株式会社エルテックスは、通信販売に関する消費者の行動や意識に関して独自に調査。通信販売に関する【消費者調査】2017のPart1Part2を公開した。

2013年より実施されている同調査では、通信販売を利用する消費者の「周辺を取り巻く環境」「消費者行動や利用動向」などを集計・分析している。

最新版の調査結果より、ECや通販利用経験者のパソコン保有率は緩やかな減少をみせ、ECでよく利用するチャンネルはECモールが連続でトップであるものの、前年よりも減少傾向にあった。また、化粧品や健康食品に関して、商品の認知方法としてPCやスマホ上の広告が過半数を占め、商品の認知後はスマホでその商品に関して検索する人が増加していることがわかった。

 

 

 

パソコンの保有率が減少傾向の一方、スマホ保有率は7割と継続的に伸長

調査を開始した2013年よりスマートフォンの保有率は年々上昇をみせ、2017年は7割を超えた。一方、PCの保有率は緩やかな低下をみせており、2016年と比較すると3.2%減少している。また、急激な上昇をみせたWi-Fiルーターの保有率は、2016年比で10.7%増の38.7%であった。本年からAIスピーカーの項目を追加、12月初旬の調査時点で保有率は2.5%であった。

 

さらに、今持っていない機器の中で保有したい・使って見たい機器を複数選択で質問したところ、タブレット(20.9%)、AIスピーカー(14.5%)、Wi-Fiルーター(9.8%)の順で多くの回答を得ている。また、年代別に見ると、タブレットに関して、女性よりも男性の方が保有への意向が高い傾向がみられ、20代男性が29.3%で最も高い。AIスピーカーは男女ともに年代によるばらつきがみられ、男性の30~50代(23.3%~25.0%)女性の30代(15.0%)と50代(18.3%)がAIスピーカー保有への高い意向を示した。なお、Wi-Fiルーターに関しては20代男性、20代、30代女性の保有への意向が高かった。

 

ECで最もよく使うチャンネルはECモールが45.8%でトップ

利用したことがある通販チャンネルの中で最もよく使うものを質問したところ、Amazonや楽天市場といったECモールが最も多くの回答を得たものの、2016年比では0.9%減少。一方、独自ECサイトは4.2%であるものの、2016年比で0.9%微増している。また、ECモールに次いでよく使われる傾向がみられる地上波テレビの通販番組は、堅調に数値を伸ばしてきたが2016年より2.8%減少。一方でBS・CSなどのテレビ番組は1.4%と微増した。

 

EC・通信販売で購入する商品ジャンルは「本・電子書籍・CD・DVD・Blu-ray・ゲーム」「ファッション(服、靴、カバン、アクセサリー)、腕時計」が上位定番の順位だ。また、「食料・飲料・お酒」の次に高い傾向にある「家電・カメラ・AV機器」は2016年よりも3.1%増加。その他のほとんどのジャンルは横ばい、または減少という結果であった。

 

化粧品や健康食品の情報源、PCとスマホ広告が合わせて過半数を占める

ECや通販利用経験者で「化粧品」「健康食品」に興味があると回答した人のその商品に関する情報源として多いものと、商品を知った後に取った行動について質問。

情報源に関しては、3年連続でテレビCMが54.3%とトップであり、2016年よりも、1.5%増加。次いで、PCの広告やサイト(33.7%)、スマホやタブレットの広告(23.6%)であったが、それぞれ2016年よりも減少傾向にある。一方、旧来メディアである新聞広告(22.1%、前年比+3.4%)、ラジオCM(7.5%、前年比+2.1%)の健闘がみられた。

 

また、商品を知った後の行動に関しては、「パソコンでその商品を検索してその商品が紹介されているサイトを見た。」(45.3%)が3年連続でトップであったものの、前年度比で2.3%減少。一方で、伸長したのが「パソコンで商品の口コミを見た」(前年比+5.6%)、「スマートフォンで商品サイトを閲覧する」(前年比+4.5%)、「スマートフォンで商品の価格を比較した」(前年比+5.2%)、「実際にお店に行って商品を確認した」(前年比+5.2%)であった。

 

スマホ保有率は年々増加傾向にあることから、商品認知やその後の行動にスマホが大きく介在し始めていることが分かる。ECや通販でよく利用するチャンネルでは安定してトップであったECモールであるが、近年は減少傾向にあり、モール内の店舗、自社サイト共に、いかにスマホに対応させるかが、集客に繋がるだろう。