消費者がスマートフォンで購入する際の主な障壁は、商品の検索やサイトの閲覧フェーズにある。
通説では、モバイルトラフィックの成長にも拘らずスマートフォンコマースがパソコンでのそれに比べて停滞している理由として「購買に非常に近い段階のフリクション」、つまり「決済」であると言われている。しかし英国のインターネット関連企業Qubitの新しい調査によると、本当の問題は「商品を探す過程」にあると断言しているのだ。
このレポートの主張はかなり利己的で、論拠は挑発的であるが、更なる調査と議論に値するものである。Qubitのレポート内のデータは、10億人以上の顧客とのインタラクションと、米国とヨーロッパ内の4,000人以上の消費者を対象としたアンケート調査に基づいている。
モバイルとパソコンの小売サイトにおけるトラフィックの差(2017年)
データからは、デスクトップでの20%弱の売上が、モバイル端末上のトランザクションが影響していることがわかったと言う。しかし、小売業者によっては「3回のデスクトップコンピュータートランザクションのうちの1回は、それ以前にモバイル上で行われた商品検索が直接的に影響している」とのこと。クロスチャネルでの小売に及ぼすモバイルの影響は、2016年以降93%増加したと説明している。
“モバイル端末で購入を完了するために必要な条件は”
レポートは「スマートフォンでのブラウザ閲覧と商品の検索がもっと簡単になれば、小売業者はもっと売り上げを伸ばすことができる」と主張する。
上図に示す通り、“モバイル端末で購入を完了するために必要な条件は”という質問に対する回答の上位3つは、「サイト閲覧」と「商品検索」の改善に結びつく内容ということが調査によって判明。対照的に、「決済フェーズ」に対する不満を挙げたのは、回答者の40%未満にとどまったという。
モバイル端末においては、ショッピングの「select(選択)」段階で、多くの「離脱」が発生している。このレポートにおける「select」の定義は、買い物客が「買い物かごに商品を追加したり、買い物かごまたは決済ページを表示したりする段階」としている。
Qubitは以下のように説明する:
「Select」段階での離脱は、どのデバイスにおいても最も多い。顧客がモバイル上の商品ページを閲覧するのに問題はないが、探している商品を見つけた後、次のステップに進むのに何かしらの障害があることを示唆している。
Qubitは「商品の検索方法をよりパーソナライズすることが「Select」段階での離脱を防ぐ解決法である」と結論づけている。同社が、自社の顧客にパーソナライゼーションサービスを提供しているのも偶然ではないだろう。
※当記事は米国メディア「Marketing Land」の3/22公開の記事を翻訳・補足したものです。