素材科学とデジタル識別ソリューションを提供するAvery Dennisonは、オーディエンスインサイト企業であるGWIと共同で作成した「Digital Consumer Behavior(デジタル消費者行動)」レポートを発表した。

 

本レポートでは、7カ国(英国、米国、フランス、ドイツ、中国、メキシコ、日本)の6,300人以上の衣料品購入者の意識と行動について調査を行った。

 

その結果、モバイルレジやデジタルレシートなど、店舗での体験を向上させる非接触型タッチポイントに対する買い物客のニーズは依然として高いことがわかった。QRコード、RFID、NFC(近距離無線通信)技術を利用して衣服のデジタルラベルをスキャンし、購入前と購入後の両方において商品に関する情報を得ることは、世界中の消費者に依然として人気がある。

 

例えば、世界のファッションショッパーの60%が、スマートフォンで衣服のQRコードをスキャンして適切な手入れ方法を確認することに価値を感じている。さらに、世界の回答者の71%が、ファッションブランドが製造方法を公開していることは重要であると回答している。

 

また、本レポートでは、特にファッションショッパーの間でバーチャル体験やNFTの導入が進んでいることを明らかにしており、全世界の回答者の51%が自分のワードローブのデジタル目録を作成することに関心を示している。

 

メタバースとNFTは、消費者がファッションとゲームの世界を融合させることも可能にした。このトレンドの結果、世界のファッションショッパーのほぼ半数(47%)がバーチャル体験に興味を持ち、3分の1以上がバーチャルゲームのキャラクターのためのデジタル衣装を積極的に購入したいと回答している。世界的に見ると、男性の消費者はテクノロジー、特にメタバースやバーチャル・プラットフォームと関わる傾向が強いといわれている。

 

中古ファッションに関しては、メキシコ(60%)、米国(50%)、ヨーロッパ(50%)の消費者が最も好意的であることがわかる。また、パンデミック以降、中古品の購入に寛容になったと答えた消費者は全体の29%だったが、経済状況の変化によるものと回答した人が、環境的な理由によるものと回答した人とほぼ同数だった。世界的に見ると、4人に3人が生活費のためにファッションへの支出が減少したと答えており、この数字はヨーロッパでは80%、米国では81%に上っている。

 

世界では、ファッションショッパーの10人に6人が、QRコードをスキャンして衣服の適切な手入れ方法を確認することに価値を感じており、その結果、衣服の寿命が延びると考えている。今回の調査では、2021年の報告書と比較して、衣服のデジタルトリガー(固有の識別コード等のデータを組み込んだタグ)に対する快適レベルが全般的に向上していることが明らかとなった。中国、ヨーロッパ、米国では、デジタルトリガーを洗濯のお手入れ方法や衣服の認証証明を得るために使用すると回答した消費者が著しく増加している。

これは、欧米で新たな法整備が進む中、デジタルラベリングやサプライチェーンの透明性を高めるアパレル業界にとって好ましい兆しといえる。

 

「デジタルテクノロジーは、小売業において新しくエキサイティングな機会を生み出し続けている」と、Avery Dennisonのイノベーション、プロダクトラインマネジメント、サステナビリティ及びアパレルソリューション担当副社長のMichael Colarossi氏は述べている。「これらの調査結果は、ファッションの買い物客が、店舗や商品が、より便利で有益、かつ魅力的な体験をもたらすスマートなデジタルソリューションで強化されることを期待していることを裏付けている。消費者は、意識的な意思決定を行い、再販やリサイクルなどの習慣を取り入れるための技術ツールを求めている」と続けた。

 

本レポートは、2021年の調査を基にしたDigital Consumer Behaviorレポートの第2弾であり、Avery Dennisonはこれによりファッションショッパーの意識の原動力を把握することができる。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の3/27公開の記事を翻訳・補足したものです。