昨年2020年、スイスのeコマースは大幅な成長を遂げた。オンライン販売および通信販売で注文された売上は25.8%増加し、133億スイスフランに達した。これは、121.8億ユーロ、1.6兆円に相当する。

 

昨年のスイスのeコマース成長率は、前年のおよそ3倍となり、国内小売業者の販売総額と比較すると、eコマース注文額は14.2%を占めている。この割合は、1年前には11.5%であった。

 

「スイスのeコマースは小売全体の14.2%を占めている」

 

上位30社は売上高が25.7%増加

これらの数値は、クレジットカード決済代行企業Datatransの「Commerce Report Switzerland2021」によるものである。同調査では、スイスのBtoC(企業対消費者間取引)オンラインショップの上位30社は、2019年の上位30社と比較して、昨年の売上高が25.7%増加したことも明らかとなった。

 

「上位30社による約60%の市場シェア拡大はかなわなかったが、準備ができていない中での既存最大手のプロバイダーによる売上高という点では大きな成果である」とDatatransは記している。たとえば、スイス小売最大手Digitec Galaxusの売上高は、56%(5億5,300万ユーロ)増加した。

 

2021年の売上が減少すると予想している企業はわずか17%

同調査は、スイスのオンラインおよびマルチチャネル小売業者29社を対象としたアンケートに基づいており、その29社のeコマース総売上高は、約29.3億ユーロである。ほとんどの調査対象企業は、人々の生活が正常化した後も、オンライン販売のレベルは安定した状態を維持すると見込んでいる。そのため、多くの小売業者が狙いをシフトし、デジタルオファリングを拡大している。

 

「スイスの消費財取引が、危機をうまく乗り越えたのは喜ばしいこと」

 

「スイスの消費財取引が、新型コロナウィルス危機をうまく乗り越えたのは喜ばしいことだ。非常に高い投資意欲は、プロバイダーが危機への適応の必要性をいかに真剣に受け止めているかを示している。これにより、コマースの変化がさらに加速するだろう」と、Datatransの取締役であるUrsKisling氏は予測している。

 

 

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の6/17公開の記事を翻訳・補足したものです。