アメリカのEC大手トップ4のうちのAmazonとWalmartは高級ブランド品市場への進出に注力している。

2017年、アメリカ消費者がオンラインで1ドルの消費のうち、40セントをAmazonで使っている。Amazonの毎月平均ユニーク訪問者数は1.6億。Walmartは7,900万でAmazonの半分程度である。

ECビジネスが高級ブランド品にまだ浸透していないため、ECを上手く活用しているといわれている高級ブランドバーバリーですら2016年、オンラインでの営業収益は全体の8%しか占めていない。これはEC大手にとっては大きなチャンスである。また、AmazonのPrime会員は、高収入の人の割合が多く、高級ブランド品への需要も大きいと推測されている。Amazonは高級ブランド品の提供を行うことで、会員のロイヤリティーを高めることが可能になると考えている。

しかし、Amazonはここ数年各ブランドメーカーへのアプローチを行ってきたが、これまでにNike,CK,Levis, Kate Spadeのみが出店するに留まっている。これは、高級ブランドメーカーがAmazonとの交渉の際に、Amazon上でブランド品を取り扱っている他のセラーを排除することを求めることが影響している。そして、5,000ドルの高級バッグが100ドルのバッグと同じ検索ページで表示されると、ブランド品の高級感を損なうと考えているという背景もある。しかし、Amazon側はそれには応じない姿勢を崩していない。Amazonからすると、それらのセラーが商品の平均価格を低くする傾向があるため、プラットフォーム自体の魅力を高めることができるからだ。

Walmartの高級ブランド品市場への進出はさらに困難を極めるだろう。それは消費者の中のイメージがWalmartイコール低価格となっているためだ。しかし、今月、WalmartはLord & Taylorという高級百貨店と連携を開始。その低価格というイメージは少しでも変わるかもしれない。そして、毎月平均ユニーク訪問者数85万のLord & Taylorにとっても、今回の連携は大きなチャンスとなっている。

 

※当記事は中国メディア「雨果網」の10/23公開の記事を翻訳・補足したものです。