楽天市場を運営する楽天株式会社は、「楽天市場ヒット番付2020」を11月25日発表した。「楽天市場ヒット番付2020」は、毎年「楽天市場」の購買データを分析し、一年の消費動向や社会情勢を振り返り、その年のトレンドを象徴するキーワードを番付形式で発表するものである。今年も、東西の横綱、大関、関脇、小結の計8つのキーワードと、来年に向けた「期待株」として2つのキーワードを発表した。

 

2020年は新型コロナウイルスの影響により、生活を取り巻く環境が一変した。厚労省が提示した「新しい生活様式」の実践例に通販の活用も挙げられるなど、今年新たにインターネットショッピングデビューした生活者も多い。2020年台初めてのヒット番付では、生活の変化を反映したキーワードが並んだ。

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東の横綱は「応援消費」。コロナ禍で帰省しづらい状況が続いたことで、故郷に思いを馳せ、消費を通じて各地域の事業者や生産者を応援しようという動きが活発である。

西の横綱には「おうちで本格グルメ消費」が座った。料理の手間は省きつつ、本格グルメを楽しみたいという欲張りなニーズを満たす調理家電等が人気になった。一番身近な毎日の食事を、より楽しく・より美味しいものにしようという消費者の想いを反映したものとなった。

東西でそれぞれ、新型コロナウイルスの影響がうかがえるが、より前向きになるための消費動向と言えるだろう。

 

大関以下も、おうち時間を楽しく充実したものにしたい、という世相を反映したものになった。家にいながらアウトドア気分を味わう「おうちアウトドア消費」や、自宅でしっかりエクササイズするための「DIYエクササイズ消費」、在宅勤務の環境を整える「おうちオフィス改革」などは今年ならではの消費傾向である。また、韓国を舞台としたドラマの動画配信サービスや、日韓合同のアイドルオーディション番組の人気を受け、女性を中心とした「韓国エンタメ消費」が目立った。

また、外出する際にも気兼ねなく着ることができる「ワンマイルファッション」や、人と会う機会が減った昨今、人は実は手間をかけ、世話をしたいという気持ちを体現している「愛でたい消費」もランクインした。

 

来年は「新しい生活様式」でより前向きに生活できるよう期待を込めて、生産者の想いや苦労が分かるような商品を購入する「ストーリー消費」や、おうち時間をより一層心地良いものにするための「おうちアップグレード消費」が期待株に並んだ。

身近にモノが溢れている昨今、作り手の顔が見え、商品ができあがるまでの過程や苦労、生産者の想いなどが分かるような、ストーリーのある商品に注目が集まっている。

2020年はおうち時間を充実させるため、家具やインテリア雑貨の売上が拡大した。来年もこのニーズが高まると予測する。おうち時間をより一層心地良いものにするため、間接照明やホームシアターだけでなく、家庭用のプール、サウナなどのキーワード検索数や売上も伸びており、来年も商品人気が高まると見ている。

 

今回発表されたヒット番付により、2020年の消費動向を振り返ったが、新型コロナウイルス感染拡大による生活様式の変化の影響を大いに受けていることがわかった。

2021年の注目消費や注目トレンドとして期待が高い「期待株」にも注目すると良いだろう。