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公開日2020/04/17

新型コロナウイルス関連のコンテンツと、そうでないコンテンツをどのように差別化するべきか

危機的状況の中、コンテンツやSEO、顧客についてどう考えるべきか。そして、どのように将来に備えることができるか?

 

現在目にするコンテンツはほぼ、コロナウイルスに関するものだ。これは当然のことであり、多くのデジタルマーケターがこの危機的状況に対処することを余儀なくされている。

 

しかしながら、「コロナコンテンツ」の拡散は、ジレンマと現実的な問題を生み出している。非常に多くの同じような内容のリスティクル(箇条書きにしてまとめた形式のコンテンツ)と、「COVID-19がeコマース市場にどのような影響を与えているか」についてのデータが溢れている。これは、一種の騒然としたコンテンツを生み出し、根本的な疑問を提起している。皆が、だいたい似たような動きをしている中、どのようなコンテンツ作り、どう差別化を図るべきなのか?コンテンツがSEOの成功には欠かせないものであることはいうまでもないが、とりわけ現状において、他よりも秀でることは、「言うは易し、行うは難し」なのである。

 

これは難しい問題であり、簡単で単純な答えはない。その答えを見つけるため、Hubspot(インバウンドマーケティングとセールスソフトウエア)の販売担当取締役であるMeghan Keaney AndersonKoMarketing(世界有数のB2Bオンラインマーケティング代理店)のデジタルマーケティングシニアディレクターCasie GilletteAscend2(B2B分野のマーケティング調査会社)の CMOであるTodd W. Lebo、そしてConductor(マーケティングサービス会社)のデジタル戦略副社長Patrick Reinhart、以上4人のデジタルマーケターから話を聞いた。

 

また、コロナウイルス以外のコンテンツについて、コロナ終息後に向けての準備の有無、その方法についても訊ねた。そして、本記事の最後に、彼らから得たアドバイスをリストにまとめている。

 

Hubspot – Meghan Keaney Anderson氏

コンテンツマーケティングの基本は、オーディエンスが抱える問題を解決する手助けをすることだ。ここ数週間で、数えきれないほどの企業や従業員、そしてコミュニティが、プレイブックのない、前代未聞の課題に直面するのを目の当たりにしてきた。こうした状況下で、高品質で関連性の高いコンテンツは非常に有益となる。

 

オーディエンスが必要とするものが、これほどまでに急激に、そして劇的に変化したことはない。我々は、最大限助けになれるよう、継続的にコンテンツ戦略を変化させている。あらゆる業界のマーケターも同様に努力することが求められているのだ。この急速に変化する環境の中では、オーディエンスにとって、先週は有益であったコンテンツも、来週に起こり得る課題には関連性がない可能性がある。

 

今、コンテンツクリエーターへ助言したいことは以下の3点だ。

 

  • 継続的にフィードバックを収集し、発信した新コンテンツのエンゲージメント率を綿密にモニタリングすることで、オーディエンスの切迫したニーズに焦点を当てる。
  • 見返りを求めず、独自の価値を提供するよう努力する。製品やサービスの宣伝に注力するのではなく、何よりも役に立つことに集中する。
  • 急激に変化する状況に応じ、コンテンツ戦略を迅速に適応させられるように、常に社内体制の準備を怠らない。

 

KoMarketing – Casie Gillette氏

現時点では、皆、そうしないことは適切ではないと感じ、新型コロナウイルスについて書いている。とはいえ、私が強調したいのは、何か独自に提供できるものがないならば、書くべきではないということである。私が抱えているレストランや小売業界でサービスを提供するクライアントが発信するコンテンツは、彼らがこの状況下でどのように支援を行い、そして今後支援できるのかについての情報である。それらは、彼らしか提供できない情報であり、顧客にとって大変役立つものだ。我々は、常に、「書くことを目的として書くな」と言っているが、それはこうした時にまさに当てはまることである。

 

同時に、クライアントには、通常のスケジュール通りの定期的なコンテンツの公開を推奨している。なぜなら、それらのコンテンツの中には、検索順位を上げることを目的として作成されているものも含まれており、その作成作業を遅らせたとしても自社の利益にはならないからである。我々は非常に慎重になるべきである。例えば、クライアントが「夜も眠れぬ統計結果」というフレーズが含まれるコンテンツを公開予定だとする。いや、2ヶ月前であればそのタイトルに問題はなかったが、現在は事情が異なる。公開するものについて念入りに注意を払って入れば、問題はないのだ。

 

追加すると、読者から無配慮だと受け取られないようにするため、クライアントへ提案したことは、自社の新型コロナウイルスに関する投稿、あるいはアナウンスは、投稿の最上部に固定表示されるようテンプレートすることである。そうすれば、常にブログのトップに表示され、人々の目につきやすくなるのだ。

 

