2022年~2023年における欧州のリコマース市場規模は940億ユーロ(約15.2兆円)と評価された。欧州のeコマース市場全体と比較すると、現在のリコマース市場シェアは12.3%である。今後3年間で、14%まで増加すると予測されている。
「リコマース」は比較的新しい用語で、修理、再製造、レンタルサービス、再調整、再生品、再販売などの要素を含む。Vinted(リトアニアに本社を置き、欧州で展開しているフリマアプリ)のようなオンラインマーケットプレイスは、C2Cリコマースマーケットプレイスの好例である。
リコマースは小売市場全体より急速に成長している
ベルギーに本社を置く越境小売支援企業Cross-Border Commerce Europeの調査によると、リコマース市場は2025年までに、小売市場全体の5倍のスピードで成長すると予測されている。前回の調査では、2021年のリコマース市場規模は750億ユーロと見積もられていた。
リコマース市場は2025年までに27%の増加が見込まれる
研究者たちはすでに、2025年までに市場規模が1,200億ユーロになると予測している。しかし、現在の市場の成長率では、そこまでの成長は期待できない。これは、今後3年で市場価値が27%増加することを意味することになる。
中古品を買うことに対するイメージが改善されている
この調査によると、オンライン買い物客の76%が、中古品を買うことについての偏見が減少したと考えている。また、中古品の購入はステータスシンボルになることさえある、と41%が回答した。これは、リコマース市場のイメージが改善されつつあることを示している。
販売者の69%が、再販で得た売上を請求書の支払いに回すことができた。
買い物客の少なくとも85%が、2023年に中古品を売ったり、買ったりしたことがある、と回答。そのうちの27%は「初めて中古品の売買を行った」とのことだ。リコマース市場の販売者の69%が、中古品売買で得た収益を請求書の支払いに役立てることができたと回答。39%は、再販が生活費の足しになったと答えている。
リコマースの持続可能性
多くの消費者が持続可能なイメージを求めてリコマースに注目しているが、研究者によれば、リコマースの持続可能性にはいくつかの限界があるという。同レポートには次のように記載されている。「再販は前向きな一歩ではあるが、購入者が新品の服の代わりではなく、追加購入として古着を選ぶのであれば、そのメリットは限定的となる可能性がある。レンタルは、主にシェアされた商品を交換する際の輸送が、環境に悪影響を与える原因となる可能性がある。複数のカテゴリのファッション製品を提供するオンラインP2P(利用者同士が直接つながる)レンタルプラットフォームは、持続可能性を促進するだけでなく、クリーニングサービスの『ラストワンマイル』」物流ルートも増加させるのだ」。
2022年~2023年の欧州リコマース市場の成長
出典:Cross-Border Commerce Europe
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の1/25公開の記事を翻訳・補足したものです。