再利用可能な包装バッケージを使用するショッピングサービスLoopが、フランスで事業を開始した。このスタートアップLoopの背景にある全体構想は、商品配送に使用する包装パッケージが再利用可能に設計されているという点である。Unilever(オランダとイギリスに本拠を置く一般消費財メーカー)、Procter&Gamble(米国に本拠を置く一般消費財メーカー)、PepsiCo(米国に本拠を置く食品飲料メーカー)などの世界的大手メーカーが、すでにLoopと提携している。

 

Loopは世界的リサイクル最大手のTerraCycleによる大規模なプロジェクト。同社は、パッケージに多目的容器を使用した商品の販売を目指している。つまり、買い物客がLoopを通してオレンジジュース、マヨネーズまたは歯ブラシといった商品のどれを注文しても、すべてのパッケージは再利用可能ということになる。商品受け取り後、返却し、再度商品容器として利用するという包装パッケージの考え方は、パッケージ容器の所有モデルが、消費者から製造者所有へ変化することを意味している。

 

大手メーカーとの提携

この新しい所有モデル機能させるために、Loopは大手メーカーであるUnilever、Procter&Gamble、Clorox(米国消費財および業務用製品メーカー)、Nestlé(スイスを拠点とする世界最大の食品&飲料メーカー)、Mars(米国大手食品メーカー)、Coca-Cola(米国清涼飲料水メーカー)、PepsiCoと提携した。全社が自社の商品パッケージを新しくデザインし、持続可能なeコマースプロジェクトに参加している。

 

フランスを皮切りに、英国では10月に事業開始

5月16日(木)にパリで立ち上げられたLoopの新構想は、次週以降、米国の複数の都市でもスタート。そして、次のステップとして10月中にはロンドンでも開始予定だ。フランスのEC業界ニュースメディアEcommerceMag.fr報じるところによると、フランスではスーパーマーケットチェーンのCarrefour が、Loopの主要、かつ現在では独占的な販売パートナーとなっているという。イギリスでは、スーパーマーケットチェーンのTescoが同様の役割を果たす予定。

 

Loopの仕組み

消費者はオンラインショッピングサイトMaboutiqueloop.frを介して、Häagen-Daszのアイスクリームや Milkaビスケット、歯磨き粉からコカコーラまで、あらゆる種類の商品を注文することができる。そして、ガラス、スチール、その他のサスティナブルな原料で作られた容器に入った商品が、消費者の自宅に直接配送されるという仕組みだ。

 

返却したパッケージ容器は洗浄される

Loopの再利用可能なパッケージに対し、消費者には少額のデポジットが課せられる。購入者は、空になったパッケージ容器を集荷してもらい返送するか、小売業者に持ち込むことができる。また、再度その容器に商品を補充して購入することも可能。商品を再購入しない場合は、デポジットは返金されるか、アカウントに充当される。空のボトルとグラスはLoopに返却され、洗浄されたのち、商品が補充されるということだ。

 

※当記事は、英国メディア「Ecommerce News」の5/16公開の記事を翻訳・補足したものです。