デジタルマーケティングサービスを提供している株式会社イー・エージェンシーは、ECサイトのカゴ落ちによる機会損失状況を把握するため、同社がサービス提供しているカゴ落ち(ユーザーが商品をカートに入れたにも関わらず購入に至らないこと)対策MAツール「CART RECOVERY(カートリカバリー)」の利用状況を調査。全体のカゴ落ち率は約68%、機会損失額は平均で売上の約2.5倍にのぼることが明らかになった。

 

今回の調査は、2018年4月から2019年3月までの期間で、461サイトを対象に行ったもの。

今回調査したカートリカバリーの利用状況でカゴ落ち率は平均で約68%。また、カゴ落ちによる機会損失額は平均で売上の約2.5倍にのぼり、加えて一番少ない7月でも約2倍の損失が発生している。

細かく月ごとに見ていくと、4月~7月までは約2.1倍前後だが、8月~11月、1月~3月頃にかけては差が広がった。特に2月と3月では最大で売上の約3.1倍も機会損失していることが読み取れる。

 

この調査結果から、例えば、「カートインユーザー数が3,000人、月商が500万円のECサイト」の場合、カゴ落ちしたユーザー数は約2,046人、カゴ落ちによる機会損失額は約1,250万円発生している可能性があるという試算が成り立つ。

 

ECサイトのカゴ落ちの背景には、ユーザーがお気に入り登録感覚で商品をカートに入れるケースも多いと推測される。しかしながら、カゴ落ちを改善することは、最も購入に近いところにユーザーへの施策を打つこととなり、非常に合理的だ。ECサイトのカゴ落ちは依然として大きな可能性を秘めていると言ってもいいだろう。