ソーシャルメディアが登場した当初は、従来の販売プロセスを回避するためにソーシャルメディアを利用しようとする考えはなかった。現在では、ソーシャルメディアは、ブランドが成長と利益を促進する場となり得るが、ソーシャルコマースにおけるソーシャル(社会的)な要素を無視するべきではない。

 

Six DegreesMySpaces、そして今ではまったく別のサイトに見える前時代的なバージョンのFacebookといったソーシャルメディアが登場した当初は、従来の販売プロセスを回避するためにソーシャルメディアを利用しようとする考えはなかった。

現在、オンラインマーケットプレイスの急速な拡大と、2年間のパンデミックにより、誰もがテクノロジーに精通しているため、ソーシャルメディアの創始者たちが夢にも思わなかった方法で、また、おそらく意図していなかった方法で、コマースとコミュニティが統合しつつあるのを私たちは目の当たりにしているのだ。

 

しかし、これは私たちデジタルマーケターやソーシャルメディアの専門家が生きている現実なのである。そして、ブランドがソーシャルメディアで成功したいのであれば、ソーシャルメディアの新しいルールに従う必要がある。ほぼすべてのプラットフォームで収益化の機会が得られるが、それは売り上げを上げることを保証するものではない。マーケティングでは何でもそうだが、ソーシャルメディアで利益を上げるには戦略が必要だ。そして正直なところ、ソーシャルを軌道に乗せ、コンバージョンを生み出すための戦略は、実店舗でのビジネスを成功させる方法とそれほど変わらない。ブランドがソーシャルメディアで本当に成功するために従うべきヒントをいくつかご紹介しよう。

 

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適切なプラットフォームを使用する

まず、適切な場所、デジタル的にいえば、適切なプラットフォームを利用する必要がある。森の真ん中にレモネードスタンドを設置しても、ポケットが空のまま家に帰ることになるだろう。

 

仮定の話をしよう。あなたには、独自のオーダーメイドの家具を製造および販売する中小企業を経営しているとする。主な販売手段がTwitterであるなら、事業は失敗するだろう。販売は、ほぼInstagramとPinterestの独壇場だからだ。ソーシャルストアフロントをどこに構築するかを知ることは、収益を生み出すための不可欠な部分である。(ヒント:Twitterで物を売ろうとするのはやめよう)。

 

お金を使い、お金を稼ぐ

次に、ビジネスの世界で最も古いイディオムが、ソーシャルコマースにも当てはまることを理解しよう。ビジネス入門の授業では、どう教えるだろうか?「お金を稼ぐためには、お金を使う必要がある」のだ。

 

ソーシャルメディアは、厳密には有料ではなく、ほとんど有機的に存在感を築いてきたブランドのサクセスストーリーがある。私が「ほとんど」と言ったのは、そのような場合でも、彼らには、極めて少額だったとしても、まだ広告予算があったためだ。しかし、現在のソーシャルメディアの状況では、競争の激化により、あらゆる業界において、有名ではない企業はソーシャルチャネルにある程度の資金を投入することが求められている。

 

そうした資金をどこに割り当てるべきだろうか?私の個人的な意見だが、Facebook広告に大金をかけるのではなく、ソーシャルメディア上のコンテンツを、より多くのオーディエンスに提供するためにその資金を使うべきだろう。コンテンツは、消費者を引き付け、ブランドに関心をもたせるものだ。あなたが制作している魅力的なコピーとデザインが、可能な限り広い層のオーディエンスに届いていることを確認できれば、売り上げが着実に上り始めるのがわかるはずだ。

 

購入者を知る

そしてコンテンツについていえば、それは最も重要である!しかし、利益を生み出すためだけにコンテンツを使おうとしているのであれば、それは無駄なことだ。

 

もう一つ、仮定の話をしよう。あなたがある程度の規模の地域に住んでいる場合、おそらく複数の食料品店がほぼ等距離にあるだろう。だが、移動時間は同じであるにもかかわらず、お気に入りの店がある。食料品店Yよりも食料品店Xに行く理由は何なのだろうか?

 

食料品店 Xにある優れたファクターが何であれ、それがデジタルコンテンツにも必要となるものである。それは、モダンでデザイン性に優れているだけでなく、ブランドとやり取りする可能性が最も高いオーディエンス、つまり購入者にも応えるものである必要があるのだ。

 

そのためには、購入者がどのような課題に直面しているかを正確に予測し、その解決策として、どうポジショニングを取ることができるかを示す、的確な購入者プロフィールを作成する必要がある。バイヤープロフィールがなければ、湖かプールかもわからずに網を水面に投げ入れて、当たりがあることを祈るだけのようなものなのだ。

 

バイヤープロフィールの作成に正しい方法はないが、コンテンツを決定するのに役立つプロフィールを作成するには、オーディエンスの心の中に入り込む必要がある。これは、インタビューや人口統計学的調査によって、彼らのインサイトを得ることを意味する。購入者の頭の中に入れば、最終的に購入決定へとつながる、彼らの欲求やニーズに沿ってコンテンツをプロットし始めるように、ブランドとの対話を開始できる。

 

ソーシャルメディアは、その誕生以来、指数関数的に拡大してきたが、その核心は、依然として町の広場的な感覚を維持している。ソーシャルメディアは、ブランドが成長と利益を促進する場となり得るが、ソーシャルコマースの社会的な要素を無視するべきではないのだ。結局のところ、ソーシャルメディア上でビジネスを運営することは、現実のビジネス運営とさほど違いはないのである。適切なプラットフォームを選択し、競合他社に差をつけるために役立つXファクター(決め手となる商品)を提供し、購入者のニーズを満たすのに十分な知識を持つ必要がある。実店舗またはオンラインのどちらで販売する場合でも、成功に至る道筋にさほど変わりはないのである。

 

※当記事は米国メディア「Entrepreneur」の5/31公開の記事を翻訳・補足したものです。