【2020年EC流通総額ランキング】国内18・海外27のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド

 

毎年2月~6月にかけて、世界中のEC業界の各主力プレイヤーが前年の流通総額や売上高を公開している。今年も6月に公開された中国大手アリババグループの発表で、世界の大手ECモール・カート・アプリなどの2020年の流通総額の数値データが出揃った。今回も国内外の各主力プレイヤーの値を中心に紹介していき、それぞれの市場のトレンドを見ていく。今回は昨年と比較して国内で2サービス、海外で7サービス調査対象を広げた。

 

当記事で使用した全データ(エクセル版、及び高解像度グラフ画像)はこちらからダウンロードできます。ご利用に際してデータ出典元を明記頂いた上で、ご自由にお使いください。

※ログインして頂くとデータをダウンロードすることが出来ます。
※アカウント作成する方は、作成後再度このページへアクセスしてダウンロードしてください。

 

目次
▼国内18サービスの流通総額ランキング
▼海外27サービスの流通総額ランキング
▼国内18・海外27サービスの全流通総額ランキング
▼世界のマーケットプレイス(C2C)11サービスの流通総額ランキング
▼世界のECモール17サービスの流通総額ランキング
▼越境ECモール9サービスの流通総額ランキング
▼世界のカート・PKG8サービスの流通総額ランキング

 

国内18のECモール・カート・アプリの流通総額ランキング

 

まずは、国内の18の主力モール・カートサービス及びパッケージ、フリマアプリなどの2020年(1月~12月)の流通総額を見ていく。

2021年最新 国内18のECモール・カート・アプリの流通総額ランキング※ダウンロードファイルに高解像度の上記グラフ画像も含まれます。

 

2020年国内18のEC流通総額ランキングから見るトレンド

2020年はコロナ禍の影響もあり、多くの業種でオンラインシフトが見られたため、国内の全てのプラットフォームがプラス成長となった。また、大手を中心にモールは成長率が高い一方で、個人間取引を行うマーケットプレイスサービスは成長率がそれほど高くないサービスも多く、好影響の恩恵はモールや自社サイトなどの企業から商品を購入するサービスを展開するサイトが多く受けたと言える。

最上位は2020年、初めてAmazonが奪取した。これまでも楽天は首位を守ってきたものの、その公表値はトラベルや楽天ペイ、ラクマなどを含んだ値となっており、純粋な楽天市場だけの値だけで見ると、数年前からAmazonの方が流通総額が大きいことは業界内では公然たる事実となっていたため、それほど大きな衝撃ではないだろう。

また、Yahoo!ショッピングが初の1兆円を突破し、3番目のモールとして消費者にも一定の認知を獲得することに成功したと言えるだろう。また、メルカリは早ければ今年2021年に、遅くても2022年には1兆円の壁をクリアする勢いだ。

 

それでは、国内の主力プレーヤーの流通総額をそれぞれ見ていこう。公表されているサービスも多いが、残念ながら公表されていないサービスもある。ここでは公表データだけでなく、eccLabによる推測値も掲載し、流通総額が多い順に紹介していく。

 

Amazon 流通総額:4兆7,069億円(推測)

Amazon.comが公開している年次報告書の66ページによると、2020年の日本国内における総売上高は204億6,100万ドル。2020年の平均為替レートを105.82円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、米ドルに対しては全てこの値を使用)、日本円にして2兆1,652億円となった。前年2019年の同データは約1兆7,290億円(160億200万ドルで為替レートを108.05円とした場合)だったため、売上高は米ドルベースで前年比27.9%増となっている。Amazonの売上高については、日本国内でAmazonが売主となるものと、第三者が売主になるものの手数料10%程度が合計された値となっており、その割合は未公表だ。しかし、eccLabでは2018年のマーケットプレイス割合を50%、2019年の割合を55%、2020年の割合60%と推定。このことから、2020年の流通総額は4兆7,069億円、前年比37.5%増と推測する。

 

楽天市場 流通総額:4兆4,510億円(トラベル等含む)

