The Wall Street Journalによれば、Amazonは5年間の実店舗での試験的取り組みの後、米国87カ所で展開しているポップアップストアを閉鎖し、永久的にそのプログラムを中止するという。ポップアップストアとは、ブース型のキオスクのことで、ショッピングモールなどの通路に期間限定で出店されているものだ。
Amazonのポップアップキオスクは、高級生鮮食料品スーパーのWhole Foods Marketや有名百貨店のKohl’s、その他ショッピングモール内で展開されていた。
Amazonは、声明で次のように述べている。
「何度も見直しを重ねた結果、我々はポップアップキオスクプログラムを中止することを決定した。代わりにAmazonの実店舗書店Amazon Books や、4つ星以上の評価を得ている商品を販売するAmazon 4-starの事業を拡大し、より包括的な顧客体験と幅広いセレクションを提供する予定だ」。
Amazonは元々、AIアシスタントのAlexa(アレクサ)を搭載したスマートスピーカーのAmazon Echo や、リモコン一つで映画や音楽など数百万のWebサイトにアクセスが可能なFirestickといったデバイスに興味を持つ顧客が、そのデバイスを実際に見て、実生活でどのように機能するのかを体験できるよう、このキオスクストアを展開していた。しかし今後は、Amazon Books やAmazon 4-starへ焦点を絞って取り組みを進める方針だという。
また、同社は次のように語っている。「Amazonネットワーク全般において、我々は定期的に自社事業を評価し、どうすれば顧客に最適なサービスを提供できるのかについて慎重に決断している」。
現在、Amazonのポップアップストアで働く従業員は4月下旬に解雇となるが、最終営業日まで在籍する場合には解雇手当を受け取ることになるという。今回のストア閉鎖によって影響を受ける人数は定かではないが、Amazonの広報担当によると、現在ポップアップストアで働く従業員に対しては社内の他の仕事に従事する機会を提供できるよう努力するという。
※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の3/7公開の記事を翻訳・補足したものです。