3月末、英国Amazonは、使い捨てプラスチック配送袋による商品梱包を廃止すると発表した。同社は、Amaxonフルフィルメントセンターから発送される注文について、リサイクル可能な紙製の配送袋と段ボール製封筒に切り替えている。

 

人気マーケットプレイスのAmazonは、英国で大きな存在感を示している。同社は2021年、新規に倉庫賃貸契約を18件締結しており、その流通ネットワークが拡大を続けていることは明らかだ。

 

一方、同社は、発生する梱包廃棄物の多さに対する批判にも直面している。2015年以降、同社は梱包廃棄物を削減するための改善策に取り組んできた。同社によると、出荷1件あたりの梱包材の重量を36%削減し、100万トンの梱包材をカットしているという。

 

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英国での改善

現在、Amazon社は、英国にてサステナビリティに向けた新たな活動を進めている。市場として英国を選んだのは、同国ではリサイクル可能な紙製の宅配袋や封筒がより容易にリサイクルできるからである。そのリサイクル素材は、他の段ボール素材と比較して再生材料がより多く使われており、使用ボリュームを削減することができるのだ。

 

「我々は、使い捨てのプラスチック製宅配袋を廃止するために、供給ネットワークを見直した」

 

Amazonの英国担当カントリーマネージャーであるJohn Boumphrey氏は、「我々は、英国で使い捨てのプラスチック製配送袋を廃止することができるよう、供給ネットワークを見直した」と話す。同社は、リサイクル可能な紙製配送袋の採用に加え、今後は商品を元の包装のまま、その上に配送ラベルのみを貼って発送するケースを増やしていく予定だ。

 

サステナビリティへの投資

Amazonは、梱包のサステナビリティを向上させるための投資も行っているという。同社は、商品のサイズに合ったパッケージを開発し、全体として使用する材料をより減らしたいと考えている。また、梱包材に含まれる再生材料の量も増やす予定だ。

 

「2040年までに『ネット・ゼロカーボン』を達成することを約束する」

 

多くの国の消費者は、配送や返品の際に温室効果ガスが排出されるため、eコマースは環境に優しいものではないと考えている。英国Amazonは最近、二酸化炭素排出量の削減を目指し、同社初の電気トラックを発表した。「2040年までにネット・ゼロカーボン(温室効果ガスの排出量と大気中から吸収・除去される量が等しい状態)を達成することを約束する。これは、輸送ネットワークの脱炭素化を継続し、ゼロ・エミッション車(環境に有害な排気ガスを排出しない車両)を使って、より多くの顧客の注文を届けられるようにするためのマイルストーンである」と、Boumphrey氏は述べている

 

※当記事は欧州のニュースサイト「Ecommerce News Europe」の4/1公開の記事を翻訳・補足したものです。