米国のコンピューターソフトウェア会社Adobeは、eコマースプラットフォームMagento Commerceを16億8,000ドル(12億5,000ポンド)で買収する最終合意に達したと発表

Magento Commerceのeコマースプラットフォームは、デジタルマーケティングソリューションAdobe Experience Cloudに統合され、BtoB、BtoC双方の顧客はこのコマース機能を自社のウェブサイトやアプリでシームレスに利用できるようになる。

 

Magentoは 大手電気機器メーカーCanon(日本)、 スポーツアパレルメーカーHelly Hansen(ノルウェー)、アパレルメーカーPaul Smith(イギリス)、ソフトウェア製造・販売Rosetta Stone(米国)などの顧客と取引しており、今後もMark Lavelle氏がCEOを務め、副社長兼ゼネラルマネージャーのBrad Rencher氏の直属となる。買収完了後はAdobeのDigital Experience Businessの一部となる予定。規制当局の承認待ちだが、承認の可能性は高い。

Rencher氏は「Adobeはコンテンツ制作、マーケティング、広告、分析、そして今回加わったコマースでリーダーシップを発揮し、カスタマージャーニー全体でリアルタイムの体験を可能にするする唯一の企業だ」と語る。さらに「Magentoで、コマースを『Adobe Experience Cloud』に組み込むことで、Adobeはあらゆる瞬間を個人的なものにし、あらゆる体験の購入を可能にする」とも。

 

Magentoは、物理的な商品もデジタル商品も販売のための既製のプラットフォームをAdobeに提供する。Magento Platformは、実証済で拡大可能な技術で構築されており、30万人以上の開発者によってサポートされている。Magentoのパートナーエコシステムは、支払い、配送、税金、物流などの事前構築された何千種類もの拡張機能を提供。MagentoとAdobe両社は、航空会社Cathay Pacific(香港)やレコード会社Warner Music Group(米国)、清涼飲料水製造、販売Coca-Cola(米国) 食品、飲料メーカーNestlé(スイス)などの共通の顧客も抱えている。

 

Mark Lavelle氏は以下のように語った。「今回の買収はわが社にとって、コマースのあらゆる面で革新を推進するための次のステップである」。

「コンテンツとコマースの機能が密接に結びついているため、コマースはこれまで以上に消費者体験の不可欠な部分を果たす」。

「世界で最もポピュラーなコマースプラットフォームであるというMagentoの地位と、優れたデジタル体験をデザインして提供するAdobeのリーダーシップによって、すべてのビジネスが魅力的なリアルタイム体験を創造し、提供し、あらゆるタッチポイントで顧客と関わり、BtoCとBtoBの両方でカスタマージャーニーのどこででも取引を可能にする」。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の5/22公開の記事を翻訳・補足したものです。