東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォーム、Shopeeの日本法人であるショッピージャパン株式会社は、越境EC事業を行っている企業のマーケティング担当者110名を対象に、越境ECマーケティングに関する実態調査を実施した。
調査結果
「Q1.お勤め先の越境EC事業で、現在実施しているWebマーケティング施策を教えてください。(複数回答)」と質問したところ、手軽に始めやすい「SNSマーケティング」が60.9%と最も多く、「検索エンジン最適化(SEO対策)」が55.5%、「検索広告」と「インフルエンサーマーケティング」が同率で50.0%と続いた。
Q1で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q3.実施しているWebマーケティング施策に、十分な費用対効果を感じていますか。」と質問したところ、「かなり感じている」が20.8%、「やや感じている」が54.7%と、費用対効果を実感する企業が75.5%にのぼる一方で、24.5%の企業では費用対効果を実感できていないことが分かった。
Q3で「かなり感じている」「やや感じている」と回答した方に、「Q5.Webマーケティング施策の費用対効果を向上させるために、重要だと思うことがあれば教えてください。(複数回答)」と質問したところ、1位は「複数のオンラインチャネルを組み合わせて運用する」が61.3%、2位は「顧客フィードバックを活用する」の58.8%で、3位以降を大きく引き離しているため、この2つに重きを置いている企業が多いことが明らかとなった。
Q3で「あまり感じていない」「全く感じていない」と回答した方に対し、「Q7.越境ECにおけるマーケティングに関して、課題に感じていることを教えてください。(複数回答)」と質問したところ、「施策を実施した結果が分かりにくい」が53.8%、「マーケティング戦略の設計が難しい」が50.0%、「文化的・言語的な障壁があり、クリエイティブやコンテンツの作成が難しい」が50.0%と上位3つとも半数を超えていた。このことから、越境ECにおいてこの3つの課題に直面する機会は多いと思われ、これに対する対策を考えることが今後重要になってくるだろう。
まとめ
今回の調査では、技術の進化とグローバル化が進む中、多様なマーケティング手法が活用されているものの、効果的な運用にはまだ課題が多いようだった。また、経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、世界の越境EC市場規模は、2026年には4兆8,200億USドルにまで拡大することが予測されており、越境ECに対する期待値は高まっている。このような状況下で、自社の越境EC事業を成功に導くためには、戦略的なアプローチと柔軟な思考が求められるのではないだろうか。