モバイル広告ソリューションSmaatoの最新レポートによると、モバイル広告支出に占める小売業の割合は、2018年上半期の35%から、下半期は49%に増加した。

2018年下半期のモバイル広告支出の49%を小売業者が占めることが、モバイル広告ソリューションSmaatoが発表した最新レポートでわかった。今回の調査では、Smaatoプラットフォームを利用する全世界の出版社と広告主を対象に、小売、メディア、自動車、医療、飲食の5つの業界の広告傾向を調査している。

 

小売業者は最大の広告主

上記の5つの産業において、モバイル広告支出に占める小売業界の割合が、2018年上半期の35%から、下半期には49%へと大幅増となった。小売業がモバイル広告出稿に占める割合は23%で、2位のメディア業界の倍以上である(メディアと小売の広告主はモバイル動画広告におよそ同じくらい広告費用を費やしている)。

なかでもAmazonWalmartのようなオンライン小売マーケットプレイスは、小売分野で最大の広告主であり、モバイル広告全分野の28%を占めている。

Smaatoによると、2018年下半期に小売モバイル広告が急増したのはクリスマスから年末にかけてのホリデーシーズンのショッピングへの期待が高まったためとのこと。

Smaatoの社長、Arndt Groth 氏は、「Smaatoモバイル広告プラットフォームに対する世界的な需要は、非常に多様であり、あらゆる分野の広告主が含まれている」と述べている。さらに「この小売広告支出の増加は、モバイル広告業界全体にみられた傾向と同じであろう。特に、ブラックフライデー(11月第4木曜日の翌日。2018年は11月23日)、サイバーマンデー(11月の第4木曜日の次の月曜日。2018年は11月26日)、独身の日(中国の光棍節。11月11日)を含むショッピングホリデーには、広告支出の大幅な増加がみられた」と語った。

 

サイバーマンデーがブラックフライデーを超えた

Smaatoのデータによると、今回初めて、サイバーマンデーのモバイル広告の支出がブラックフライデーの同支出を超えたという。また、サイバーマンデーの広告の支出額を11月中の1日平均広告支出額と比較したところ、2018年は2017年と比べて22%から26%へ微増となったとのこと。

2018年のサイバーマンデーの米国でのモバイル広告支出額に占める小売業者のシェアは、同年下半期の全体の広告支出に対するシェアより10ポイント高かった。「2018年のサイバーマンデーのeコマース小売売上高は17%増で、小売業者がサイバーマンデーやブラックフライデーのために、モバイル広告の予算を増やしているのは当然だ」とSmaatoのトレンドレポートは指摘している。

 

関心を持つべき点

今や、小売業広告主がモバイル広告を主導している。つまり、小規模小売業のマーケティング担当者や広告担当者は、大規模ブランドやeコマースサイトと競い合うために、モバイル戦略にさらに精通し、かつモバイル広告費用をより効率的に使う必要があることを意味する。オンラインショッピングが過去最高を記録し、Amazonが競合他社をリードし続けているなか、小売業者はモバイル広告の取り組みについてじっくりと考える必要があるだろう。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の3/5公開の記事を翻訳・補足したものです。