「0から売りを作っていくために必要な2つのマインドセットと3つの改善の軸(後編)」 セミナーレポート | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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2013/05/02

「0から売りを作っていくために必要な2つのマインドセットと3つの改善の軸(後編)」 セミナーレポート

0から売りを作っていくために必要な2つのマインドセットと3つの改善の軸

 

ECの売上を上げるための集客とサイト構築をテーマにしたイプシロン株式会社主催のセミナー&個別相談会が、3月8日に開催されました。
そのセミナーの中から、エンパワーショップ株式会社代表西澤が講演した内容から、特に皆さんに知って欲しい部分を抜粋し、「0から売りを作っていくために必要な2つのマインドセットと3つの改善の軸」と題して紹介していきます。

前編に引き続き後編では、マインドセットを持って、どのように売上を作っていくのかを考えていく、3つの改善の軸を紹介していきます。

 

 

0から売上を作っていくために必要な3つの改善の軸

 

前編ではマインドセット、すなわちショップ運営のスタンスについて紹介しましたが、次は具体的にどのような解決策を持って文字通り「0」からショップの売上を作っていけばいいのでしょうか。

ここは絶対にこうだ、ここは必ずああしろ、などの解決策をご提案したいところですが、ここから先は黄金法則はない領域であり、ショップごとに置かれた状況が違うため、これだけやれば大丈夫!というものは残念ながらありません。

ここでは、どのような方向性で検討をしていくべきかを紹介していきます。

 

売上がほとんどないショップ、開店したばかりのショップでは、モールにおいても独自ドメインにおいても、基本的に以下の3つのポイントにおいて課題を抱えているケースがほとんどです。

 

1.  アクセス

 

2.  商品

 

3.  コンテンツ

 

(※上記の課題は弊社アクセス解析・課題判定サービスShopnoteにおいて月間売上高0~50万円のショップ様向けに自動判定している課題となっています。)

 

それでは、上記の課題を改善していく一般的な考え方を紹介していきます。

0から売りを作る3つの改善の軸

 0から売りを作る3つの改善の軸

 

0からアクセスを作る

 

ショップ運営の一番最初に躓くポイントは、ほとんどの場合この「集客」であることは間違いないでしょう。

前編でも触れたように、必要な売上のために必要な集客を投資を行わないですることが出来るショップは全体の5%か、それよりも少ないごく一部のショップに限られます。

抜群の商品力がある商品を取扱っているショップ、リアルにおける人気が十分にある状態でECをはじめたショップ、雑誌や芸能人のコメントなどで爆発的に日が付いた商品を取扱っているショップなどが、上記の「ごく一部のショップ」に該当すると考えてください。

 

それ以外の、ごくノーマルなショップの場合、集客における投資は必須となります。

言い換えれば、投資を行わない限り、必要な集客は全く得られないと考えた方がいいでしょう。

 

ここではまず、その投資を限られた額で最大限の効果を得るためにどのように行っていくかを考えていきます。

投資は闇雲に行うのではなく、効率の高いものを見極めながら行うのが鉄則です。

 

必要な投資額を見極める

一体、どの程度の予算を広告に投資すればいいのでしょうか。

他のショップはどの程度の予算を投資しているでしょうか。

一般論となりますが、広告予算は売上高の5~15%を目安にしましょう。

この割合には幅がありますが、キーワードの競合状況、商品の利益率などによって前後すると考えてください。

広告投資額は少なすぎるとプレゼンス(露出)が少なくなるため、売上高の少ないショップほど、この割合は大きくなると考えてください。

例えば、(キーワードにもよりますが)月に2〜3万円の広告投資をリスティング広告に行うのであれば、一切投資しないか、もしくはもう少し予算をかける必要があります。

 

効率の高い投資方法を見極める

投資額の目安がついたところで、その金額を全て一気に投資することは行いません。

どの広告手法、どのキーワード、どの設定が一番効率が高いか見極めてから、一番効率の良い手法に投資を限定して行っていきます。

リスティング広告、アフィリエイトなどの旧来から存在する手法だけでなく、リマーケティング、メールマーケティング、ソーシャル連携など様々な投資手法が存在します。

また、リスティング広告においても、キーワードの種別、広告文などにより効率が大きく変わってきます。

その中から、可能な範囲で、小額投資による効率性の確認を何パターンか試してみて、アクセス数や売上高の増加傾向を見ます。

アクセス数が増加すると一般的にはコンバージョンは大きく落ちます。

売上高がほとんどなく、アクセスも非常に少ないショップで、特に広告を行っていない状態では、その商品をそのショップで買いたいお客様が高い確率で来訪していると考えられます。

