この10年間で中国は人件費がおよそ7倍に跳ね上がり、生産基地としての優位性が完全に失われた。その結果、中国に進出していた日本のアパレル企業などは苦戦に陥っている。
日本のアパレル企業Itokinは、中国でかつて300もの実店舗を展開していた。しかし現地企業との競争が激しくなり、経営状態も悪化、この度中国から撤退することを決めた。実店舗を多数持っているアパレル企業Honeysも競争が激しいデパートから離れ、閉店し続けている。2014年~2017年の3年間で実店舗の数は600から430まで減少した。
そのほか、日本の靴メーカAsahiは5年以内に、工場を中国から引き払い、日本に移設する予定としている。Asahiはこれにより10億円を自動化設備に投資し、商品価格は20%~30%増加するが、生産スピードは2~3ヵ月までに縮小、売れ行きの良い商品の出荷率を確報できるというメリットを取った。
また少し前となるが2015年夏、スーツケースメーカーSUNCOも同じく日本国内工場での生産を再開した。中国の人件費の増加と円安の影響で生産価格が増え、商品の価格も増加したことで顧客が減少。国内工場に移転することで、商品の付加価値を高める戦略だとみられている。
中国の市場規模は大きくなる一方で、中産階級消費者を奪う競争が激しくなっている。“世界の工場”としての優位が徐々に失われているといえよう。
※当記事は中国メディア「雨果網」の2/22公開の記事を翻訳・補足したものです。