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ノウハウ・ツール
公開日2020/03/04

eコマースの長期的な成功に必要な3つの重要要素を考える

誰もがビジネスが失敗するあらゆる要因について聞いたことがあるだろう。資本不足、貧弱な製品戦略実行、または過度な競争などは、最も頻繁に使われる言い訳のようだ。最近では、オンラインストアやAmazonなどのマーケットプレイスとの競争によって、小売店が閉店する話もよく耳にする。 eコマースビジネスが、実店舗の成功に終止符を打っているとすれば、eコマースストアを長期的に成功に導く要因は何であろうか?

eコマースビジネスの最大の利点の1つは、間違いなく、参入障壁が低いことである。この10年間でソフトウェアプラットフォームとツールが急増し、数時間の間にeコマースストアを簡単にセットアップ、立ち上げ、運営できるようになった。しかも、そのコストは100ドル以下である。

オンラインストアと小売店舗を開店する場合と比較してみよう。たとえ、どんなにその店舗規模が小さくても、多くの時間とエネルギーを費やして、適切なスペースを見つけて賃貸し、特定のニーズを満たすためにそれを改造し、顧客の需要を満たすためにスタッフを雇って、さらに、店舗の宣伝をしなければならい。明白に思われるこうした違いにより、「eコマースがこんなに簡単であるなら、誰がそんな手間と費用をかけて小売実店舗をオープンしたいと考えるのだろう」と疑問に思うかもしれない。

 

ロングゲーム

確かに、eコマースを始めるのは他のビジネスと比べて簡単かもしれない。しかし、収益性の高い継続的な事業を運営するという、長期的なeコマースビジネスの成功を達成するためとなると、それは別の話である。

eコマースの成功に必要なものについては、多くの見解がある。幸運、タイミング、全世界に存在する多数のオーディエンス、広告費用など。明確にしなければいけないのは、それは、一つではないということである。それは、条件と要素の組み合せ次第であり、すべてをストア運営者がコントロールできるわけではない。最も重要なことは、eコマースの成功の基盤は3つの要素で構成されており、その重要度は、ほぼ同じであるということだ。

以下の3つ要素は、消費者への直接販売が「通販」と呼ばれていたときと同じである。 当時消費者は、紙の注文フォームに必要事項を記入し、手書きの小切手とともにそれを販売業者に郵送していた。製品販売事業は、郵便料金受取人払いの封筒を提供して注文書を容易に郵送できるようにすることにより、フリクションを軽減。現在のツールは異なるが、eコマースが「新しい」業界のように見えるとしても、成功の根底にある原則は同じである。

 

重要要素1:製品

長期的な成功のための最初の要素は、製品である。この要素には、販売している製品のクリエーション、調達、フルフィルメント、または、配送に関連する多くの詳細事項が含まれる。何を販売しているかは重要ではない。販売するのは、手作りの製品かもしれないし、自社製造製品かもしれない。または、他社製造製品を販売するかもしれない。

事例をシンプルにするために、あなたは、丁寧に製造された高品質製品のみを提供していると仮定しよう。当然、優れた製品がなければビジネスは失敗する。実際には、成功するかどうかは、製品に関する詳細に及ぶ。

この詳細の一つひとつが重要である。完成品コスト(または、ランディッドコスト)は、実際にオファーする小売価格の30%を超えないようにする必要がある。つまり、高いマージンが不可欠ということだ。70%のマージンは高収益を獲得できる道筋のように思えるかもしれないが、その最も大きい部分を占めるのは、マーケティングである。マーケティング費用には、広告、プロモーション、アフィリエイトのコミッションなどが含まれる。さらに、ロジスティクス、製品の返品、顧客サービスも、マージンを損なう可能性がある。

消耗品、つまり、他の製品よりも頻繁に交換する必要がある製品は、より高い頻度の購入につなげるチャンスを生み出し、ビジネスのライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を高める傾向がある。このため、消耗品小売では、サブスクリプションボックスサービスの提供が人気である。自社収益モデルの一部を経常利益が占めることにより、キャッシュフローが安定し、不安が解消されるのだ。

「ロジスティクス」とは、製品の原材料(ハンドメイド、または、製造製品)から始まる一連のプロセスと要素、顧客への出荷前の保管方法、および、配送方法そのものを指す。配送方法とは、コンテナの種類(箱なのか、封筒、チューブなのか、もしくはその他)、どのような配送サービスなのか、および、費用を含む。

調達プロセスのスタートから、消費者への直接販売および返品処理(自社消費者オーディエンスとの返品ポリシーと手順に関するコミュニケーションを含む)まで、自社ビジネスにおけるロジスティクスをしっかりと理解することは、eコマースのパズルの重要な部分である。ロジスティクスがうまく機能しない場合、企業全体が危険にさらされてしまう。

次のような事例をどう捉えるべきだろうか:配送費用が10ドルかかる、価格12ドルのアイテム。または、冷蔵倉庫と、標準よりもコストがかかる特殊コールドパック輸送コンテナを必要とする腐敗しやすい製品。

