ネットショップの発送代行サービスを提供する株式会社STOCKCREWは、管理運営する倉庫Sugito Dockにて、シリウスジャパン株式会社が提供するピッキングアシストロボットの実証実験を2022年3月から開始し、この度6月から一部本格稼働を開始した。

 

PA-AMR(自律走行型ピッキングアシストロボット)はRaaSと呼ばれる月額定額制のサブスクリプションサービスで、このサービスにより初期投資費用をかけず必要台数を導入することが可能になる。

 

 

ピッキングアシストロボット実証実験の背景

 

昨今日本の労働人口減少は長らくの課題となっており、現在その状況に加え、物流業界は倉庫の立地による集客の難しさ・倉庫内業務は一程度肉体労働であることなどの要因が重なり、物流倉庫での安定的な人員確保は年々難しくなっている。その一方、EC市場の需要は高まり続け、経済産業省の電子取引に関する市場調査によると、BtoC市場は約12.2兆円と前年比21.7%と増加し、さらに市場の成長により、ネットショップの発送代行を担う物流倉庫の需要も高まっている。

 

そのような中で、物流業界の人員確保の課題とBtoC市場の拡大に対応するため、物流業界では長らく「自動倉庫」や「物流ロボット」の導入による業務の自動化が急がれている。しかし、ロボットや各種設備は初期投資の必要性があることから、大手物流会社や大手メーカーなど資金力のある企業しか導入できないものとされていた。

 

そこで、シリウスジャパン株式会社が提供するPA-AMR(自律走行型ピッキングアシストロボット)を導入。同社からは、FlexComet6台・FlexSwift4台の計10台を契約し、導入の技術支援を受け本年3月から実証実験を行っていた。そして、今回、当社WMS(倉庫管理システム)からAPI連携でロボットへデータ連携を行えるなど設定環境が整い、6月より一部作業で本格的に運用を開始するに至った。

 

 

今回のロボットの運用で出来ること

 

少人数でも出荷作業の対応が可能なため、倉庫内作業の効率化に繋げられる。その他にも、ロボットのタブレットに表示される画像による商品の確認など、倉庫内作業の経験値に頼らず作業工程を標準化することにより一定の品質が確保できる。また、バーコードスキャンの商品検品を実施することにより、精度の高い検品を行い、誤出荷のリスクを低減することも可能だ。

 

 

 

株式会社STOCKCREWでは利用者へ提供する物流サービスの内容の拡充のみならず、品質向上のために新しいテクノロジーを積極的に取り入れ改善を進めるためにSTOCKCREWが運営する倉庫から、新しい取組を発信している。今後は、現在の倉庫をより拡張していくため、ロボットの試験活用から全体への活用やBtoCだけではなく、BtoBの出荷作業への活用も進めていくとのこと。