米の大手EC企業Amazonは、もちろんオンライン販売において多大な実績を持つ。2017年、同社は北米だけで28億ドルの営業利益を生み出した。最新の収益報告に関するリリースによると、2016年から20%増加したという。

しかし、それは正しい描写ではない。依然成長している国際的セールス部門は30億ドルの営業損失があるということを見過ごしてはならないのだ。

 

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Amazon にとって同社のクラウドコンピューティングサービスAmazon Web Service(以下AWS)の存在は大きい。クラウド部門は会社史上最高の数字をもたらしているのである。2017年、同部門の純売上高は175億ドル。経費控除後の数字は、2016年から39%増で、依然として43億ドルの営業利益をもたらし、同社の総年間純利益30億ドルを確保している。

Amazonのこの事業は今後も成長を続けるだろう。報告書ではAWSの重要なクライアントをいくつか発表している。そこにはエンターテインメント会社Disney、建設会社Turner、ソフトウェア会社Symantec、プロアメリカンフットボールリーグNFLなどの米国企業が含まれる。また、Amazonはフランスと中国にAWSインフラを拡張し、2018年から2019年前半までに新たにバーレーンや香港、スウェーデンへ進出する予定だ。

また、AIサービスの提供も拡大。翻訳やディープラーニングを可能にするビデオ解析も行っている。ビデオプロバイダ向けのクラウドツールを提供するAWS Media Servicesも発表した。

 

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AmazonはAlexa for Businessも職場に定着させている。”なんでも揃う店”ですべての物を買う世の中を実現するために(EC部門の)資金を捻出しているが、AWSによる収入はそれを支えていくだろう。

もちろん、Amazonの極めて強い小売部門は依然として会社にとって不可欠であると同時に、成長している多くのサービスの一つにすぎない。起業家にとっての教訓は、AWSの成長と継続的な成功が、他の多くの企業にはなかなか実行できない「AIや国際的なeコマースやメディアへの投資と参入」をどのように作用するか見守ることであろう。

AmazonのCEOで創業者のJeff Bezos氏は「そもそもAlexaに対する2017年の見通しは非常に楽観的であったが、我々はそれをはるかに上回った」と言及。また「さらに倍になることを期待する」とも述べている。

 

※当記事は米国メディア「Entrepreneur」の2/1公開の記事を翻訳・補足したものです。