世界中で、最も優れた製品とは、適切な価格設定、配送費用コスト効率が高く、そのロジスティクスは管理しやすいものでなくてはならない。しかし、そのような最高の製品であっても、長期的なeコマース成功のための方程式全体の3分の1にすぎない。

 

重要要素2:オーディエンス

製品の品質が優れ、マージンが適切な範囲であり、効率的なロジスティクスが実行されているとして、購入するのは誰だろう? あなたは、答えを知っているかもしれない。しかし、潜在的なオーディエンスの規模の大小、そして、彼らへリーチする方法は明確に定義しなければならない。また、次の質問も重要である。自社オーディエンスは、どのようにエンゲージすることを好むか?自社の商品の買い手は、ウェブ上、または、世界中のどこにいるだろうか?

おそらくあなたは、ターゲットオーディエンスからインスピレーションを得て、販売する商品を決定したのだろう。それは、すばらしいことだ。自社オーディエンスにどのように語りかけ、売り上げを獲得するかを知るためには、彼らが、誰でどこにいるかを理解することから始めるべきである。もし、自社販売製品やカタログが、「必需品」アイテムである場合、「持っているといい」アイテムを提供する場合とは異なる戦術を使用するだろう。

「必需品」アイテムをオーディエンスに提供することは、経済の不況時を乗り切るのに役立つ。もし、自社製品とその価値提案がロイヤリティーの高い買い手のコアグループを魅了していれば、競争状況が発生したときに売上を確保するのに有効であるはずだ。

自社サイトの訪問者にとって、価格に関係なく、自社製品を第一の選択肢にすることができれば、長期的な成功の実現に効果的である。

ここでは、マーケティング戦略についてはあまり説明していない。なぜなら、3つの重要な要素のバランスが取れ、準備が整った後にのみ、製品ラインのマーケティングを開始できるからだ。

 

重要要素3:価値提案

価値提案は、いまだかつてないほど、重要になっている。なぜ、自社の製品を買うべきなのか?

消費者が、自社が提供するのと同種類のソリューションを探している場合、自動販売機のようなAmazonを利用しているか、商品を見つけるためにGoogleを検索している。 コストを最小限に抑えるという点では、Amazonでの販売が「勝つ」傾向にある。しかし、真のeコマースビジネスを行うのであれば、独自のスタンドアロンWebサイトという方法もある。

自社独自ウェブサイトを用意する必要がある理由の1つは、Amazonを介してブランドのメッセージを伝えることが非常に難しいことである。Amazonが、バイヤーのメールアドレスを消費者に提供することはない。また、基本的な自社メールマーケティングチャネルとして利用できないため、自社製品の買い手との関係が阻害される。

自社のウェブサイトまたは製品ページでは、自社製品が優れている理由と企業が何を支持しているかを人々に知らせることが可能だ。おそらく、企業として、自社ビジネスに結びついたソーシャルコーズやベネフィットがあるだろう。それは素晴らしいことであり、人々に知らせるべきである。自社の製品ラインは、ベストセラーブランドよりも速く、良く、安いかもしれない。それについて話すべきだ。あなたのブランドを利用することによって、消費者の生活がどのように改善されるかを明確に示す必要があるのである。

広告は、自社の価値提案を伝えるが、自社製品を派手な形容詞で誇示するべきであるということではない。会社のビジョンを説明するスローガンまたは製品を説明するために使用するフレーズは、価値提案ではない。

ブランドではなく、製品の購入者にフォーカスしなければならないのだ。

 

バランスをとる

製品、オーディエンス、価値提案という3つの重要な要素のバランスをとることが、長期的なeコマースビジネスを成功させるための鍵となる。

ある要因が、他の2つよりも重要ということはない。3つの共生関係が、長期的な努力と継続的な取組みの結果であるマジックを生み出す。

この3つのバランスが取れていないとわかったときには、注意が必要である。この重要要素のルールには例外があるかもしれない。しかし、自社ビジネスのみが、バランスが取れていなくてもよい例外事例だと思い込むことは、おそらく良い結果には結びつかないだろう。

優れた製品計画を実行していたとしても、効果が低いオーディエンスや粗末な顧客サービスを補うことはできない。逆に、堅実な価値提案も、不十分な製品計画実行と効果が低いオーディエンスの代わりにはならない。

ビジネスの成長に伴い、ビジネスの長期的な健全性を維持するために、定期的に3つの重要要素を再検討する必要がある。すでに販売している商品がある状況で、新製品を発売する場合は、3つの重要要素によって、新製品が機能するかどうかを判断すべきである。

長期的にeコマースビジネスを行うのであれば、この3つの重要要素が成功への長い道のりのガイドとなるだろう。

 

※当記事は米国メディア「E-commerce Times」の2/20公開の記事を翻訳・補足したものです。

 

 

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