サイトの販売機会を最大化させるEC向け統合型マーケティングソリューション「NaviPlusシリーズ」を開発・提供するナビプラス株式会社は、レビュー導入済みECサイトを対象に各サイトで行われたレビュー収集に関するキャンペーンを調査し、「レビュー収集施策調査レポート」を発表した。その一部を紹介する。
ECサイトでの商品レビューの運用にあたり、まず考えないといけないのは「利用者にどうやってレビューを書いてもらうか」である。多くのECサイトが、レビューの投稿者にポイントやクーポンを提供する「レビュー投稿キャンペーン」を実施することで、利用者にレビューを書いてもらっている。また、他の利用者にとって参考になる“有用な”レビューを集めるための工夫もさまざまである。そこで今回、大手60サイトの「レビュー投稿キャンペーン」と「“有用な”レビューを集める工夫」の調査を行った。
多くのECサイトがレビュー収集施策として実施している「レビュー投稿キャンペーン」は大きく分けて、通年行われるものと短期間で行われるものの2種類あり、それぞれ目的によって使い分けることで収集に大きな効果を発揮する。
通年行われるキャンペーンは、定期的にレビューを獲得することが目的で行われる。この施策は月間で行っていることが多い。例えば、抽選の場合、毎月~名様などという形で行っている。また、ポイントとクーポンが多く、金額は10円相当から1000円相当まで様々である。
短期間で行われるキャンペーンは、特定の商品にレビューを集める目的で行われることが多い。期間は1ヶ月~2ヶ月程度である。この施策はポイントがもっとも多く、金額は500円相当と比較的大きいが、抽選にしているサイトも多い。
次に、キャンペーンの内容をポイント、クーポン、プレゼントの3点に分けて見ていく。
ポイントを付与するキャンペーンは、レビュー収集施策の中でも取り入れているECサイトの数がもっとも多かった。抽選での付与と全員への付与はおおよそ半々で、付与されるポイントは様々だった。独自のユーザランク用のポイントや、そのユーザランクに応じたポイントを付与するサイトも見られる。以下がポイントキャンペーンの例である。
クーポンを配布するキャンペーンは、ポイント施策に比べると数は少ないが、レビューを多く集めているサイトでも実施されている。クーポンの内容は、送料無料もしくは50~2000円相当と、ポイント施策より付与される単価が高めという結果となった。以下がクーポンキャンペーンの例である。
プレゼントを行うキャンペーンは、「通年で開催」・「毎月募集」・「抽選でプレゼント」などという形で行っているECサイトが多い。自社の製品に関わる小物やサンプル、現金・電子マネー・Amazonギフト券などの金券などとプレゼント内容は様々である。この施策はレビューがよく集まっているECサイトが多く、商品現品やサンプルのプレゼントはリピーターやファンに効果的な可能性がある。以下がプレゼントキャンペーンの例である。
最後に、質の高いレビューを集める工夫の中から画像投稿にインセンティブを付与する方法を紹介する。
LOOX社によると画像レビューは、そうではないレビューに比べCVRが26%高まったという調査結果がある。また、ユーザーが投稿した画像は企業が投稿した画像に比べて12倍もの信頼性があり、実物の見えないネットショッピングでよりリアルに商品のイメージを伝えることができる。レビューに画像がつくことにより、アイテムの情報がよりリアルに伝わる質の高いレビューになり、通販への不安解消を促し、ユーザーが迅速に購買の意思決定をする手助けをすることができる。画像投稿はまだ導入サイトが少なく、差別化に期待できるだろう。したがって、画像投稿にインセンティブを付与することは効果的である。
今回の調査により、ECサイトのレビュー収集施策においてポイント付与キャンペーンが最も多く、画像投稿にインセンティブを付与することが効果的であることがわかった。各ECサイトは目的に応じて、レビュー投稿キャンペーンを通年で行うのか、短期間で行うのかを使い分け、効果を見据えて内容やインセンティブを施策する必要があるだろう。