する人間もいるのでそこも強みの1つかもしれません」と山田氏は話す。

現在はASPに関しても、自社に運用者がいるため色々と試せる状況だという。成果報酬の場合は外部、残りは社内で行うが、巻き取れるため色々とテストがしやすい。コンバージョンが少しでも悪くなればスピード感を持って対応し、改善できるのはメリットだという。

また、多くの商品がある中で差別化を図るには、しっかりマーケティングすることだと山田氏は話す。売れている商品を徹底的に研究し、どうすれば勝てるかを考える。

例えば、売れ筋商品には入っていない話題の原料をプラスして強みとして売り出したり、宣伝に芸能人を使うなど、あらゆることが考えらえる。世に出ていない商材を先走って出しても大手には負けてしまう。そのため、同社では世の中に出回っている広告を探してそこから深掘りしていくという方法も取っている。広告から売れている商品の価格設定や成分について調べていくが、だだしそのさじ加減は非常に難しいと話す。

 

今後はサプリメントだけでなく、コスメの分野にも進出するという同社。現在発売を控えている商品が3つあり、徐々にリリースしていく予定だという。これまでKURO SHIROを主軸に販売を行ってきたが、ASPやアフェリエイターの間で商品が知れ渡ってしまっていた。

また、初期の頃は商品を出す前にしっかりと運用テストを行った上で世に出すという手順を踏まなかったこともあり、アフェリエイターに見切られることも多かったという。その反省を生かし、今後は社内で運用テストを満足できるまで実施し、遷移率やCVR等のステイタスを良くしてから商品を出し、新たな商品によって拡大していくという方向にシフトしていければと山田氏は結んだ。

 

 

Biiiが導入しているリピストとは

 

リピストとは、単品通販・リピート通販に特化したショッピングカートASPサービスだ。LP一体型申込フォーム申込フォームや豊富なステップメールが特徴的なサービスで、アップセル機能、会員属性(顧客ランク機能)、広告効果測定、電話受注対応システムなどの機能もあるため、初心者の方から本格的なECサイト事業者様まで幅広く対応している。

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