2019年ホリデーシーズンの、全世界におけるファッション用品の買い物習慣分析によると、ファッション小売サイトのトラフィックの67%と総売上高の52%を、モバイルが占めたという。モバイルのコンバージョン率は、2018年から53%上昇。これは、モバイルでファッション用品を購入することに慣れてきた消費者と、パーソナライゼーション技術の活用を進めてきた小売業者の双方から大きな影響があったことを示唆している。

 

このデータは、米国のAIを搭載したeコマースパーソナライゼーションプラットフォームであるNostoによるもの。英国のGymsharkAquascutum、米国のEverlast、ノルウェーのHelly Hansen、米国のVolcomなどのアパレルブランドがこのプラットフォームを利用している。

 

Nostoは、買い物客がセール商品を探すブラックフライデーとサイバーマンデーの週末に、オンライン小売パーソナライゼーションプラットフォームを使用する、北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアおよびニュージーランドのショップをはじめとするオンラインファッションストア308社を分析した。

 

パフォーマンスメトリクスの多くは、消費者がモバイルでファッション用品の買い物をすることが一般化していることを示している。特に、2018年に2.18%だったコンバージョン率が、2019年は3.33%と大幅に増加している。しかし、オンライン小売業者がやるべきことはまだ残っている。

 

モバイルのコンバージョン率は、まだパソコンの半分でしかない(モバイル3.33%に対してパソコン6.2%)のだ。また、ホリデーシーズンにおける、モバイル利用の買い物客1回あたりの平均注文金額は、パソコンを利用する買い物客よりも9%近く少ないのである。同時に、サイトにおけるサイト閲覧時間もモバイルの方が短く、またパソコンで閲覧する場合よりもショッピングカート放棄率が10%高いという(76%に対して66%)。

 

NostoのCEO、Jim Lofgren氏は、「データからもわかるように、小さい画面での閲覧時間は短く、モバイル利用でファッション用品を探す人に対し購入を促すのは難しいことである。また、モバイルで大量の注文をする可能性も低い」と語った。「しかし現在、オンラインのファッションショッピングはモバイルからが圧倒的だ。つまり、買い物客がショップのサイトに簡単にたどり着き、必要な商品を素早く見つけ、最小限の労力で支払いをする、という真のモバイルファーストで考えることが小売業者の成功につながる」と述べた。

 

すべてのデバイスにおいて見てみると、ブラックフライデーとサイバーマンデーのセールウィークエンドのファッション小売サイトへのトラフィックは、前年比15%増。オンラインでの売上は78%増加している。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の12/9公開の記事を翻訳・補足したものです。