商業マーケティング会社Criteo調査報告によると、モバイルショッピングアプリを提供している小売業者では、顧客のオンライン購入の50%がモバイルデバイス上のアプリで行われているとのこと。

 

この報告は、2017年第4四半期の間に、80カ国以上の国で5,000以上の小売業者から得た個々の閲覧・購入データで構成されたもの。報告によると、モバイル端末上での取引の54%が小売業者のアプリ経由で行われていたことが分かった。さらに、モバイルアプリのコンバージョン(閲覧者のうち最終的に購入した人の数や割合)は、この四半期でモバイルWebの3倍に増加したことも判明。同時に、オムニチャネルの買い物客は、オフラインのみの顧客より平均して7倍もの購入価格を生み出していることもわかった。

 

この結果は大変興味深い。なぜならIT分野の調査・コンサルティングを行う会社Gartnerの最近の調査で、ブランドの20%はエンゲージメント等の割合が低いという理由で、2019年までにモバイルアプリを中止するだろうと発表したばかりだからだ。

 

Criteoの経営戦略責任者Jonathan Opdyke氏は語る。「スマートフォンの利用が急増するにつれ、アプリ利用とモバイルブラウジングの増加は、オムニチャネルでのショッピングの在り方を面白いものにしてきた。我々のこの調査報告は、モバイルデバイスへのコンバージョン率と売上を著しく増加させた”ショッピングアプリ”の力を示すものとなった。同時にオムニチャネルの顧客は、最高の顧客生涯価値を(企業に)もたらしていることも見て取れた。小売業者やブランドは、マーケティング成果の最適化を目的にこれらの傾向を上手に利用することで、顧客とより良い関係を作り出し、最大限の商取引結果を生むことができるのだ」。

 

この調査ではアプリ以外でも、モバイル端末がイギリスのオンライン取引の53%を占めていることを示した。これはヨーロッパ平均の40%という数値を優に上回るものである。

 

尚、2016年の第4四半期と比較すると、モバイル利用は19%増加している一方で、タブレットの利用は20%低下。デスクトップ利用は3.5%減少しているという。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の2/22公開の記事を翻訳・補足したものです。