楽天投資家向け発表によると、国内EC事業の2020年の流通総額は前年比19.9%増4兆4,510億円となった。この値は楽天市場だけでなく、トラベルなどの宿泊流通、GORAによるゴルフ流通、ビジネス、楽天24、楽天デリバリー、ラクマ、楽天西友ネットスーパーなどの値を含んだものとなっている。また、チケット事業をモバイルセグメントへ移管したことで数値が遡及修正されているため、昨年の流通総額が昨年公表時の3兆8,595億円から3兆7,138億円に修正されている。これで楽天は3年続けて前年の流通総額を下方修正する結果となっている。

 

Yahoo!ショッピング 流通総額:1兆4,180億円

Yahoo!JAPANを経営するZホールディングス株式会社決算説明会資料によると、2020年のYahoo!ショッピング関連事業の国内流通総額は前年比66.5%増1兆4,180億円となった。この流通総額はYahoo!ショッピング、PayPayモール、LOHACO、チャームの取扱高を含むが、アスクルBtoBやZOZOUSEDなどの取扱額は含まれない。増加要因としては「超PayPay祭」等の販促活動強化、ZOZO連結子会社化の影響の影響によるものとされている。なお、eccLabの集計は2020年1月~12月の値となるため、Zホールディングス公式発表の2020年度通期の値とは異なる。

 

ヤフオク! 流通総額:8,303億円

同じくZホールディングス株式会社決算説明会資料によると、2020年のヤフオク!の国内流通総額は8,303億円となった。2019年は8,212億円だったため、前年比1.1%増となった。2年連続の減少には歯止めがかかったもののほぼ横ばいの数値となったが、ヤフオク!の利用者数・客単価は好調に推移しているという。なお、eccLabの集計は2020年1月~12月の値となるため、Zホールディングス公式発表の2020年度通期の値とは異なる。

 

メルカリ 流通総額:7,121億円

フリマアプリのメルカリ決算説明会資料によると、国内の2020年のメルカリの流通総額は7,121億円となった。2019年の国内の流通総額が5,434億円のため、前年比31.1%増となる。数値上ではコロナ禍による後押しなどはみられないものの、昨年から引き続き30%台をキープしている。

 

ZOZOTOWN 流通総額:3,955億円

ZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZO決算報告資料によると、2020年のZOZOTOWNの流通総額は3,955億円であった。2019年の流通総額が3,423億円のため、前年比15.5%増となる。ZOZOによると、成長加速要因は上期に獲得した新規ユーザーの定着と既存ユーザーの訪問増加、そして新型コロナウイルスのポジティブ要素であるデジタルシフトがネガティブ要素である需要減を上回ったためとされている。

 

EC-CUBE 流通総額:2,940億円(推測)

オープンソースECパッケージEC-CUBEを運営する株式会社イーシーキューブは、2019年8月時点での年間流通総額が2,100億円であると公表している。公式サイト上での2020年振り返り記事、及び社外リリース等から、2020年はコロナ禍による巣ごもり需要の増加が1.5倍程度見られることが読み取れることから、2020年のEC-CUBEの流通総額は前年比40%増の、2,940億円と推測する。

 

MakeShop 流通総額:2,343億円

MakeShop発表によると2020年のMakeShopの流通額は過去最高の2,343億円。2019年の流通総額は1,734億円のため、前年比35.1%増となった。9年連続で国内のカートASPジャンルの中での流通総額No.1となっており、この背景についてMakeShopは「コロナ禍の巣ごもり消費増加が導入店舗数・ショップの売上アップを後押しし、1店舗あたりの流通額も大きく伸長したため」とコメントしている。

 

au PAY マーケット 流通総額:2,317億円(推測)

auコマース&ライフ株式会社とKDDI株式会社が共同で運営するau PAY マーケット(旧:au Wowma)は、流通総額を公表していない。2019年の流通総額の1,287億円。しかし、日本ネット経済新聞の記事に「(2020年の)流通総額の増減率は2019年4-12月期の比較で187%」との記載があることから2020年全体では、前年比80%増と推測し、2020年のau PAY マーケットの流通総額を2,317億円と推測する。

 

カラーミーショップ 流通総額:1,936億円

今年で16周年を迎えるカラーミーショップ発表によると、2020年のカラーミーショップの流通総額は1,936億円、2019年の流通総額が1,459億円だったため、前年比32.7%増となっている。2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、食品や飲料を扱う店舗の開店が特に多かったという。

 

