オンライン買い物客の注目を得るための記憶に残るカスタマーエクスペリエンスの提供方法 | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
  • follow us in feedly
ノウハウ・ツール
公開日2019/02/20

オンライン買い物客の注目を得るための記憶に残るカスタマーエクスペリエンスの提供方法

オンラインで顧客を見出し、その関心を得ることがいかに難しいか。それを説明する必要はないだろう。インターネット上では、何百万もの企業が消費者の注目を集めるために競い合い、非常に混とんとしている。しかし信じ難いことかもしれないが、その混乱の中にでもチャンスはあるのだ。適切なマーケティングと認知度向上へのアプローチを行えば、簡単にトップにのぼりつめることができるのである。

 

そのためには、努力とコミットメントが必要である。苦労を厭わずに取り組むことが非常に重要なことだ。

経験から言えることは、顧客の注目を得る最も簡単な方法は、顧客自身に「その企業に注目したい」と思わせることだ。「言うのは簡単だ」と思われるのは当然である。それでは、どうすればそれを実現できるのだろうか。

 

記憶に残るカスタマーエクスペリエンスの提供

最初に、顧客は“リアルな生身の人間である”ということを決して忘れてはいけない。当たり前のことだと思うだろう。しかし、マーケティング用語がどれだけ顧客を非人間的に表現しているかを考えてほしい。

  • ウェブサイトへの訪問者は、「トラフィック」
  • 見込み客は「リード」。そして、リードは、「コールド・リード(購入する可能性が低い見込み客)」と、「ウォーム・リード(購入する可能性が高い見込み客)」
  • eメール購読者リストは、しばしば単に「リスト」と短縮
  • イベント参加者は、「butts in seats (座席に乗っているお尻)」

以上はほんの一部の例に過ぎない。

 

しかしマーケティング用語によって顧客を“非人間的”に表現することにより、そのマーケティング活動を「顧客がどのように感じるか」という(感情論で)成果をみるよりも、わかりやすく検証できるのだ。

 

さて、私は、売上を上げている収益性の高い企業を心から信じている。そしてまた、企業が「自分がこう扱われたい」と思うやり方で顧客に接すれば、顧客は他との違いを感じその企業に関心を寄せると考えている。

「顧客は一人の人間である」ということを認識するのは、スタートにすぎない。そして、顧客がその企業に注目したいと思うような環境を構築するためには、素晴らしく、そしてユニークなカスタマーエクスペリエンスを提供することが重要なのである。

それにはどうすれば良いのか?まず、顧客が何を望むかを把握することである。夜眠れないほどに顧客を悩ませている問題(これが自社のビジネスが顧客に提供している商品である可能性が高い)への解決策以外に、彼らは何を望んでいるのだろうか?

 

顧客は「ほとんどの人間が望んでいるもの」を欲している。つまり、人とつながりをもち、コミュニティの一部であると感じたいのである。

これが実際に、ソーシャルネットワーキングが人気となった主な理由の1つである。人間は、他人と関係を築き、つながりたいという深い欲求を持っている。この「つながりたい」という欲求は非常に強く、人間だけでなく、ペットや、さらに企業といった無生命体をも対象とする。

よって顧客が、自社とのつながりを持ち、そのコミュニティの一部であると感じる環境を構築することが効果的なのだ。それはどのように実現できるのか?以下に、まず始めるべき4つの方法を紹介する。

 

1.顧客と企業をつなげるコンテンツを提供すること

特に、オンラインにおいて最も重要なのは「コンテンツ」であるということは、どこかで聞いたことがあるだろう。人々がインターネットを利用する主な理由の1つは「何かを学ぶこと」であると言われており、コンテンツに注力するのは賢いマーケティング戦略であるといえる。しかし今では、コンテンツで溢れかえっているのが現状だ。

それでは、いかにして自社のコンテンツを他社のそれよりも目立たせることができるのだろうか。

 

第一に、クオリティーが極めて高いコンテンツを確実に制作することである。おざなりなコンテンツを制作してはいけない。既にインターネット上には、適当に制作された大量のコンテンツが存在しており、そのようなコンテンツはこれ以上必要ないのだ。

 

第二に、コンテンツが顧客に本当に望まれる内容であるかどうかを検討することだ。自社の理想的なクライアントや顧客が、あなたから学びたいと考えていることを詳細まで明確にし、それを提供すべきなのだ。

 

第三に、顧客が好むフォーマットでコンテンツを提供することだ。つまり、顧客が動画を見ることを好むのであれば、ビデオコンテンツを提供するということである。読むことを好むならば、コンテンツは読み物であるべきだ。写真やインフォグラフィックを好む場合も然りである。