今後のためという意味では、ヘルスケア分野のクライアントはすでにコンテンツの準備に取り掛かっている。この危機的状況が落ち着きはじめた際に、病院が直面する問題を中心に、トピックを作成し始めたのだ。それは間違いではないが、いつそうしたコンテンツを公開できるかわからないという不確実性を許容しなければならない。後手になるよりは先手を打つ方が良いという考えのもと、今後のコンテンツのイニシアチブを検討しているのであれば、まず読者がこの危機の収束時には、どのような課題に直面するか、そして必要な情報は何かを考えることから始めよう。

 

Ascend2 – Todd W. Lebo氏

私が提案するのは、調査とデータ(テスト結果やその他の情報源)に基づいたコンテンツを作成することである。読者は、最善の判断を下すための手助けになる科学的知見やデータを求めており、こうした困難な状況下ではそうした傾向が顕著である。

 

当社が2019年6月に実施した調査Content Marketing Engagementでは、“主張を裏付ける確かな根拠をもつコンテンツ”を提供することが非常に重要であることが明らかとなった。60%という大多数のマーケティング担当者が、調査とケーススタディーがターゲットとなるオーディエンスから最も信頼されているコンテンツタイプであると報告しているのはそうした理由がある。

 

当社が実施した別のB2B調査によると、見込み客がコンテンツの中で最も価値があると考えるのは、「調査」である。調査は、見込み客にとって最も重要なトピックについて不可知論的な見方を提供する。見込み客は、独自に実施された調査には非常に価値があると考える。なぜなら、その調査結果をもとにアイデアを生み出したり、意思決定者に影響を与えたり、戦略の決定、予算の承認を得ることができるためだ。

 

Conductor – Patrick Reinhart氏

誰もが新型コロナウイルスが企業や産業に与える影響についてのコンテンツを発信しているため、それを差別化するのは困難である。我々も同様に取り組んできた。企業が考慮すべきなのは、調査やコンテンツを補完する「次のステップ」である。多くの企業が、調査や声明などのコンテンツとともに、そのようなタイプのコンテンツを提供するのを見たことはない。これは、一部の企業には通用しないかもしれないが、大多数の企業には理解してもらえるだろう。

 

まさに今、自社の顧客やユーザーの役に立つコンテンツを作成するべきである。何かを発信する際にはいつも「このコンテンツは顧客の助けになるのだろうか?」と自問自答すべきだ。もしその答えが「イエス」であれば、その選択は正しい。ただ発信することを目的としたコンテンツの一部なのであれば、価値がない可能性が高いだろう。

 

ウイルス関連以外のコンテンツについては、現状に対応したものでなくてもかまわない。自社ビジネスを継続し、顧客の手助けをすることも問題ないが、ただ慎重に行動しなくてはならないということだ。現在、ビジネスが犯しうる最大のミスは、パンデミックに便乗しようとしているように見えることだ。つまり、バランスの問題なのである。

 

世界で起きている出来事については、断然取り組むべきだが、取り組まないという選択をしても良いのだ。今、多くのビジネスが新型コロナウイルスについての記事ばかりで、顧客を助けるための他の方法には言及していない。これまで、SEO対策取りに組んでこなかった企業にとっては、今こそ木を植える絶好のチャンスだ。今植えた木は、将来的には晴れた日に日陰を提供してくれるかもしれないし、現状の危機に対応したコンテンツとともに作成しても何ら問題はないのだ。

 

顧客を助けるため、質問に答えたり、業界に特化したフォーラムに参加したり、ビデオチュートリアルを作成したりするのもいい。誰もが、この危機は一時的なものであり、計画しておかなければならないもう一つの側面があることを忘れてはならないのだ。

 

コンテンツレッスンと重要事項

以下、グループから抜粋したレッスンとアドバイスを紹介する。

 

  • コンテンツ作成を目的とするコンテンツを作るべきではない。しかし、定期的なコンテンツの公開スケジュールを維持すべきである。
  • 自社の宣伝や、パンデミックに便乗しているように見せてはいけない。
  • 顧客ニーズに焦点を当てる。自社のコンテンツは「顧客の助けになるか?」というリトマステストに合格しているだろうか?顧客のニーズについて、定期的にフィードバックを得ることだ。
  • 自社が言及、または提供できる(比較的)独自の価値を見極める。
  • 公開予定のコンテンツを見直し、不適切なものや配慮に欠けたものでないかどうか確認する。
  • 環境の変化に合わせて、コンテンツプランを変更できるよう速やかに準備しておく。
  • 積極的に、COVID-19終息後の将来についてのコンテンツプランを立てる。(そのリリース時期については慎重に検討する必要がある。)
  • 調査やデータを活用し、自社のコンテンツの裏付けを取る。
  • 長期的な視点でみたランキングやSEOに役立つコンテンツの作成と公開を継続する。

 

※当記事は、米国メディア「Marketing Land」の4/10公開の記事を翻訳・補足したものです。

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