楽天株式会社は、運営するフリマアプリ「ラクマ」における農産物取引について調査を実施、結果を公開した。ラクマでの農産物の取引流通額は1年で大幅に拡大しており、カテゴリ別にみると米の流通額が最も高いことが判明した。

 

ラクマでの農産物の取引流通額は1年で6倍に

ラクマにおける、農産物取引流通額は1年で大幅に拡大。中でも、取引が最も活発になる年末の11月~12月には米やみかんが多く出品され、平常月も順調に成長している。主要農産物の野菜・米・果物の総流通額は2017年3月と2018年3月の同月対比では6倍にもなる。この結果から、フリマアプリの活用が多様化し、不用品の売買だけでなく、生産者と直接取引の場としての需要も高まっていることが伺える。

 

さらに取引流通額に関して、カテゴリ別に2017年3月と2018年3月の同月対比を見ると米が4.8倍、果物が5.9倍、野菜が11.9倍だ。米や果物は単一商材の箱買いが多いのに対し、野菜は多品目を詰め合わせたセットが多く取引されていることが判明した。形が一定でないなどといった理由で正規品として市場に卸すことのできないB級品にも人気が集まっている。

 

一番人気の品目は米、一般小売りと比べて割安に購入できる

ラクマで取引される農産物の中で、最も取引流通額が大きい品目は「米」である事が判明。年間を通して消費するため購入者や購入頻度が多くなる米だが、平均購入価格においてはラクマと一般小売を比較すると、ラクマが1キロあたり75円安くなった。生産者と消費者が直接取引することで仲介マージンが発生しない分、販売側は割安に値付けをできる。食費節約を狙った消費者による購入が伺える。

また、ラクマでは農業女子プロジェクト(以下、農業女子PJ)参加メンバーと共に「ラクマ ファーマーズマーケット」の運営を行っている。農業女子PJは、農林水産省が女性就農者の地位向上や活躍の場をサポートするプロジェクトで、現在21名の参加メンバーがサイト内で紹介されている。メンバーの就農のきっかけや栽培のこだわりなどを見ることができるほか、米や果物、野菜だけでなく、六次産業化にまつわる加工品の販売も行う。

 

農業女子PJとの取組みもあり、ラクマでは農家が続々と出品しているという。今回の調査では、農産物の中で米が最も流通額が多かったものの、2017年3月から1年間の成長率は野菜が最も高い。ユーザーは商品の安さだけでなく、スーパーには並んでいない「こだわり」の食材を手に入れることを目的にしていることが伺える。