2019年11月1日、フィンランドの郵便企業Postiは、自社の消費者顧客とオンライン小売業者向けのeコマースに焦点を当てた新しい施設をヘルシンキにオープンする。「Box」と呼ばれるこの取り組みには、試着室、大型荷物用のロッカーとキオスク型デジタルサイネージが備わる。

 

Boxは、急速に変化するeコマース業界に郵便サービスが対応するための取り組みだ。ヘルシンキのKeskuskatu(ヘルシンキのメインストリート)に11月1日にオープンするこの施設には、いくつかの目的がある。たとえばこのBoxは、試着室としての機能を有する。顧客はオンラインで注文した洋服を受け取り後、すぐにBoxで試着することができるのだ。そして、その洋服が合わない場合、顧客は一旦自宅に帰ることなく、すぐに商品を返品することができるという。

 

「Boxは、オンラインストアと自宅の間の欠けているピースを埋める」

Postiの Boxのもう一つの利点は、顧客が梱包材をその場に置いていくことができるという点である。これらは、後日リサイクルしたり、他の顧客が使用することも可能。「以前は、オンラインストアと自宅の間に欠けているピースがあった。Boxは、その欠けたピースを埋めるために生み出されたものなのだ」と、Postiのカスタマーエクスペリエンスおよびチャネル部門のトップであるKaisa Ilola氏は話している。

 

オンライン小売業者はイベントを開催して商品を販売することも

Boxは、Postiの顧客向けだけではなく、オンライン小売店も使用することができる。たとえば、オンライン小売店は自社イベントを開催し、自社商品のディスプレイウィンドウとしてこの施設を使用することもできる。「Boxは、国内外の多くのオンライン小売業者にとって、ヘルシンキの中心にある物理的な店舗となるだろう。オンライン小売業者は、Boxで自身のイベントを開催したり、ポップアップイベントを行って自社商品を販売することもできる」。

 

そして、もちろん、BoxはPosti自身のデジタルサービスを披露する場としても使用される。また、顧客は、Boxに設置された新しいセルフサービス端末を用いて小包や手紙を送ることもできる。ここで送料を支払うこともできるし、必要であれば、ビデオ通話でカスタマーサービスチームと話すこともできるという。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の10/31公開の記事を翻訳・補足したものです