その状態で広告投資を行うと、商品に興味を持っているが、どのショップで購入するか決めていないお客様も来訪するためです。

そのため、効率性の確認の際には、アクセス数だけでなく、売上高の増加傾向、更には利益率をしっかり見ていくことが重要になってきます。

アクセス数が3倍になった、と言うのはこの場合ほとんど意味が無く、売上高が1.5倍になった、利益率があまり落ち込まない状態を維持出来た、と言う方が重要になります。

 

例えば5万円の投資をして、10万円売上増があった場合、一見広告投資は成功したかのように思いますが、その商品の利益率が30%の場合、3万円しか回収できていないのでアウトということになります。

 

このようにいくつかのパターンを試してしっかりと売上高や利益率を分析し、効率が高そうなパターンを見つけたら投資額を増やしていくのがベストです。

また、時期やタイミングによってもこの理想のパターンは変わってくる場合があるので、とにかく沢山試してみるべきでしょう。

最初から適正な投資を適正な方法に行える人などいません。

どのショップでも試行錯誤しながら探していくことになります。

徐々にステップを踏み、確認しながら投資の適正価格を探っていくと、リスクを抑えて効果性を高めることができます。

 

ターゲットキーワードの設定をしっかりと行う

また、広告投資をする際、リスティング広告のキーワードをどのように考えたらいいかという悩みを持っている方も多いでしょう。

けれど、キーワードを考える前に、どのような利用シーンで買ってもらえるかということをブレイクダウンしないと、いくら考えても効果的な広告にはつながりません。

ここでは詳細は割愛しますが、

「SEO・リスティングでターゲットキーワードを決める5つのステップ」 ここだけのコマースお悩み相談

の記事を参考にしてください。

 

 

また、投資を行った上での集客ではないのですが、アクセスを作る上で見落としがちな点についても紹介します。

 

実店舗での露出を必ず考慮する

アクセスを確保する方法として、実店舗の露出も重要なファクターとなってきます。

まず、取扱っている商品が、実店舗でどのように取扱われているかは、以下の4つのパターンがあります。

パターン1:自店舗のみで販売している
パターン2:自店舗でも他の店舗でも販売している
パターン3:自店舗では販売を行わず(自店舗は持っていないが)他の店舗のみで販売している
パターン4:実店舗ではどこでも販売していない

 

最初の1~3のパターンではお客様は実際にお店で商品を目にする機会があります。

お客様が店頭で商品を見て、スマホなどのモバイル端末を触った場合は88%がなんらかの形で購入に繋がる、と言うデータもあるように、店頭で見た情報を、検索してより詳細に調べる行為は非常にネットショップにとって重要であり、そのお客様をうまく購入に繋げることは売上に繋がりやすい基本的なポイントです。

では、どのように、そのようなお客様を確実に誘導し、確実に購入に繋げることができるのか。

店頭でモバイル端末を操作している人の心境に立って考えてみると、以下の4つのポイントが浮かび上がってきます。

 

  • 店頭で提供している情報・キーワードを確認する

まず、パターン1では問題ないのですが、パターン2と3については、他の店舗、店頭へ行って、実際にどのように商品がディスプレイされ、どのような売り文句が掲げられているのか、しっかり確認しましょう。

また、他の類似商品、競合商品の販売状況もしっかり確認します。

そうです、まずお客様と同じ立場に立って、同じ目線で、同じ情報を得ることがスタートとなります。

 

