EC・ネットショップ事業者は、購入手続きまで完結せずに、途中でネットショッピングを中断してしまう消費者に対する対策を考えている。そもそもなぜ、消費者は途中でチェックアウトを放棄してしまうのか?英国における調査によると、購入手続きの複雑さに放棄の最大の要因があるとのこと。他にも、支払い方法や、貸出、クレジットカ―ドの種類など、支払いの選択肢の少なさが大きな要因とされている。
このイギリスにおけるオンライン小売業者が直面している課題を、スウェーデンの決済サービス会社Klarnaとイギリスに本拠地を置く世界的リサーチ会社Ovumが調査。
それによると、消費者がショッピングカートを放棄する主な理由として、小売業者の半数以上(52%)は購入手続きの複雑さ、40%は特定の支払い方法の欠如が原因と考えている。39%は貸出やクレジットの選択肢がないことが原因とのこと。
消費者金融の適用は複雑で費用もかかる
したがって、支払い方法と資金調達のオプションを追加すれば、実際にチェックアウト放棄率が下がるかどうか調べることができるかもしれない。また小売業者の98%は、簡単にオンライン決済が出来る何か他の新しい仕組みを提供することを望んでおり、78%はクレジットカードの選択肢を購入手続き時に提供したいと考えている。しかし同時に、小売業者の85%は、クレジットカード支払いの提供が複雑でコストがかかると考えているようだ。
オンラインショッピングにおいて、消費者の53%がより簡単な購入手続き方法を求めており、56%は支払い方法により多くの選択肢があればオンラインで購入すると回答しているため、オンライン小売業者はこの点を改善するのが得策だろう。この調査では、小売業全体の65%の購入が2019年までにオンラインに移行し、そのうち12.8%がモバイル端末で行われると考えられていることも示した。
購入手続きの簡素化は、EC業界の重要な課題
Ovum社主席アナリストGilles Ubaghs氏は、「最もダイナミックで競争の激しいイギリスのオンラインショッピングとモバイルショッピング市場。顧客基盤が多くを要求してくるミレニアル世代に牽引されるようになり、全体的に競争も激化している。こうした状況下、我々はあらゆる支払いシステムを試行錯誤している」と話す。
「小売業者がオンラインで存在感を示すことが困難な時代、購入手続きの方法を改善し、新たな支払い方法を提供することは、EC業界の今後に重要な課題となるだろう」
※当記事はオンラインメディア「Ecommerce News Europe」の4/7公開の記事を翻訳・補足したものです。