先日Whole Foodsを買収し世界中の注目を集めたAmazonだが、生鮮食品分野への事業展開は実は2007年まで遡る。2007年、AmazonはAmazon Freshを開始。Amazon Freshは農場とストアを繋げ、顧客にオーガニック生鮮食品を提供するサービスだ。しかしサービス提供を開始し10年近く経つものの、Amazon Freshは生鮮商品の消費の流れを大きく変えるに至っていない。その影響もあり先月、Whole Foodsを買収し、さらにこの分野での事業拡大をAmazonは考えていると見ることができる。それでは、今回の買収が今後一体どのような影響を各分野に及ぼしていくか見ていこう。

 

<参考>

【米国】Whole Foodsを137億ドルで買収したAmazonの今後のビジョンを占う

 

生鮮市場シェアの拡大

Whole Foodsはアメリカで447店舗、イギリス9店舗、カナダ12店舗を所有する天然オーガニック食品小売企業であるが、アメリカでの市場シェアはまだまだである。

Kentar Retailデータによると、毎月9%のアメリカ家庭がWhole Foodsで買い物をし、このうちの7%はWhole Foodsで食品類を買う。この人数はアメリカ人口のたった0.63%にすぎない。しかし、76%のWhole Foodsの顧客はAmazonで買い物をする。Amazonユーザーの12%はWhole Foodsで買い物をする。両社の顧客を統合することで、さらなる市場拡大が期待されている。

 

ライフスタイルの変革

AmazonのビジネスモデルはWhole Foodsの価格競争力をより一層高めていく。また、Amazonの顧客にとって、多様なライフスタイルの提案や、自然との繋がりを訴求していくことが可能になる。

 

生鮮領域の競争力を高める

物流網に優位性のあるAmazonにとって、生鮮食品事業の業界の壁は非常に高かった。この買収によって、Amazonは生鮮食品市場で155億ドルのシェアを占めることになる。既に、Whole Foodsの54%の店舗でAmazon Freshと連携しており、世界各地にあるWhole Foodsの実店舗をうまく活用し、Amazon Freshサービスを加速的に広めていこうとしている。

 

非食品類商品の販売強化

Whole Foodsは生鮮食品以外にも美容・化粧品なども販売している。Amazonは非食品類商品の販売についてWhole Foodsより経験豊かであるため、買収によってこれらの商品のWhole Foodsでの販売を強化できる。

 

ショッピング体験をレベルアップ

Whole Foodsは比較的経営はうまくいっていたものの、技術活用への投資はまだまだ足りていなかった。今後、AmazonはAmazon GoやAmazon Prime Nowを流用して、Whole Foodsの顧客により良いショッピング体験を与えることができる。

 

 

※当記事は中国メディア「電商報」の6/27公開の記事を翻訳・補足したものです。