• Flipkartは、Flipkart FarmerMart(FlipKartオンライン食料品販売事業)をスタートし、食品小売事業に参入予定
  • Amazonも同様に、食品小売事業に5億ドルの投資を決定
  • BigBasket(インド大手食料品デリバリー事業者)は、FlipKartとAmazonという大手eコマースプレイヤーの食料品デリバリー・セクターへの参入に備えているか?

 

2011年に設立した食料品デリバリーのスタートアップであるBigBasketによって、インドに暮らす多くの人々の日々の食料品、および生活必需品の購入方法は変化した。同社は長年にわたり、マーケットプレイス・モデルを運営するためだけでなく、自社ブランド商品提供とサブスクリプションベースでのデイリー配送を開始するために、自社オペレーションを更新してきている。

 

BigBasketのモデルは、商品配送だけでなく、生産者から直接、商品を調達するためのサプライチェーン・インフラストラクチャを基礎として構築されている。そして、BisBasketの共同設立者兼CEOのHari Menon 氏は、この点により、潤沢な資金をもって食料品および食品小売業にも参入予定であるAmazonおよびFlipkartよりも、BisBasketにかなりの優位性があると考えている。

 

インドの日刊新聞社であるThe Economic Times IndiaインタビューにおいてMenon氏は、「AmazonとFlipKartの参入は、食料品部門にとって素晴らしいニュースであるが、両社が食料品と生鮮食品のサプライチェーン機能を主要都市全体に拡大するためには、少なくとも1年は必要である」と述べている。

 

また同氏は、食料品デリバリー・セクターは、AmazonとFlipkartのユーザーベースが流入することにより、今後数年間で大きく成長すると考えているという。「同セクターで起こる競争は健全なものであり、インド市場におけるeコマースの成長を実現するであろう」と付け加えた。

 

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「食料品が、社会経済地位が高い階級から中間層へ浸透するにつれて、その市場は拡大する」と、Menon氏は説明している。

 

食料品業界に参入するFlipKartとAmazon

食料品デリバリー・プラットフォームにおいて、生鮮食品はそのオペレーションが最も難しい商品である。通常スタートアップは、顧客による返品だけでなく、商品調達、許認可、保管、ラストマイル配送などの複雑な問題を解決する必要がある。これらはすべて、インフラストラクチャおよびサプライチェーンへの多大な支出となり、事業運営に直結する重要な要素である。

 

FlipkartとAmazonは、この分野において市場チャンスを見出したが、BigBasketが何年もかかって構築したものと同じモデルを再現するのは難しいだろう。

 

ウォルマートの傘下であるFlipkartは、地元で製造されたパッケージ食料品を販売する食品小売事業を行うFarmerMartの立ち上げを準備している。

 

Amazonもビジネスチャンスを認識し、サードパーティおよび自社ブランドの食品を販売するために、すでに5億ドルの投資を決定。また、同社はすでに、食料品の2時間配送を行うAmazon Nowを運営している。

 

BigBasketとeコマース巨人2社との競争

BigBasketも、激化する競争を分析しているように思われる。競争に備えて、BigBasketは2つのコアビジネスである「オンデマンドでの90分配送」と「予約ベースの翌日配達サービス」を統合した。現在同社は、4時間配達サービスを提供している。

 

かつて、スピード配送サービスは、限定された商品のみを対象としており、また翌日配達は、幅広い商品を対象に提供されていた。現在顧客は、以前は翌日配達サービスのみの対象となっていた幅広い商品セクションから、4時間配達サービスを利用して購入することができるという。

 

※当記事はインドメディア「Inc42」の10/19公開の記事を翻訳・補足したものです。