 

しかし、コンテンツフォーマットについてはさらに掘り下げる必要がある。顧客はよりフォーマルなスタイルで学びたいと望んでいるのか、それとももっと楽しくてライトなものを好んでいるのか。多くの物語を好むのか。もしくは、率直なハウツーコンテンツを好むのか。

顧客の望むフォーマットで、求めているコンテンツが提供されれば、彼らはより一層企業とのつながりを認識するだろう。

ある製品を販売している企業も同じである。その場合、どのように効果的なコンテンツを制作できるだろうか。

バター入りコーヒーを販売するBulletproof Coffeeは、ライフスタイルやエクササイズのヒント、またBulletproof Coffeeのさまざまな利用方法に関する大量のコンテンツを有するブログを運営している。(たとえば、Bulletproof Coffeeをヘアマスクとして使用するといった方法について書いている記事もある。)

Bulletproof Coffeeは顧客にとって「良いもの」を提供するブランドである。そのため、顧客の健康と生活を向上させるのに役立つコンテンツをシェアすることは、Bulletproof Coffeeブランドと完璧に合致している。

特定の製品を販売する場合は、その製品を使うことの最終的な目標が何であるかを自問してみるといい。顧客が得ることができる最大のメリットは何だろうか。そして、そのメリットに関連したコンテンツを制作できるのか。

まずは、ここからスタートし、成果を見てみよう。

 

2.賢く楽しませること

かつてのダイレクトレスポンスマーケティングの権威であり、ビジネスの第一人者Dan Kennedy氏は、「顧客を退屈させているようでは、購入に結びつけることはできない」と語った。多くの場合、顧客は「楽しませて欲しい」と考えている。そしてもし、顧客が探しているコンテンツを提供し、そのコンテンツで楽しませることができれば、なおさら素晴らしいことだ。

 

一部の(コメディアンのような)人種にとっては、人を楽しませることは簡単であるだろう。もし生まれつき面白い人間で、コンテンツにユーモアを簡単に取り入れることができる(そして、顧客がそのユーモアを求めている)ならば、それは当然素晴らしいことである。しかし、コメディアンでなくても人を楽しませることは可能である。

どうすればいいのか。それには、「物語」を活用するのである。

「物語」は、人とつながる最も効果的な方法である。我々は人間であり、自然と物語に反応するようにつくられている生き物だ。古いおとぎ話は、実際には道徳的な教訓である。物語によって、教訓がコーティングされているのだ。

たとえば子どもたちに、「森の中で出会った見知らぬ女性を信用してはいけない」と言うだけでは、あまり効果がない。その女性を、お菓子の家に住む、子どもを食べてしまう魔女に変えたらどうだろう。もっと深く、記憶に残るはずである。

それでは、どこに物語を見つけることができるだろうか。また、物語を語るのに向いていないビジネスをしている場合は、どうすればよいのだろうか。その場合、自分の人生についての物語を語ればよい。特にその物語が、特定のポイントを明確に説明している場合には、いつでも共有することができる。

 

たとえば私は、起業家としてのこれまでの自身の人生について、多くの物語を語ってきた。私は1998年以来、自身で事業を営んでいる。フリーランスのコピーライターとしてスタートし、現在では世界中のクライアントにサービスを提供するコピーライティング会社を設立している。

自分の人生について、特に自身の専門知識に関連する物語を共有すると、自社の顧客が反応する可能性が高くなる。顧客は企業とつながりを持ちたいのだ。たとえあなたが、自分の子どもやペットとの物語を共有しているだけでも、それによってコンテンツに「人間味」を加えることができる。つまり人々は、企業の背後にいる人間を認識することができるのだ。

また、自社のクライアントや顧客からの物語を活用することも可能だ。これらは、自社の提供商品に対する「お客様の声」としての役割を果たし、より強力なコンテンツとなる。

 

3.不完全さを認識すること

これは、難しい問題である。私は自分の脆弱性を吐露することに慣れるために、長い時間がかかった。私は、「顧客は、私が完璧であれば、私と仕事をしたいと望むだろう」と考えていた。しかし、実際はそうではなかったのだ。

完璧な人間などいない。そして完璧すぎる人間に出会った場合、人は、自分とは関連性がない人間だという印象を抱く危険性もあるのである。人は、ビジネスの背後に人間が実在することを知りたいと思っている。そしてあなたの弱みを見せることは、人間の存在を示すことになるのだ。

