欧州のネットユーザーの大半は、オンラインで買い物をしている。しかし、eコマースは成長を続けているものの、以前より減速。欧州における昨年のオンラインB2C総流通総額(GMV)は、6%増の8,990億ユーロで、2021年に比べて成長が鈍化している。

Ecommerce Europe(欧州EC推進団体)とEuroCommerce(欧州小売業界団体)が発表したレポートによると、2021年の欧州のe コマース成長率は前年比で12%増となった。しかし、2022年の成長率は大幅に鈍化している。西欧がオンライン売上高全体の67%を占めており、東欧はわずか2%。測定された成長は、主に東欧で生じたものである。

 


成長停滞の理由はインフレ

eコマースの成長が以前より鈍化しているのは、インフレが主たる原因である。価格が上昇することで、売上高は増加する。これは、サービス部門の力強い成長によって部分的に補正されるものである。しかし、そうしたサービス部門の売上高は、いくつかの国では減少した。

とはいえ、今年も再び成長の回復が期待できる。インフレ率が低下していることから、研究者たちはさらに2%の成長率を見込んでいるのだ。

「インフレ率が低下していることから、研究者たちは引き続き、2%の成長率を見込んでいる」

 


AI
がeコマースを後押し

2030年には、小売総売上高の30%をeコマースが占めるようになるだろう。今後、新たなテクノロジーによってオンライン販売が増加することが予想される。AIは現在、顧客の要望を予測するスマートなアルゴリズムを考案するために広く利用されており、これにより、十分な在庫を確保し、無駄を省くことができるようになるからだ。中古品の販売も一般的になりつつある。こうしたことから、eコマースは今後も確実に成長を続けていくだろう。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の9/25公開の記事を翻訳・補足したものです。