モバイル対応からA/Bテストにいたるまで、メッセージを顧客に届けるために必要不可欠なヒント
COVID-19の影響により、対面でのマーケティング活動が停滞している中、マーケターは、本来マーケティング活動の「王」であるeメールについて、これまで以上に注力している。しかし、新たな点にフォーカスすることには、ベストプラクティス(結果を得るために最も効率の良い方法)を念頭に置いて実行する責任が伴う。
米国オンラインマーケティング会社Constant ContactのコンテンツマーケティングディレクターであるDave Charest氏は次のように述べている。「メールマーケティングというマーケティング手法は、どんなに小さなことであっても、”受信者”の生活をより良いものにすることに焦点を当てるべきだ」。「値引きや製品を強引に押し付けるのではなく、新規顧客のニーズに対応する方法で、製品やサービスをポジショニングすることにより、緊迫感を示すことができる。メールマーケティングは、そのトーンや長さ、配信時間を含む顧客が好む方法で、彼らが必要とする情報を共有することである」。
Charest氏は、コロナ禍に効果的なeメールマーケティングキャンペーンのための10のヒントを独占的にシェアした。
モバイル対応のテンプレートを使用
「2020年、中小企業も大企業も、顧客とのコミュニケーションをこれまでとは異なる方法で、そして、これまで以上に高頻度で行う必要があることを示された」とCharest氏は述べている。「モバイル向けにコンテンツを最適化する最も効率的な方法は、モバイル対応のテンプレートを使用することだ」。
このテンプレートを使用することで、複数のデバイスプラットフォーム上のコンテンツを簡単に閲覧できるようになる。現在、半数以上のeメールがモバイルデバイスで開封されている。
過度に営業的にならない
Charest氏は次のように述べている。「マーケティング活動施策が、過度に営業的に見えた場合、キャンペーンのエンゲージメントはあまり期待しない方が良い」。「誠実で共感的なトーンのeメールマーケティングを行うことは、常に企業が努力すべきことであったが、今日では特に大事なことになっている」。
数字のゲームよりも顧客との関係確立を
「メッセージの向こう側に相手がいることを念頭に置いておくこと」と、Charest氏。「キャンペーンを、ただ数字を目標としてゲームとして捉えることからシフトし、顧客とのリアルな関係の確立・維持にさらに焦点を当てることに注力してほしい」。
明確な行動喚起
コールトゥアクション(行動喚起)は、QRコード、オンラインクーポン、電話キャンペーンなど、マーケターにとっては多様なツールになる。レスポンスプラットフォームに関わらず、コールトゥアクションを明確にする必要がある。Charest氏は、ボタンやリンクはすぐに気が付くもの、そして簡単にクリックできるものでなければならない、と強調する。
「読者には、eメールを見てすぐに、送信サイドがどんな行動をしてほしいかを正確に知ってもらう必要がある」。「そしてその行動は、極めて容易に実行できるものでなくてはならない」と同氏は語った。
画面のスペースを把握しておく
画面のスペースが限られているため、すべてのメッセージングやコールトゥアクションは簡潔にする必要がある。
また、件名はモバイル画面に収まるよう明確で簡潔なものでなければならず、全てが表示される必要がある。
「モバイル向けにデザインする際は、eメールの内容とデザインがさらに重要となる」と、Charest氏は述べている。
件名は単刀直入に
Charest氏は、「eメールの件名は4~7語以内にすべきである」と言う。「具体性、簡潔さ、親しみやすい言葉遣い、そしてパーソナライズされたメッセージングが必要なのだ」。
この点に関して、成功とする達成度レベルはブランドによって様々だが、マーケターはCOVID-19禍で、メールマーケティングキャンペーンにおいて、トラッキングツールを完全に活用することができるようになったと同氏は語った。
透明性のあるトーンで
「パンデミック以降、我々が見てきた最大の変化の一つは、透明性と信憑性へのニーズである」とCharest氏。「どのような状況であっても誤解を与えてはならない。ユーザーは賢く、マーケターの不誠実な行動を知れば、積極的に反応することはないだろう。さらに、マーケティングメールを購読停止にする可能性もある」。
メールの内容が、件名に書かれている内容と一致しているかを確認すべきだ。コンテンツは、たとえ、子ども層に向けたメールであっても決して混乱させてはならない。
まず件名をテストする
大量のメールマーケティングキャンペーンは、より多くのリード、コンバージョン、収益を意味する。コンバージョンの鍵を握るのは件名であり、件名のテストは、手動およびサードパーティのプラットフォームを使用して行うことが可能だ。
Charest氏による手動で件名のテストの実行手順:
– 主に伝えたいポイントを絞り込む
– 件名のバリエーションを作成する
– テストのための独自のルールと障壁を設定し、2つの異なる件名のメールと、それぞれ受信する顧客の割合を特定する
– 異なる件名のメールを両グループに配布しテストを実行する
-単一のキャンペーンの結果に頼らず、いくつかのキャンペーン後に結果を分析する
「こうしたプロセスをサードパーティのパートナーに支援してもらうことで、テストに費やす時間を大幅に短縮できる。そして、それぞれの件名がどのようなパフォーマンスを示したかについて、より豊富な分析を得るすることが可能となるのだ」とCharest氏は言う。
eコマースを利用しやすくする
「業界を問わず、我々の顧客から最も多く質問刺されることの1つは、ユーザーのオンラインでの買い物をより簡単にする方法についてである」と話すCharest 氏。「今最も重要なのは、eコマースの利用のし易さなのだ」。
測定を怠らない
Charest 氏は、あらゆるメールマーケティングキャンペーンの測定に、基本的なベンチマークを常に組み込むことを推奨している:
– 到達率
– 開封率
– クリックスルー率
– コンバージョン率
Charest 氏が推奨する、より詳細なレポートについて:
– 時間経過に伴うエンゲージメント
– 配信停止リクエスト数
– 直帰率(サイトに訪問したユーザーが1ページだけ閲覧して離脱してしまうこと)
– メール共有率
– メール1通あたりの収益
– 購読者1人あたりの収益
「メールマーケティングと件名に関する効果を測定する最良の方法は、業界のベンチマークであり、自社のベンチマークと比較することである」と述べるCharest 氏。「加えて、ソーシャルメディアや動画、その他の動的なコンテンツをメールマーケティングキャンペーンに組み込むことは、顧客が生活する場所で顧客に出会い、彼らがより高いエンゲージメントを示すフォーマットで、モバイル端末でユーザーがスクロールをやめるようなコンテンツを配信するための効果的な方法なのだ」。
※当記事は米国メディア「Marketing Land」の8/20公開の記事を翻訳・補足したものです。