調査会社Canalysによって2018年8月16日にリリースされた「スマートスピーカー市場についての分析結果」は、Strategy Analytics社が13日に発表した数字とは大きく異なるものであった。

 

Strategy Analyticsは2018年8月13日、第2四半期のグローバルスマートスピーカー出荷レポート発表した。Strategy Analyticsのデータは、Amazonが依然として、スマートスピーカーにおける世界的なマーケットリーダーであることを示している。一方、Googleはその差を縮めてきており、Alibaba、Apple、JD.comなどが続いているという。

同社のレポートによると、第2四半期のスマートスピーカー総出荷台数は、1,200万台弱。そのうちAmazonは約41%のシェアを維持したのに対し、Googleの出荷台数は28%弱であった。その他のメーカーのシェアの合計が、全世界における出荷台数の残りの約33%を占めているとのこと。

 

一方で、Canalys社による最新の分析レポートは、まったく異なる結果を示している。このデータによると、第2四半期の全世界で出荷されたデバイス数は約1,700万台にのぼったという。つまり、Strategy Analytics社のデータとは約500万台の大きな差が生じたのだ。また、Google社が最大のシェアである32%を占め、Amazonのシェアは約25%としている。

 

 

両社のレポートは、特に米国以外の地域において、GoogleがAmazonのシェアを奪い、勢いを増しているという点では一致。しかし、CanalysのデータはStrategy Analyticsとは異なる結果を示している。四半期の出荷数だけで市場全体のシェアを測れるものではないが、それでもCanalysはGoogleを「第2四半期市場のリーダーである」と結論づけ、Strategy Analyticsは「Amazonが依然として優位である」と主張している。

 

これとは別に、Consumer Intelligence Research Partnersは、米国のスマートスピーカーの市場シェアを以下の通り分析している。
・Amazon:70%。
・Google:24%。
・Apple:6%。

 

分析・調査企業は、それぞれ異なるモデルと方法論で分析しながら結果を導き出し、レポートを作成する。厳密な調査と分析を行う企業もあれば、もちろんずさんな企業もあるだろう。または、あまりにも限定されたデータサンプルに依存する企業も存在するものだ。
それにしても、各社の数値がこれほどまでに大きく異なることには驚きである。各アナリスト企業が、根底にある事実をしっかり反映させていれば、互いの調査内容でいくつかの相違点があれども全体的な数値は一貫するはずなのだ。しかし各社の結論は、その方向性さえ一致していない。例えばある社の分析結果では、Amazonは約13ポイント差で優位に立っているというが、他社によると、GoogleがAmazonを上回りマーケットリーダーになっているというのだ。

 

つまり、こうした異なる分析結果が示すことは、いくら第三者による予測や分析であっても、他のものと同様にPRであることが多いということだ。我々はこうした結果を慎重に評価しなければないのである。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の8/16公開の記事を翻訳・補足したものです。