さらに、自身の弱みを見せれば、あなたが顧客からかけ離れた存在ではないと感じさせることができるだろう。もしあなたが顧客よりもはるかに専門的であれば、顧客が、あなたの提示したソリューションが実際役に立つということが信じられないかもしれない。しかし、この点に関しては、数点の注意事項がある。

まず、自分の専門知識の価値を下げてはいけない。たとえばあなたがコーチで、ある日自分のやり方で行き詰まってしまったとする。しかし、自分のためのコーチを雇いどのように問題を解決したかなどということを語ってはいけない。その問題が、クライアントに提供しているサービスと同様である場合はなおさらそうである。あなたの顧客は、あなたではなく、あなたが雇ったコーチを雇う可能性があるからだ。

そうではなく、行き詰まった状況においても、どのように自社のシステムを再度活用し、状況を切り抜けたかということを共有することができるだろう。(しかし、真実だけを共有しなければならない。)

また、脆弱な状況下にいるときは、自分の弱みを共有してはいけない。従って、行き詰まっている時にはその状況について語るべきではない。解決した後に語ればいいのだ。問題の解決に取り組んでいる時に、自分の脆弱性について語れば、“感情抜き”で(客観的に)語ることがより難しくなる。(言い換えれば、防御的、もしくは、敗北したという印象を与えてしまい、顧客を失う危険性があるということがある。)

人は解決方法を知りたいのだ。どのように行き詰まり、まだ抜け出せていないかを聞きたいのではない。人は、自分の人生において解決できない問題を十分に抱えている。あなたの問題まで聞く必要はないのだ。

自分の脆弱性を共有するには、ある種のスキルが必要である。私が共有し始めた当初、「必要であれば優秀なセラピストを紹介する」というプライベートメッセージを受け取ったことを覚えている。私が意図したこととは違う印象を与えてしまったのだ。

しかし、全てを失ったわけではない。まだ、私を雇い続けている人はいる。また、「セラピーを必要としている」というような印象を与えずに自分の脆弱性を共有する方法も学んだ。

もし、この方法で失敗することが「危険性が高すぎる」と感じるのであれば、些細なことから始めてもいい。たとえば、自分の性格について共有してみよう。あなたならではの、ちょっとした弱点を語ってみるのだ。また、自分の人生観などを共有しよう。顧客はあなたの性格を知れば知るほど、あなたとのより強いつながりを感じるだろう。

 

この方法は、あなたが中小企業の所有者や起業家であれば非常にうまく機能するが、一方で大企業の場合はどうだろうか?

その場合は、ブランドのパーソナリティーを創造し、それに沿ってクライアントと交流すればいい。

例えば、米国のアパレル通販会社Zapposを例に挙げよう。Zapposは靴と洋服を販売しているが、なおかつ、顧客がそのマーケティング情報を開いて読みたくなるような、陽気で一風変わったeメールとニュースレターを発信するブランドの「声」を持っている。

製品を販売する場合、自社の顧客がどのようなブランドとやり取りしたいと思っているかを明確にし、そうしたパーソナリティーを創り上げ、顧客に提供するべきなのである。

 

4.インタラクションをもたらすこと

この点は、顧客が企業とつながりを持つことができる環境を構築する際に、最も当たり前とされることである。しかし、驚くほど多くの企業が見落としていることでもある。

顧客が、企業に対して話しかけられるいくつかの方法を提供しなければならない。ソーシャルメディアや自社のブログで顧客に質問をしてみるのもいい。そして、顧客のコメントに対して返答する。また、Facebookの企業ページやグループで、顧客が、企業やその他の顧客とチャットで交流できる場を提供するもの効果的だ。

コンテストを行うことなども有効だろう。自社の商品と関連する顧客自身の写真を投稿させ、タグ付けを促すのも良いかもしれない。

「創造的」になるべきである。どうしたら顧客が、自社の商品だけでなく企業そのものと関わりを持つことができるだろうか。どうすれば、自社の顧客にとって信頼できる情報源としてのポジションを確立できるだろうか。

 

そして最後に言いたいのは、これを達成するには時間を要する、ということである。

企業がFacebookのグループを立ち上げたからといって、顧客がすぐに参加し、企業と交流し始めるわけではない。関係構築には時間がかかるものだ。信頼を獲得するのも同様である。やるべきことやり、そのプロセスを信じ、そして魔法が起きるまで時間がかかることを理解して、待ち続けなければいけないのである。

 

※当記事は米国メディア「E-Commerce Times」の2/12公開の記事を翻訳・補足したものです。

 

 

close