ラクマ 流通総額:1,725億円(推測)

ラクマの流通総額は公表されていないが、楽天の投資家向け発表において「新型コロナウイルスの影響で業績が押し上げられた事業」の中にラクマが記載されていること、一方で競合のメルカリよりも勢いは大きくないと予想されることから、前年比15%増と予測し、2019年の流通総額推測値1,500億円から推算し、2020年のラクマの流通総額は1,725億円と推測する。

 

futureshop 流通総額:1,550億円

国内大手ショッピングカートfutureshopを運営する株式会社フューチャーショップのオウンドメディア「E-Commerce Magazine」の記事によると、2020年のfutureshopの流通総額は1,550億円。2019年の流通総額は1,141億円のため、前年比35.9%増となる。2020年はデジタル化が進んだことから稼働店舗数も急増しており、2020年9月時点で2,700店舗を突破したという。

 

Qoo10 流通総額:1,542億円(推測)

Qoo10は、ここ数年で大きく運営母体が変わっていることもあり、流通総額は断片的な情報を組み合わせて推測するしかない状況が続いている。eccLabでは今回もQoo10の流通総額の推測を行う。2019年は「前年比30%増のペースで流通総額を拡大している」という記事の記述をもとに、1,209億円と推測。さらに、「(2020年の)取引高は20%の中盤から後半の伸び率だった」という記事の記述から前年比27.5%増と推測し、2020年のQoo10の流通総額は1,542億円と推測する。

 

BASE 流通総額:953億円

インスタントECを提供するBASE決算説明会資料によると、2020年のBASEの流通総額は953億円。2019年の流通総額が429.6億円だったため、前年比121.8%増となる。BASEは2017年から50%台を保っており、堅実な成長を見せていたが、この120%台という数値は2020年の国内ECにおいて唯一のものである。

 

リピスト 流通総額:818億円

定期購入に特化したECカートリピストを運営する株式会社PRECSによると、2020年のリピストの流通総額は818億円であった。2019年の流通総額に関する情報がないため、前年比は不明である。

 

Commerble EC PaaS 流通総額:250億円

柔軟性に優れたクラウドプラットフォームCommerble EC PaaSを運営する株式会社Commerbleによると、2020年のCommerble EC PaaSの流通総額は250億円であった。2019年の流通総額に関する情報がないため、前年比は不明である。

 

minne 流通総額:149.1億円

ハンドメイドサイトminne(ミンネ)を運営するGMOペパボ株式会社決算資料のp11によると、2020年のminneの流通総額は149.1億円。2019年の流通総額が119.8億円のため、前年比24.5%増となった。また、minneによると、売上高と営業利益において過去最高業績を達成したという。

 

Creema 流通総額:139.8億円

ハンドメイドサイトCreema(クリーマ)は2017年以降の流通総額を公表していなかったが、今回より決算説明資料が公開された。資料によると2020年の流通総額は139.8億円となっているが、2019年の流通総額の記載がないため前年比は不明である。また、Creemaは2020年11月27日、東証マザーズに上場している。

 

推測困難なその他のサービス

カートASPサービスのショップサーブはデータの公表がここ数年行われておらず、2016年は比較的推測が行いやすい状況であったが、その後は情報公開がないため推測不能。同じくカートASPサービスのおちゃのこネットは2017年の流通総額が320億円とされているが、その後の情報公開がないため推測不能。インスタントECサービスSTORESは「毎年、前年比2倍以上のペースで流通額が増加している」という2019年の記事はあるものの、数字が全く公開されていないため、引き続き推測不能としている。

 

 

海外27のECモール・カートの流通総額ランキング

 

続いては、海外の27の主力モール・カートサービスなどの2020年(1月~12月)の流通総額を見ていく。こちらも公表データだけでなく、eコマースコンバージョンラボ編集部による推測値も掲載し、流通総額が多い順に紹介していく。

 

Taobao(淘宝网/タオバオ) 流通総額:58兆170億円(2020年4月から2021年3月までの値・推測)

