新年に備え心に留めておくべき5つの事実

12月も終わろうとしているが、なかなか見えてこないものがある。それは、2021年の予測である。

驚くべきことではない。 2020年には、多くの識者が予測したことは何も起こらなかったし、他の誰もが予測したこともそうだっただろう。パンデミック初期に流行したミームが、その代表的なものである。「5年計画を立てた人はどうだったか?それは、うまくいってはいない」。

誰もが、より良い年にするための計画をたてた。より面白く、革新的な年になることを目指した。「ノーマル」な年にしようとも努力した。だが、それは実現しなかった。

というわけで、2021年のトレンド予測に時間を割くつもりはない。誰も、正確な予測などできるとは思えない。そうではなく、2021年の計画を立てる際に指針となるべき、2021年の5つの事実について考えていきたい。

 

事実1:小売業者は、2020年に起こった数々の変化に基づいて、顧客向けマーケティング手法を模索しなければならない。

過去には、自社顧客層には、予測可能な行動パターンが見られた。常に、実店舗で買い物をする顧客層がいた。また。主にオンラインで注文するグループも存在した。そして、割引がなければ購入しないグループもいた。我々は、モデルやセグメント、X、Y、Zという行動を毎回すると予測される消費者のモデル、セグメント、そして、リストを持っていた。

 

そして、2020年になり、すべてが混ぜ合わされ、ミキサーにかけられ、「ピューレ」状態となった。

 

以前は、実店舗を利用していた人はどうなったのか?彼らは、家でオンラインショッピングをしている。では、オンラインを利用し続けるのだろうか?過去には、決して自社顧客となり得なかった消費者が、自社顧客となった。その顧客を維持できるだろうか?

どのようにして、マーケティング担当者は、自社顧客がどんなタイプの体験をもたらすかを判断するのだろうか?

 

例えば、多くの人は、常に食料品店を利用していた。そして、自宅で料理をしていて、実際に店舗に行って、夕食用の食材を自分で選ぶことを好み、オンラインで食料品を注文したことがない人も多かった。

 

しかし、直近の9ヶ月間、例えば、即日食料品配達サービスであるInstacart を使用せざるを得なくなった人も多かったのではないだろうか。そして、それを気に入っている人も多い。しかし今、実店舗を利用できるようになったら、Instacart を毎回利用するのではなく、実店舗に行こうと思っている人も多いが、そのような人もInstacartを利用する方が便利だと思う日もあるだろう。

 

このように多くの人のショッピングパターンが変化したのだ。今、マーケティング担当者は、このような行動変化を予測する方法を学ぶ必要がある。

 

事実2:今あるすべてのデータは流動的である。

これらの行動変化は、データ計画を揺らがしている。また、米国では、予防接種スケジュールが進行中で、ある特定のコミュニティのセグメントは予防接種を受け、どこにでも好きなところに行くことができるが、他のコミュニティはそうでないという状況が発生している。このような混乱は、古い行動モデルが、正確ではなくなること意味している。

 

マーケティング担当者は、以前は定期的にモデルをアップデートしていた。「定期的に」とは、数四半期ごとの場合もあっただろう。しかし、今、その変化のペースは加速している。

そのため、誰も、2021年に何が起こるかを単一モデルで予測できないし、何に注目すればいいのかを理解する手助けをすることもできない。

 

自社ウェルカムメール:モバイルアプリのプロモーションをしているか?自社モバイルアプリには、新しい機能が搭載されているか、もしくは、2020年以降の新しいポリシーを反映しているか?

 

自動化に注意:タイミングは合っているか?例えばカーディーラーは、今でも90日ごとにオイル交換のために車をディーラーに持って来るようにとメールを送ってくる。しかし、私の車は、2月から1,000マイルしか走っていないので、 それらのメールを無視している。これは、担当ディーラーにとっての機会損失である。

 

トランザクションメッセージの見直し:eコマースと店舗の両方を運営している場合、メールで、カーブサイドや店舗ピックアップついて言及しているか?2020年の変化に対応し、返品ポリシーをより柔軟にしたり、更新したりしているか?これらの情報はすべて、取引メッセージに記載されている必要がある。

 

顧客セグメントについてはどうだろうか?:確実に更新する必要ある。CRM(顧客関係管理)からデータを複製している場合は、ESP(企業内検索プラットフォーム)に新データが必要となる可能性がある。そして、2021年のセグメントについてはどう考えているだろうか?

