McDonald’sは、今年2件目となるテクノロジー企業買収によって、技術主導の顧客体験の提供を目指す

McDonald’s Corporationは、米国の音声ベースの技術プロバイダであるApprenteを買収することに合意したと発表した。これは、2019年における同社2件目のテクノロジー企業買収である。2019年4月にMcDonald’sは、パーソナライゼーションおよび決定論理関連テクノロジー企業であるDynamic Yieldを買収しており、年末までに、全米およびオーストラリアのドライブスルーへの同社技術の導入を予定している。これらの動きは、McDonald’sが顧客に技術主導のダイニング・エクスペリエンスを提供する準備が整っていることを示すだろう。

Apprenteチームは、McDonald’s Global Technology Team内のグループ「McD Tech Labs」の設立メンバーとしてMcDonald’s Corporationに加わる。McDonald’sによると、エンジニア、データサイエンティスト、その他の高度な技術専門家をさらに雇用し、シリコンバレーでの存在感を高めたい、とのこと。

 

なぜ留意すべきか

Apprenteの音声ベースの会話技術とDynamic Yieldのパーソナライゼーション技術のコンビネーションによって、McDonald’sの顧客はまもなく、注文時に今までとはまったく異なる体験をすることになるかもしれない。また、McDonald’sは、世界最大かつ最も認知度の高いブランドの1つとして、ファストフードの新しいスタンダードを設定し、食品業界全体において、よりパーソナライズされたインタラクションに対する顧客の期待を高める可能性があるだろう。

シリコンバレーにおけるMcDonald’sの取り組みの拡大は、シリコンバレーでの採用と革新をもたらし、トップの人材を引き付けると思われる。

「McDonald’sのイノベーションへの強いコミットメントは、長い間、我々のチームに刺激を与えてきた。McDonald’sが、技術で業界をけん引していることは、さまざまな取り組みから明らかだ」と語るのはApprenteの共同創立者でMcD Tech LabsのバイスプレジデントであるItamar Arel博士。さらに「Apprenteは、技術によって現実世界の困難な問題を解決するため開発されたものであり、これを、顧客やクルー向けのパーソナライズされたエクスペリエンス構築にも活用できることを嬉しく思う」と語る。

 

詳細

  • Apprenteは、2017年にカリフォルニア州マウンテンビューで設立。多言語、多様なアクセント、複数項アイテムの複雑な会話注文のための音声ベースのプラットフォームを開発。
  • McDonald’sは、音声会話型注文技術を活用し、McDonald’sのレストラン型店舗のドライブスルーにおいて、より迅速に、簡単、正確なオーダーをとることを実現し、将来的にはモバイル注文やキオスク店舗への導入も期待している。
  • Dynamic Yieldの意思決定関連技術は、時刻、天気、現在の店の混雑具合、トレンドメニューという項目を屋外のドライブスルー用デジタルディスプレイに表示するといった、パーソナライズされた顧客体験を提供。
  • Dynamic Yieldの意思決定関連技術は、顧客のオーダーに基づいて追加の注文アイテムを即座に提案して表示することも可能。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の9/12公開の記事を翻訳・補足したものです。