Alibabaグループは今回から事業全体や売上高メインの情報公開となり、Taobao単体の流通総額が掲載されていないため、これまでの数値と最新資料を合わせた推測を行う。また、例年4月から3月までの数値しか公開されていないことから、当記事の他サービスの集計期間とは異なる点にも留意してほしい。通期実績資料によると、2020年Alibabaグループの中国国内におけるGMVは7兆4,940億人民元であった。この数値は例年TaobaoとTmallの合算GMVを表したものであるため、合算GMVに対するこれまでのTaobaoの割合から推測していく。2018年はTaobaoのGMV割合は54.4%、2019年は同じく51.4%であった。2020年もある程度同じ傾向で、Taobaoの割合が減少していると予測するものの、Taobao Liveが依然として好調で、Taobao LiveのGMVが763億ドルに達しているとの記載もあるため、これまでよりも比率の減少は緩やかになっていると考え、比率は51%と推定。
そのため、Taobaoの2020年度の流通総額はおよそ3兆8,220億人民元、2020年の平均為替レートを15.18円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、中国元に対しては全てこの値を使用)、日本円に換算すると58兆170億円前年比12.8%増と推測する。

 

Tmall(天猫) 流通総額:55兆7,419億円(2020年4月から2021年3月までの値・推測)

タオバオと同じ根拠から、中国大手ショッピングモールTmall(天猫)の2020年度の流通総額は3兆6,720億人民元、日本円に換算すると55兆7,419億円前年比14.7%増と推測する。

 

Amazonグローバル 流通総額:52兆7,655億円(推測)

Amazon.comが公開している年次報告書の18ページによると、2020年のグローバルにおける売上高は3,860億6,400万ドルで前年比37.6%増となった。この値はAWSなどのEC事業以外も含む。EC事業のみで見ると(年次報告書39ページ)、2,159億1,500万ドルで前年比34.6%増となっており、日本円にして22兆8,481億円となる。この値も第三者が売主になるものが手数料10%程度しか計上されていないため、eccLabでは海外のマーケットプレイス割合は国内よりも多いことから63%と推定。このことから、グローバルでの2020年の流通総額は52兆7,655億円前年比61.0%増と推測する。

また、2020年の売上高を地域別に見ると、アメリカが2,635億2,000万ドル、ドイツが295億6,500万ドル、イギリスが264億8,300万ドル、日本が204億6,100万ドル、その他の地域が460億3,500万ドルとなっており、昨年と同様、日本は世界で4番目の売上高を誇る規模になっている。また、本国米国の売上高は68.3%を占めている。

 

JD.com(京東商城/ジンドン) 流通総額:39兆6,578億円

中国大手ショッピングモール京東商城(JD.com)京東全球購(JD Worldwide)などを運営するJD.comの決算発表資料によると、2020年の流通総額は2兆6,125億人民元で、日本円に換算すると39兆6,578億円となる。2019年の流通総額が2兆854億人民元のため、前年比25.3%増となった。

 

Pinduoduo(拼多多/ピンドゥドゥ 流通総額:25兆3,142億円

中国の上海に本拠地を置く共同購入システムのeコマースプラットフォームPinduoduoの2020年の流通総額は、年次報告書によると1兆6,676億元、日本円で25兆3,142億円であった。昨年の流通総額が1兆66億元のため、前年比65.7%増となる。低価格商品を売りとするPinduoduoは2015年の設立以来、農村部を中心に爆発的に普及した。これまではアリババが中国EC市場を席巻していたが、設立から5年ほどでTaobao、Tmall、JD.comに次ぐ大規模サービスへと成長を遂げている。

 

Shopify 流通総額:12兆6,536億円

北米大手ショッピングカートサービスShopifyが発表した年次報告書によると、Shopifyの2020年の年間流通総額は1,195億7,700万ドルとなり、日本円にすると12兆6,536億円となった。昨年の流通総額が611億3,800万ドルなので、前年比95.6%増となる。

Shopifyブログの記事によると、「Shopifyによるビジネスは日本で4,100億円以上(39億ドル)の経済効果と4万人以上の雇用創出に貢献した」と記載されている。ただし、これは第三者監査法人デロイトの委託に基づくShopifyの年次レポートの一部であり、ここで挙げられている数字は経済に関するものだけなく、起業家たちについての数字であるとコメントされている。

 

eBay 流通総額:10兆5,821億円

米国eBay Inc. が発表した投資家向けリリースによると、eBayの2020年の流通総額は1,000億ドルで、日本円にして10兆5,821億円であった。2019年の流通総額が855.1億ドルのため、前年比17.0%増となっている。

