オンライン販売では、Amazonが圧倒的な強さを誇っているように見えるかもしれないが、ブランド認知や顧客との関係を構築しようとするセラーには、Amazonに代わる選択肢もある。

 

オンラインの巨大小売企業Amazonによる圧倒的な優位性を否定することはできない。今日、Amazonは地球上で最大のマーケットプレイスであり、食料品、家具、電化製品、さらには書籍にいたるまで、何億人もの購入者を抱えている。ワンストップで買物や配達ができる利便性は、消費者にとって朗報である。しかし、セラーにとっては成功が難しいこともあり、Amazonの代替手段を求める声が高まっている。

 

セラーはAmazonのソリューションに対する懸念事項をきちんとリストアップしている。Amazonを使うためのコストは、利益率の割合であり、間違いなく変動するが、それでもビジネスを行うためのコストに影響する。セラーは潜在的な顧客の海にアクセスすることはできるが、実りある利益を維持するためにボリュームを補わなければならない。

 

利益計算と価格設定は日々変動し、数時間のうちに変わってしまうような膨大な作業である。Amazonは200万人以上の出品者がいる競争の激しいマーケットプレイスである。つまり、購入者があなたの製品を検索するたびに、競合が存在することになる。Amazon自体との競争により、市場から消滅したセラーも少なくない。また、数多くのカテゴリーに出現する模造品や安価なコピー品がある。そんな激しい競争の中では、目立つことが難しくなる場合がある。

 

セラーは、Amazonマーケットのエコシステムの中で、自分自身のビジネスではなく、Amazonの利益を構築するために無駄な努力をしていることにさえ気がついている。セラーは顧客と最小限の関係しか築くことができないため、たとえ成功しても、自分のブランドを構築するメリットを逃してしまうということだ。

 

プラットフォームの選択肢が基調を定める

このような状況から、ある文化が生まれ、セラーは、オンライン販売に代わる実用的な方法を探すようになった。セラーが活用するターンキー方式の1つは、カナダのeコマース企業Shopifyであるが、他にもアメリカのウェブサイト構築企業SquareSpace やイスラエルを拠点とするウェブサイト構築企業Wixなどの多くのプラットフォームがある。これらの強力なプラットフォームは、技術的な知識をほとんど必要とせず、セラーを迅速にオンラインに導くという利点がある

 

しかし、残念ながら、これらのプラットフォームにもそれなりの問題がある。セラーがビジネスを遂行するのに役立つアプリのエコシステムがあり、店舗は、分析、メールマーケティング、在庫管理、スケジュール管理などを行うアプリを使用できる。これらのプラットフォームは、アプリのメッシュ(アプリケーションのエンドツーエンドの可視性と高可用性を提供するもの)上に構築されているため、データの問題、使い勝手の問題、統合の問題などが発生する可能性がある。

 

WordPressをベースにしたソリューションもあり、それはそれで魅力的な選択肢ではある。しかし、これらのアプリケーションの構造は、オーナーが操作する際、すぐに問題になる可能性がある。また、パフォーマンスやカスタマーエクスペリエンス、セキュリティなどの技術的な課題には、セットアップやメンテナンスに高度な技術力が必要となる。

 

すべてのeコマースシステムが同じというわけではなく、ショップオーナーが複雑な状況をナビゲートするのに役立つ代替手段が存在する。これらのシステムは、信頼できるプラットフォームを確立し、SEO、ソーシャルマーケティング、ロジスティクス、eメールマーケティングなどの目標に最適な手法をセラーに紹介してくれる。これらのシステムにより、運営する店舗での体験は、タスクや義務ではなく、サービスとなる。

 

顧客を見つける

セラーが最初にAmazonマーケットプレイスを選ぶ理由の多くは、顧客とのアクセスが良いと思われるためである。顧客数は否定できないが、たとえあなたの商品を買ってくれたとしても、その顧客そのものとの接点がないのである。

 

独立したeコマースシステムを、複数のオープンマーケットプレイスや顧客とのチャネルに接続することが可能だ。これには、Googleショッピング、eBay、Google、Bing、マーケティングネットワーク、ソーシャルメディアマーケティングなどが含まれる。

 

独立したeコマースプラットフォームを利用することで、ショップオーナーは、購入者や見込み客のリストとより効果的に関わることができるようになる。メール、ニュースレター、ソーシャルメディアへの投稿や広告を通じて、オファーを作成し、配信できる。これにより、オーナーは全く別の次元で売上をコントロールすることが可能となるのだ。

 

ソーシャルメディアの利用はますます増加し、SMSやアプリの更新によるモバイルマーケティングは素晴らしい成果を上げている。セラーはソーシャルマーケティングを通じて直接販売できるだけでなく、コンテンツ戦略、ハッシュタグ、ソーシャルメディア広告、およびターゲットユーザーを見つけるために設計されたその他のあらゆる優れたマーケティングアイデアを利用して、トラフィックをeコマースサイトに誘導することができる。

 

シンプルなほど良い

eコマースソリューションを提供する優良企業は、自社のテクノロジーと完全に統合されており、パートナー企業のフランケンシュタック(異なるテクノロジーを組み合わせて作られた不便で非効率的なソフトウェアプラットフォーム)を使用することを避けている。セラーは、目標を効率的に達成するためには、垂直統合されたインフラを拡張することが必須であることに気づく。基本的には、販売プロセスを簡素化し、1つの会社がすべてをシームレスに連携して管理できるようにすることが、eコマース成功の鍵となる。

これらのソリューションを活用することで、

・セラーは、自分のビジネスデータを所有することができる。

・セラーは、より良いマーケティングから利益を得ることができる。

・セラーは、Amazonのソリューションの一部である出品手数料やフルフィルメント手数料を排除し、売上から利益を得ることができる。

 

最善の道を選択する

もし、eコマースの世界に初めて参入する、あるいは、別の方法を探しているなら、多くのルートで製品をオンライン販売することができる。Amazonのプラットフォームから、EtsyやShopifyなどのサードパーティサイト、ゼロからの新規ウェブサイト構築まで、選択肢は無限にあるのだ。

 

どの方法が一番効果的かを調べてから、自分に合った方法を決めよう。じっくり時間をかけて、それぞれの方法を徹底的に試して、最も成功する方法を見つけるのだ。

 

※当記事は米国メディア「Entrepreneur」の7/27の記事を翻訳・補足したものです。