Adobe社によると、2017年のサイバーマンデーはオンライン売上は前年比16.8%増の史上最高額を記録したという。

米国ソフトウェア会社Adobeが、サイバーマンデー(11月第4木曜日の感謝祭明けの月曜日)の売り上げを発表した。

それによると、2017年11月27日(月)はオンライン販売における史上最高額の65億9,000万ドル(約7,400億円)を記録したという。ブラックフライデー(感謝祭の次の日にあたる11月第4金曜日)のオンライン販売額を15億ドル以上上回る結果に。この調査によると、サイバーマンデーのオンライン売上高は対前年比16.8%増の、およそ10億ドル増となった。

モバイルでの購入も史上最高額を記録し、スマートフォンとタブレットでのオンライン売上高は20億ドルに上ったという。Adobeのデータによると、サイバーマンデーのオンラインショップを訪れた人の47.4%がモバイル端末(スマートフォン39.9%、タブレット7.6%)を使用し、売上げの33.1%(スマートフォン24.1%、タブレット9.0%)を占めている。特にスマートフォンによるウェブトラフィックは前年比22.2%増、売上げは39.2%増えた。

AdobeのMarketing及びCustomer Insights部長のMickey Mericle氏は、「スマートフォンでのショッピングは今や基本になっており、サイトのモバイル最適化によってオンラインショッピングにおける消費者行動に変化をもたらしている」と考えている。

同氏は「消費者もまたオンラインショッピングに対してより精通し、効率的になっている。どこで買うのが一番得なのか、何が欲しいのかが判断できるので、今までパソコン上では行われていた価格交渉の機会が減少している」と語る。さらに「スマートフォン経由で買い物をしたい人が75%に上るミレニアル世代は、モバイルの劇的な成長のもう一つの理由であると言える」と続けた。

Adobeのバックナンバー記事によると、2017年11月1日から11月27日(サイバーマンデー:感謝祭明けの月曜日)のオンラインホリデーセールは、現在500億ドルに達し、2017年のホリデーシーズンはオンラインで1,007億ドルが費やされるという同社の予測の半分に達している。同社は、オンラインホリデーショッピングのデータは、4,500以上の小売サイトと5,500万SKUへの1兆回の訪問の分析に基づいていると述べている。

しかし、米のクラウドコンピューティングシステム提供企業Salesforce少し異なる認識を持っており「今のところ、サイバーマンデーはホリデーシーズンで2番目の売り上げである」と述べ、ブラックフライデーがサイバーマンデーを上回ると述べた。Salesforceは5億人の買い物客のオンラインショッピング行動を追跡した結果、具体的な数字を挙げていないが、サイバーマンデーの売上高は前年比で15%増であるとのこと。モバイルは受注の37%、小売店のウェブサイト訪問数の56%を占めている。また、サイバーマンデーにおけるAI(人工知能)の効果についても追跡し、AI技術によってパーソナライズされたおすすめ商品を表示された買い物客の5%が、サイバーマンデーのオンライン売上の24%を占めることがわかった。

サイバーマンデーの平均注文額(AOV)がブラックフライデーより減少していることがAdobe、Salesforce両社の調査で分かった。Adobeが調査したAOVはブラックフライデーでは135ドルだったが、サイバーマンデーでは133ドルに下がった。Salesforceが調査したAOVは、ブラックフライデーの122ドルからサイバーマンデーの103ドルと、さらに大幅な低下を示した。「これは、大部分の場合、金曜日より月曜日の割引が大きく、送料無料になる購入金額が安く設定されている(または無い)ためだ」と、サイバーマンデーの結果についてSalesforceのブログに記事を投稿している。

楽天市場のサイバーマンデーのデータは、Adobeが出した数字に則していた。同社はサイバーマンデーがブラックフライデーを68%上回り、売上げと購入件数の両方で前年比12%の伸びを記録したと報じた。楽天は「収益と購入活動のピークは、仕事や夜の活動を終えた、アメリカ東部標準時でサイバーマンデーの午後5時から午前零時の間だった」と、サイバーマンデーの数字を公表したニュースリリースで述べている。楽天は、サイバーマンデーのモバイルでの売上高が前年比31%増、モバイルでの購入件数が28%増えた。

カナダのEC企業Shopifyはプラットフォーム上の50万のオンライン小売業者の取引を追跡した結果、ブラックフライデーとサイバーマンデーの週末に総額10億ドル以上を売り上げたことが分かった。そのうち、モバイルでの売上げは64%を占めたとのこと。Shopifyはブラックフライデーからサイバーマンデーのショッピング期間に関するリリース内で、「Shopifyの加盟店も、ピーク時はたった1分で100万ドル以上の取引を生み出した」と述べている。

Adobe曰く、サイバーマンデーのオンライン販売を促進するチャネルに限って言えば、「検索」が最も多く、42.6%を占めている。URLの直接入力やブックマークの利用によるアクセスの「直接トラフィック」が25%で、「電子メール」が24%だった。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の11/28公開の記事を翻訳・補足したものです。