 

Shopee 流通総額:3兆7,460億円

シンガポールに本拠地を置くSeaが運営する、東南アジア地域で急速に普及しているC2CモールのShopeeの2020年の流通総額は、Seaの決算発表によると354億ドルであった。これは日本円にすると3兆7,460億円となる。昨年の流通総額が175億762万ドルのため、前年比101.4%増となる。

 

Suning(蘇寧易購/スニン) 流通総額 3兆6,959億円

蘇寧易購年次報告書によると、中国大手のECモールである蘇寧易購の2020年の流通総額は2,903.35億人民元、日本円に換算すると4兆4,073億円となる。前年が2,083.54億人民元となっているため、前年比21.6%増となる。

 

VIP唯品会 流通総額2兆5,047億円

VIP唯品会年次報告書によると、中国大手のECモールであるVIP唯品会の2020年の流通総額は1,650億人民元、日本円に換算すると2兆5,047億円となる。前年が1,482億人民元となっているため、前年比9.2%増となる。

 

Mercado Libre 流通総額:2兆2,145億円

アルゼンチンに本拠地を置き、中南米向けにECモールを展開するMercadoLibreの2020年の流通総額は、年次報告書によると209億2,680万ドルであった。これは日本円にすると2兆2,145億円となる。昨年の流通総額が139億9,740万ドルのため、前年比49.5%増となる。

 

Tokopedia 流通総額:1兆4,430億円

インドネシアに本拠地を置くC2CモールのTokopediaの2020年の流通総額は、記事によると220億ドル、日本円で2兆3,280億円を超えたという。昨年の流通総額が156億ドルのため、前年比41.0%増となる。この前年比率の大きな伸びはTokopediaとGoJekの合併が理由であり、2020年の流通総額はグループ全体での数値となる。

 

Flipkart 流通総額:1兆3,757億円(2020年4月から2021年3月までの値)

2018年にWalmartに買収されたインド最大手のECサイトでありインドのAmazonとも言われるFlipkartの2020年度の流通総額は、記事によると130億ドル、日本円で1億3,757億円となった。2019年の流通総額が公開されていないため、前年比は不明である。なお、この数値にはFlipkartが2014年に買収したミントラのシェアが43%含まれている。なお、Flipkartは、年度ごとの値のみ公開されており、2020年の値の推測が困難なため、2020年4月から2021年3月までの値で掲載している。

 

Zalando 流通総額:1兆2,873億円

ドイツに本拠地を置くオンラインアパレルサイトZalando発表によると、Zalandoの2020年の流通総額は107億ユーロとなり、2020年の平均為替レートを120.31円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、日本円に換算すると1兆2,873億円となった。昨年の流通総額が82億ユーロだったため、前年比30.5%増となる。

 

Etsy 流通総額:1兆879億円

米国ハンドメイドマーケットプレイスEtsy決算発表によると、Etsyの2020年の流通総額は102億8,110万ドルとなり、日本円にすると1兆879億円となった。昨年の流通総額が49億7,494万ドルなので、前年比106.7%増となる。

 

allegro 流通総額:9,217億円

ポーランドを本拠地として欧州で展開するモールallegroの2020年の流通総額は、決算報告書の18ページによると351億1090万ズロチ。2020年の平均為替レートを26.25円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、日本円にして9,217億円となった。2019年の流通総額が6,206億円(228億100万ズロチで為替レートを27.22円とした場合)のため、前年比54.0%増となる。

 

Bukalapak 流通総額:5,952億円

CtoCモールを筆頭にBtoBやBtoCなども展開するインドネシアの企業Bukalapakの2020年の流通総額は、記事に掲載されたCEOの言葉によると「2018年から2020年の期間に200%という大幅なGMVの成長があった」とのこと。2018年の数値が48兆ルピアであることから、2020年の流通総額は96兆ルピア、日本円で5,952億円と推測する。また、2019年の流通総額が70兆ルピアのため、前年比37.1%増となる。Bukalapakの2021年の焦点は、CtoCとBtoCのマーチャントの数を増やすことだという。

 