  • 同一の商品だと識別出来る情報をしっかり提供する

次に、そこで得た情報から、皆さんのショップにおいて、どのような情報を提供すれば、店頭で取扱っている商品と同じ商品であるかが識別出来るかを考えます。

汎用品であれば特にこのステップは重要ではないのですが、それほど目に付く機会が少ない商品であれば、非常に重要なポイントとなります。

アパレルであれば、素材、サイズ、色などのをどのような表現方法で伝えるべきか。

商品の名前、デザインした人の名前、メーカーの名前、作られた年式が重要になる場合もあります。

文章と写真をフルに活用して、隣に置いてあった類似の商品ではなく、「その」商品であることをしっかりとお客様に伝える努力をしてください。

 

  • 店頭では手に入らない情報を提供する

店頭では分からない情報を提供することで店頭ではなく、ネットショップであるメリットを活用していきます。

口コミなどのお客様視点での公平な意見、使ったり着たり食べたりした感想などを沢山提供していきます。

そうすることで、店頭から少しずつネットショップへお客様の心を動かしていくことが出来るようになります。

そして最終的には、価格やポイントなどの実利的なメリットを提供できれば、そのお客様は確実に皆さんのネットショップで購入を決断することになります。

 

  • 店頭・商品から自社サイトへ誘導する

また、パターン1と2のように自店舗にて商品を取扱っている場合は、店頭やレジ周りにネットショップの案内を出したり、ショップカードにURLを印刷することも重要です。

オリジナル商品であれば、パッケージや本体にURLを印刷することも重要です。

基本的なことですが、ここがなかなか欠けているショップも多いように思います。

 

 

軸となる商品を作る

 

商品に問題がある、商品を新たに作る、と言うと、そんなこと出来ないよ、と感じる方も多いでしょう。

しかしここでは、抜本的な問題はさておき、表現的な部分、ちょっとした工夫の部分の話をしてきます。

「0」から売りを作る場合、一般的には、満遍なく取扱っている商品が売れることはほとんどなく、どれか1つの商品がショップの顔となり、その商品がショップ全体を牽引していく構図となります。

そのような主力商品、軸となる商品をどのように作っていくべきか、4つの検討ステップをお話します。

 

軸となる可能性を持つ商品は何か。

まずはじめに、ショップを背負って立つ可能性のある、軸となる商品を絞り込みます。

あれもこれもではダメです。複数のバリエーションがあるとしても、基本的には1つのバリエーションに絞込むことから検討をスタートします。

絞り込み方は、お客様の評判、過去の売れ行き、市場環境におけるその商品のポジショニングなど総合的に判断していきます。

うちは、商品ではなくショップ全体の雰囲気やセレクトのセンスの良さが売りなんだ、と言う場合でも、必ず軸となる商品は必要となります。

ショップを引っ張って成長させていく原動力となるのは、雰囲気ではなく、商品そのものなのです。

 

その商品はどのような時に使うのか。

端的に言うと、その商品が本当にお客様の欲しい商品なのか、今一度考えてみてください。

ショップ側が想定している利用シーンとユーザーが求めている利用シーンに食い違いはありませんか。

ほんの少しの違いが大きな結果を生みます。

例えば、生肉を売っているショップにおいて、通常の自宅用のニーズが高いと考えていたのだが、実はバーベ キュー用のニーズの方が売れるのでは、と気がつき、肉を小分けにし、タレを別袋で付けたところ、売上が3倍以上に伸びたケースもあります。

ニーズとしてはごく一部の人に限られているものかもしれませんが、そこにスコープをあてることで、しっかりと売りを作っていくことができます。

大手のコンサルティング会社の伝統的なキーワードで「戦略とは捨てること」と言う言葉もあります。

この状況ではマイナーなニーズにスコープをあてることも、売りを作っていく上で必要となってくるかもしれません。

 

そもそも利用して欲しいシーンはきちんと伝わっているのか。

次に考えたいのは、そのようなニーズ、そして利用シーンがきちんとサイトから伝わっているかを確認します。

どのようなときに、どのように利用するか、して欲しいのか、きちんとサイトから伝わっていますか。

前述の生肉を取り扱うショップで、生の肉の写真を羅列していても、お客様の口からヨダレを垂らすことはなかなか出来ないでしょう。

バーベキューをしている風景、金網で焼いている肉から肉汁が滴り落ちる写真を見て、お客様はヨダレを垂らすのです。

利用シーンとは、商品そのものではなく、食べて欲しい風景、着て欲しい姿、使って欲しい環境などを徹底的に表現することではじめて伝わっていくのです。

 

