メルカリを運営しているリコマース総合研究所は、15〜69歳の男女3,097名を対象に「お買い物に関する調査」を実施した。
調査の背景
2021年のリユース市場規模は2兆6988億円前年比約12%増加し、今後もサステナビリティへの意識の高まりなどからリユース市場は拡大することが予測されている。また、近年、環境に配慮した消費意識の高まりや、フリマアプリの浸透、昨今の物価上昇によるリサイクルショップの活用などの広がりによって、消費の価値観や消費者とブランド・メーカーとの関係性にどのような影響を与えているのかを紐解くため、本調査の実施に至った。
調査結果
「消費に関する価値観について」尋ねたところ、「長持ちする商品を購入する」と回答した人が85.5%と最も多かった反面「シーズンごとに新商品を購入する」と回答した人は24.3%に留まっており、毎シーズン新品を買うより、長持ちする商品を選ぶ傾向が顕著となった。また、「お得に購入できる情報を収集・比較してから購入する」、「口コミ調べてから購入する」と回答した人も多数おり、事前にネットで商品の情報を調査し、吟味して購入しているようだった。
「リユース商品の購入を通じて経験したこと」について尋ねると、「欲しい物を探すときに、リユース品から探すようになった」が26.7%、、「これまで知らなかったブランド・メーカーを知った」20.3%、「リユース品で買ったブランド・メーカーを好きになった」15.9%と続き、リユース市場の拡大と共に、リユース品をきっかけにブランドを知ったり、ブランドを好きになったりする機会が昨対比で上昇していた。
「リユース商品の購入を通じて経験したこと」の質問に対し、「リユース品を買って好きになったブランド・メーカーの新品を買ったことがある」と回答した人の85.6%は、新品購入後そのブランドを「とても好きになった」、「好きになった」と、好意度が大きく上昇していた。
さらに、「リユース品を買って好きになったブランド・メーカーの新品を買ったことがある」人の内43.1%は、それ以降新品の購入が増えていることがわかった。中でも、この先10年後に消費の中心を担う20〜40代の約3人に1人は「新品の購入が増えて、中古品の購入が減った」と回答していることから、リユース品を通じたブランド体験が、そのブランドの新品購入の促進につながっていることが示唆された。
まとめ
消費に関する価値観について「長持ちする商品を購入する」と回答した人が「シーズンごとに新商品を購入する」と回答した人よりも約3.5倍いるという結果となった。また、今回の調査では「リユース品を買って好きになったブランド・メーカーの新品を買ったことがある」人の内43.1%は、新品の購入が増えているという結果になり、リユース品によってそのブランドの新品購入が代替されているわけではないということがわかった。この結果から、メーカーやブランドは、既に市場に出回っている自社のリユース品の活用を検討することで、顧客との新たな接点の創出やビジネス機会を見つけることができるのではないだろうか。