電動アシスト付き自転車(eバイク)メーカーのSerial 1は、Vizitを利用してデジタルアセットを最適化し、ウェブサイトのコンバージョンを98%向上させた。

 

電動アシスト付き自転車メーカーのSerial 1には、魅力的な商品やライフスタイルの画像が多くあったが、どの写真が顧客の心に響くかが分からなかった。また、従来のA/Bテスト(バナーや広告文、ウェブサイトなどを最適化するために実施するテストの一つ)の結果を待つ時間も限られていた。

 

そこで、Serial 1は意思決定プロセスを加速するべく、AIと機械学習を用いてビジュアルコンテンツの構成要素を特定し、その効果を定量化するビジュアルインテリジェンスプラットフォーム「Vizit」を導入。このプラットフォームのAIを駆使したテクノロジーにより、同社はどのショットが最も消費者の心に響くかを判断することができた。

 

Serial 1は、米国の老舗バイクブランドのHarley-Davidsonが最初に立ち上げた独立企業で、プレミアムなeバイク(電動アシスト付き自転車)を製造している。この自転車は何年も前から開発されており、2021年の春になって消費者向けに販売されるようになった。同社は、特に現在のパンデミック(世界的大流行)後の環境において、どのようなビジュアルコンテンツが消費者の心に響くのかを迅速に理解したいと考えていた。

 

「eバイクのマーケティングを始めた時には、どの画像が顧客や潜在顧客に最もアピールできるのか分からなかった」と、Serial 1の財務およびコーポレート・オペレーション担当副社長のRex Hamilton氏は語る。「顧客はeバイクが動いているところを見たいのだろうか。たとえば、一体化された内部配線が引き立つ洗練されたデザインのクローズアップを見たいのだろうか。それとも、eバイク全体を広角で撮影したものを見たいのだろうか。Vizitは、単なる推測やテストではなく、テクノロジーを使ってこの答えを見出す方法を提供してくれた」。

 

大規模な画像テスト

Serial 1は、 VizitのようなAIベースのソリューションを使用する場合と比較して、手作業のA/Bテストでは終わるまでに数週間かかる可能性があることが分かっていた。

このプラットフォームでは、AIアルゴリズムを用いて、周囲の風景や環境、人物モデルの存在、画像内での商品の位置などの属性を分析することで、ビジュアルコンテンツを評価して優先順位を決定している。ツールの選択と導入は素早く行われた。

 

 

「Serial 1のリーダーチームの何人かは、購入プロセスに参加していた。手作業のA/Bテストと自動化の2つの選択肢を比較し始めたとき、特に比較的厳しい時間枠において、決断は非常に簡単なものだった」とHamilton氏。

 

Serial 1は、Vizitの使用を考えた理由と、それがブランドにどう役立つかを説明することで、この取り組みをスタートさせた。 「今年の初めにいくつかの写真撮影を終え、素晴らしい画像を選ぶことができたが、それ以外には、プロジェクトを開始するための努力はほとんどもしくは全くなかった」と同氏は述べる。

 

AIの利用で良い意思決定を

数百人のCEOを含む1,000人以上の経営幹部を対象に、AIをどのようにビジネスで利用する(あるいは利用し続ける)考えかを調査したPwC(英国に本拠地を置く、世界最大級のプロフェッショナルサービスファーム)の調べによると、AIを利用して効率と生産性を向上させることが2021年の重要なトレンドであるという。

 

この調査によると、AIはワークフォースプランニングから需要予測、シミュレーションモデリングまで、あらゆる分野で利用されている。AIの利用は、別の重要分野であるコンピュータービジョンテクノロジーの進歩と関わっている。コンピュータビジョンにより、機械がビジュアルコンテンツを「見る」ことをできるようになる。AIと組み合わせることで、そのコンテンツ内の物体や人物などの視覚的要素を自動的に識別し、分類することができる。これにより、テクノロジーは、かつて人々が手作業で行っていたように、ビジュアルな画像を解釈し、理解することができるようになる。

 

Vizitのビジュアルインテリジェンステクノロジーは、機械学習を用いて何百万もの画像を分析し、その効果を測定する。このテクノロジーは、ビジュアル効果スコアを適用し、どのようなデザインや画像がオーディエンスの心に響きやすいかを把握できるようにする。

 

「Vizitのおかげで、データに基づいたインフォームドディシジョンをより迅速に行えるようになった。我々の当初からの目標は、より個人レベルで顧客とつながることだった。これが後に、コンバージョン率や売上の向上につながると考えた」とHamilton氏は語る。

 

商品のアクセシビリティについてのビジョン

Serial 1がVizitのソフトウェアで推奨されているビジュアルコンテンツを導入した後、同社のコンバージョン率は98%増加した。さらに、オンラインショッピングの利用者のウェブサイトの利用時間が25%長くなり、リサーチやテストの時間が99%短縮した。

 

 

「プロジェクト中に目にした最も顕著な傾向から、商品を身近に感じさせることの重要性を感じた。たとえば、バイクブランドでは、バイクが巨大な砂丘を横断したり、深い川を急降下したりするところを見せることがある。これは1人か2人の顧客にはあり得ることかもしれないが、大多数の顧客にはあり得ないことだ。当社のeバイクでも同じことがいえることが分かった」と、Hamilton氏。

 

Serial 1は、プレミアムeバイクが最も使用可能性の高い使われ方を示した際に、最も顧客の心に響くことが分かった。顧客は、自分が同じようにSerial 1のeバイクを使っている姿を想像できるのだ。

 

ビジュアルインテリジェンスを今後の戦略に役立てる

Serial 1は、Vizitのキャンペーンから得られた結果を今後の写真撮影やアセット創造のプロセス全体に役立てていく考えだ。

 

「遠く離れた熱帯のビーチで商品を撮影したとしても、eバイクに乗って地元のファーマーズマーケットやパーティーに向かうカップルを撮影したもののようには、顧客の心に響かないことは分かっている。感動的な写真撮影の必要性がないということではなく、そうしたアセットをどこに配置すべきかをよりよく理解しているということだ」と、Hamilton氏は話す。

 

Vizitのビジュアルインテリジェンスパフォーマンスプラットフォームのようなテクノロジーは、ブランドが顧客に何をどのようにして提示するかを改善するのに役立つ。また、より良い意思決定をより迅速に行うことにも役立つ。「ビジュアルインテリジェンスは、既存の市場を破壊することを目指し、テクノロジーと人間の直感を利用したいと考えているブランドにとって、素晴らしいツールである。テクノロジーのおかげで、顧客は世界中の商品にアクセスできる。我々の目標は、当社のウェブサイトでより安心して買い物ができるようにし、顧客に我々のプレミアムeバイクに乗っている自分の姿を見てもらうことだ」とHamilton氏は述べた。

 

※すべての画像はSerial 1の提供によるもの。

 

※当記事は米国メディア「MarTech」の9/20公開の記事を翻訳・補足したものです。