初めてのときにその商品で大丈夫なのか。

最後は、お客様の購入へのハードルを下げるために必要なものです。

初めてその商品を見たお客様が気軽に試せるものを準備していますか。

そのショップでしか売っていないオリジナル商品の場合は特に、初めてのユーザーが通常の容量に手を出すをのは少しハードルが高いですよね。

取扱商品によっては難しい部分もありますが、可能であれば、誰もが気軽にお試しで購入できるように、少量のお試しセットを用意することも重要になってきます。

 

 

賑わいのあるコンテンツを作る

 

サイトをもっとキレイにしたい、使いやすくしたい、と言う声もよく聞くお悩みの一つです。

しかし、「0」から売上を作っていく場合、サイトをキレイにするより、サイトを使いやすくするよりも重要なことがあります。

アクセスをつくり、商品に魅力も付加した状態で、お客様がサイトから望むのはそのようなポイントではなく、

このショップで購入するメリットはあるのか

他にも購入している人はいるのか

と言う点に尽きます。

そのためにサイト上には以下の3つのポイントで要素を配置してきます。

 

パッと見たお客様の心を掴む

パッとお客様がサイトを見て、しっかり心を掴めるかというポイントです。

サイトのファーストインプレッション、と表現されることもあります。

特にファーストビューの見た目(アイキャッチ)でしっかり訴えること、そして心をしっかり掴む(マインドキャッチ)ために、的確なキャッチコピーを掲げること、商品を使ったお客様の声(ハッピーボイス)をしっかり掲載することが重要です。

うちのショップも掲載している、と思っても、「お客様の声」いうリンクを辿ってしか行き着けない場所にあったりすると全く意味がありません。

インプレッションに該当するコンテンツは、トップページの上の方、各商品ページの上の方にリンクではなくコンテンツをしっかり掲載するように心がけます。

気が短いお客様はパッと見た印象で、商品についてしっかり読み進めていくかを判断してしまいます。

 

商品のメリット訴求で心を動かす

ファーストインプレッションでお客様の心を掴むことに成功したら、次のハードルが商品に関する訴求、特にお客様のメリットの訴求となります。

メリットには様々な視点があります。

価格の優位性、手間の軽減、など直接的なメリットから、商品バリエーションの豊富さ、他店にはない、Web限定という希少性・限定感の演出など、各種のメリットがあります。

これはそのままショップの強みであり、ショップが売上を作れるかの一番の肝にもなるポイントとなってきます。

このようなメリットはうちにはないんだよね、という場合はもう一度しっかり原点に戻ってこのポイントを考え直してください。
賑わいと安心感で背中を押す

商品のメリット訴求で心を動かすことに成功したら、最後にもう一押しお客様の背中を押して、購入に辿りついてもらう必要があります。

このポイントは、サイトの賑わいと安心感の2点が重要になってきます。

賑わいは、人気ランキング、売り切れ、再入荷など商品が動いていることを伝えることがメインとなってきます。

「店長のおすすめ」という表現では中立性がなく意味がないものとなるため、細かい部分ですが、中立性を担保できる上記のような表現に変えるべきです。

一方で安心感は多くのショップでは忘れがちなポイントですが、背中を押すためには欠かせません。

実績、伝統、老舗感の演出が可能であれば必ず行います。

そのようなものがなければ、オーナーの商品へ対する思い入れの強さが安心感に繋がる場合も多々あります。

これだけ思い入れをもって商品の選定を行っているのであれば、きっと大丈夫とお客様に思わせることが出来るからです。

 

 

「0」から売りを作るためにはテクニックではなく、このようにマインドセットをはじめとした、そもそものスタンスを考え直す必要が多いポイントが多いのではないでしょうか。

 

 

このセミナーはこの講演の後、事前に記入したヒアリングシートをもとに、個別の10分程度の時間を使ってショップの具体的なお悩みを相談すると言う 座談会形式の企画が行われ、専門家に相談出来る機会を得ると共に、普段はなかなか聞くことが出来ない、他のショップの生々しいお悩みを聞くことで、様々な 角度から学びを得て頂けたようです。