現在、デジタルでの売り上げはB2Bメーカー収益の10%にすぎない。多くの企業がデジタル化の重要性を理解しているものの、デジタル販売チャネルの導入には課題があり、ビジネスにおける完全なeコマース戦略の実践を阻んでいるという。
ドイツに本社を置くeコマース企業のIntershopは、売上高が2億5,000万ユーロ以上のB2Bメーカー50社以上を対象にとした調査結果を発表した。回答した企業のうち少なくとも83%は、2022年のデジタル化の予算を最大20%まで増やす予定だ。また、41%が「新たな収益源を拡張し活用するため、デジタル化が重要であることを理解している」と回答した。
収益のほとんどは直販から
しかし、売上のほとんどは、直販、「販売員から」(54%)、「販売代理店から」(26%)から得たものだ。eコマースプラットフォームを利用して獲得した収益はわずか8%であり、収益を上げるために電子データ交換を利用して得た収益は2%である。
「B2Bの顧客はメーカーとデジタルでのやり取りを好む」
この調査では、B2Bの顧客は大口の取引や複雑な製品に関して、メーカーとデジタルで、セルフサービスかつオンラインのやりとりを好むことがわかった。複雑な製品をこのような方法で販売することで、アフターマーケットセールスにおける顧客生涯価値を向上させる機会がさらに生まれるのである。
課題
しかし、この調査によると、B2B企業の多くの部門長(34%)は、eコマースソリューションが生み出す価値を理解していないため、その導入を支持していないとのこと。これは、リソースや資本が他のところに割り当てられるということを意味している。
「メーカーの30%は、チャネルの対立によってeコマースソリューションの完全な導入が阻まれている」
メーカーの経営幹部レベルのサポート不足に加えて、eコマースソリューションの導入を阻むその他の課題として、チャネルの対立(30%)と地域市場に関する知識の不足(38%)が挙げられる。
eコマースソリューションの導入によって、パートナーや販売代理店が疎外されると、チャネルの対立が発生する。しかし、彼らがソフトウェアに統合されていれば、これらの対立は容易に解消できる。さらに地域市場に関する知識を得るために、メーカーは特定の地域の人口統計を基に、バイヤーペルソナを開発することができる。
メーカー向けのソフトウェア
Intershopによると、メーカー向けのeコマースソフトウェアは、機能的なオンラインストア以上のものでなければならないという。それは、モバイルタッチポイントやマーケットプレイスとの統合、再販業者や販売代理店の管理、セルフサービスのオムニチャネル顧客体験を含むものであるべきなのである。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の4/8公開の記事を翻訳・補足したものです。