Lazada 流通総額:4,762億円

シンガポールに拠点を置き、東南アジア各国で展開するアリババ傘下のモールLazadaの2020年の流通総額は、記事によると45億ドル、日本円で4,762億円となった。2019年の流通総額が公開されていないため、前年比は不明である。なお、このデータはマーケットプレイスの数値であり必ずしもLazada全体の流通総額とは限らない点と、時期が記載されていないため2020年1月~12月か、2020年度(2020年4月~2021年3月)の値かは不明である。

 

中国の越境ECモール・アプリ

データ分析会社、易観分析が公開している四半期ごとの分析データ(Q1Q2Q3Q4)によると、2020年越境EC輸入小売市場の流通総額は4,453.2億元、同資料の2019年との比較で前年比7.2%増となっている。記載されている市場規模とシェア率からサービスごとの市場規模を算出すると、Tmall 国際はおよそ1,626億元(2兆4,685億円)、網易Kaolaはおよそ1,217億元(1兆8,466億円)、JD.Worldwideはおよそ616億元(9,355億円)、VIP唯品会(国際)はおよそ375億元(5,698億円)、亜馬遜海外購(Amazon)はおよそ203億元(3,081億円)、蘇寧国際はおよそ121億元(1,843億円)、小紅書(RED)はおよそ113億元(1,723億円)、聚美扱速免税店はおよそ18億元(277億円)、豊趣海淘はおよそ9億元(135億円)となる。Amazonは2019年7月に中国のマーケットプレイス事業から撤退したが、越境EC事業は継続しており、シェアは平均4.6%となっているようだ。

なお、この中国の越境ECモール・アプリの流通総額の算出方法は今回から変更したため、グラフ内の昨対比については、参考程度に考えて欲しい。

 

推測困難なその他のサービス

インドの大手ECサイトでありソフトバンクやアリババが出資していることでも知られるSnapdeal、韓国最大のショッピングモールGmarket、トルコを本拠地として中東地域に展開するモールのTrendyoln11、同地域に展開するeBayが親会社となっているマーケットプレイスのGittiGidiyor、Amazonが親会社となっているアラブ世界最大のECモールSouq、アリババグループでグローバルに越境ECプラットフォームを展開するAliExpressは、いずれも流通総額を公表しておらず、推測するための情報も存在していない。

 

 

国内18・海外27の各主力プレイヤーの流通総額ランキングから見る市場トレンド

 

国内18サービス、海外27サービスの流通総額を紹介してきたが、ここで全てのサービスを流通総額順に並べてみる。

【2020年EC流通総額ランキング】国内18・海外27のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド※ダウンロードファイルに高解像度の上記グラフ画像も含まれます。

 

他を大きく凌駕していた、Taobao、Tmallの2つの中国のサービスに、2020年はAmazonグローバルがかなり接近してきた。ただ、4位のJD.comと今回初掲載となる5位のPinduoduoも中国のサービスとなっており、その市場規模の大きさには驚かされる。

その他の上位陣では、Shopifyが再び爆発的な伸びを見せ10兆円をクリア。ebayも近年の減少傾向から脱し2015年以来の10兆円をクリアした。東南アジアのShopee、ハンドメイドのEtsyが100%を超える成長を見せるなど、世界的に見てもコロナ禍によって、成長率が非常に高い1年となったようだ。全サービスを見ても、昨対比でマイナスになっているサービスは、算出ロジックを変えた中国の越境EC系のサービスだけとなっており、それ以外は全て二桁成長を遂げている。

 

続いてサービス形態別に見てみよう。

 

世界のマーケットプレイス(C2C)型の流通総額ランキング

まずは、マーケットプレイス(C2C)型の流通総額を見ていく。

2020年世界のC2C・マーケットプレイスの流通総額ランキング※ダウンロードファイルに高解像度の上記グラフ画像も含まれます。

マーケットプレイス型のサービスは、大きく成長したサービスと、コロナ禍の恩恵でどうにか成長曲線を維持できたサービスと2極化しつつあるようだ。Taobao、ebay、ヤフオク、ラクマなどは成長率が20%に届いていないものの、Shopee、tokopedia、Etsyなどは40%以上の清長を遂げている。

