カナダ発のECプラットフォームShopifyは、2019年6月と7月に実施した、「カート放棄(オンラインショッピングサイトのカートに商品を入れたまま離脱すること。カゴ落ち)している買い物客に対して送られるメッセージの有効性」についての調査結果を発表した。今回の調査で同社は、カゴ落ちの回復機能を利用するクライアントから内部データを収集している。

 

調査によって、カート放棄に対するリカバリーメールの送信が、ひと月あたりの売り上げが1,000件以上と、100件未満の会社、双方にとって有効であることが明らかになった。あるクライアントは、30日間で792件の追加販売を達成。彼らは1,365件の放棄されたカートに対してこの戦略を実行し、その後の顧客リテンション率を58%に引き上げたという。つまり、購入前にカートを放棄した顧客の約2/3近くが、メッセージを受け取った後にカートへ戻り、商品購入を完了したということになる。

 

もっとも高い効果を発揮した事例としては、あるクライアントが、レビュー対象となった30日間で156,915ドル(129,543ポンド)を回収し、カート回復率を20%に引き上げたことだ。

 

こうした素晴らしい結果を出した事例があるにも拘わらず、「カゴ落ち回復ツールによって全てのクライアントが成功を収めたわけではない」とShopifyは指摘する。同社によれば、結果が出ない原因は通常、3つのうち1つの過ちを犯しているためだという。その3つの1つ目は、顧客に対してCTA(行動喚起)を明確に示せていないこと。2つ目は、最初に送ったテキストが機能していないために、顧客がカートへ戻らないこと。そして3つ目は、異なる購買層別に最適なコピー、もしくは送信のタイミングをテストしていないことである。

 

Shopifyによれば、カート放棄回復の成功には、以下の3つの要素がカギとなるという。

「タイミング」:カート放棄直後にフォローアップテキストを送信する。この送信までに、数日もしくは数週間かけてはいけない。自社の顧客に最も適切なタイミングがわかるまで、徹底的にテストをすること。

「言い回し」:(メッセージでは)説得力のあるCTAを含めた明確、かつ簡潔な言い回しをすること。

「シンプルさ」:顧客それぞれの放棄中のカートへ、ダイレクトに誘導するリンクを貼ること。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marking Magazine」の8/15公開の記事を翻訳・補足したものです。