 

事実4:新しいモデルとデータの必要性

CRMから実行され、定期的にESPにプッシュされる広範なモデルがない場合は、新しいデータを要求する必要がある。そして、必要とするデータを要求するだけでなく、そのデータを取得するための最良の方法を見つけなければならない。

 

例えば、顧客に関する情報を調べるための最良のルートの一つに顧客に直接質問する方法がある。このプログレッシブプロファイリングは、本来より頻繁に実行されるべきであるがそうではない。しかし、適切な方法で行えば、大きな成果を得ることができる。もちろん、それは自ら提供された情報であり、有効期限とバイアスがある。なぜなら、誰かが提供するデータは、その人の行動が示す本当の姿ではなく、彼らが自分をこう思って欲しいと考える姿であることが多いからである。

 

そこで、それらの情報を行動シグナルと組み合わせて、顧客が提供した情報が有効かどうかを確認する必要がある。

 

ここでは、すべてをうまく機能させる方法を紹介しよう。

顧客が過去のメッセージで提供した回答を基に、各メッセージでキーとなる質問をするためのオンボーディング eメールシリーズを設定、または、修正しよう。これは、過去12ヶ月の間にビジネスプランやモデルが劇的に変化した小売業者にとって不可欠なことだ。

 

事実5:協力しお互いに学び合う必要がある。

現在のパンデミック時代は、混乱している。その中で正しい道筋を描くことは困難であるが、今の時代は、メールマーケティングの初期の頃を思い出させてくれる。

当時は、人々が何を学び、何を試し、何がうまく機能したかを共有する刺激的な時代だった。カート放棄や放置ブラウズメールについて、著名人たちが活発な議論をしていた。

当時、できることは限られていたが、お互いに学び合い、ホワイトペーパーやスピーチ、教育セッション、カンファレンスなどですべてを共有していた。

情報が自由に流れ、情報を他人と共有しようとする熱心な意欲が今後も継続することを願う。今は、秘伝のソースのレシピを守っている場合ではない。もちろん、自分の成功に必要なこと実行するために鋭くあり続けることもできる。しかし、今こそマーケティング担当者がお互いに関わり合い、アイデアを共有し、質問をし、お互いから学ぶべき時である。

 

今、メール業界の再生を目にしている。もはや通用しないことを捨て去り、自らの経験や同僚からの教訓から、新しい環境で何が通用するかを学び直すことが重要である。

 

基礎は変わらない。eメールは今でも最強のデジタルチャネルである。基礎的要素と共に、ウェルカム、プロモーション、トランザクション、アトトリション、自動化などは、正しく理解すべきコア要素である。これらの要素をどのように実行していくかということこそ、変更を加え、アップデートしなければならない点である。

 

まとめ

今は、AIや機械学習の活用に取り掛かることよりも、ESPやeメール代理店に電話して助けを求める方が得策だ。

助けを求めよう。今日取り掛かろう。待ってはいけない。

通常一息つくクリスマスと元旦の間のその週はどうだろうか?それは、修正し、改善する必要がある点を検討するのに最適な時期である。

2021年は大変な年になりそうである。来年生き残った者は、将来何年間も今の時代のことを語り続けることになるだろう。

12月を乗り切ったマーケティング担当者には、ぜひバッジを作ってあげたい。もし、あなたがそうであれば、自画自賛して欲しい。素晴らしい仕事をしたのだから。

そして、次は何をすべきだろうか?そして、同僚のマーケティング担当者が、2021年12月に間に合うために、何をしてあげられるだろうか?

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の12/22公開の記事を翻訳・補足したものです。