上位2サービスは前回までと変わらず、中国のタオバオが圧倒し、次いで米国のebayとなっている。またここには掲載していないが、Amazonは流通総額の6割強がマーケットプレイス型によるものとされているため、額面通りに計算すると33.2兆円となり、ebayを上回り2番目にランクされ、Taobaoの半分程度の流通総額となる。今後は、東南アジア系のShopee、tokopedia、bukalapak等は依然として成長率が高いまま継続していくことが期待されているが、成熟市場においてどのような成長率となるのか注視していく必要がありそうだ。

 

世界のECモールの流通総額ランキング

次にモール型サービスの流通総額を見ていく。

2020年世界のECモールの流通総額ランキング

※ダウンロードファイルに高解像度の上記グラフ画像も含まれます。

コロナ禍の恩恵を大きく受けたモール型のサービスは、多くのサービスで成長率がここ数年の中でも高くなった。上位では特にAmazonグローバルの伸びが大きく、Tmallの背中が見えてきたと言っていいだろう。Tmall、Amazonグローバル、JD.comの3サービスの後ろを急追しているのが、サービス開始5年あまりの中国の共同購入サービスPinduoduoだ。さすがに成長率は鈍化してきているものの、どこまで成長を続けるのか注目していきたい。

それ以下の5兆円以下のグループは、日本、中国、インド、南米、中東などの各国・地域内の大型サービスがしのぎを削っている状態だ。

 

越境ECモールの流通総額ランキング

次に越境ECモールの流通総額を見ていく。今回も主に中国市場発のものだけとなる。

2020年中国の越境ECモールの流通総額ランキング

※ダウンロードファイルに高解像度の上記グラフ画像も含まれます。

2019年まで首位だったKaolaは、同2位だったTmall国際を運営するAlibabaグループの傘下に加わり、順位も2020年はTmall国際に逆転され、今後サービスがどのような形となっていくのか不透明な部分もある。Alibabaグループの上位2サービスで60%以上のシェアを持っており、その影響力の大きさは計り知れない状況だ。

 

世界のショッピングカート・PKGの流通総額ランキング

次にショッピングカートASPサービス、及びECパッケージ(PKG)の流通総額を見ていく。

2020年世界のショッピングカート・PKGの流通総額ランキング

※ダウンロードファイルに高解像度の上記グラフ画像も含まれます。

いわゆる自社サイトを展開する際に利用されるこれらのサービスは、数年前までは日本以外の国ではそれほど普及せず、多くの国でモールを中心としたサービスが活況が軸となって市場全体が盛り上がっていた。逆に、日本国内の自社サイト系のサービスは種類も豊富で、機能的にも優れたものが多かった。しかし、ここ数年は市場トレンドの変化と、Shopifyの登場により、日本以外の国でも自社サイトを活用する動きが広がってきている。このShopifyの急成長は、日本にも影響を及ぼしており、自社サイトを展開する際の第一選択肢と言える位置までサービスの認知が高まってきている。日本国内の流通総額は依然として非公開の為分からないが、既に国内首位の可能性すらありそうだとeccLab編集部では推測している。

 

 

こうして流通総額を並べて見ると、2020年は多くの国でコロナ禍の恩恵を受け、これまでの流通総額のトレンドが大きく変わった1年だったと言える。多くの消費者がオンラインシフトを行い、特に実店舗で購入する予定だった商品を、オンラインで購入するため、自社サイト系のサービスは公式店舗が多く出店されている大手モールの成長が著しい結果となった。

相変わらず、中国の規模感やShopifyなどの成長率に圧倒されるが、海外サービスと国内サービスを並べてみることで多くの気付きを得ることが出来るのも事実だ。今後のEC業界の市場トレンドの検討のインプットにしていって頂ければ幸いだ。

今後は、このトレンドがどのように変わっていくのか、また、中東や東南アジアなどまだまだ成長の余地が大きな国の流通総額がどこまで伸びていくのか、引き続き調査を行っていく。

 

当記事で使用した全データ(エクセル版、及び高解像度グラフ画像)はこちらからダウンロードできます。ご利用に際してデータ出典元を明記頂いた上で、ご自由にお使いください。

※ログインして頂くとデータをダウンロードすることが出来ます。
※アカウント作成する方は、作成後再度このページへアクセスしてダウンロードしてください。