Appleは自社スマートスピーカーHomePodが消費者の関心を集めきれず、製造業者の1つであるInventec Corpへの発注数を一部削減。また、販売予測の引き下げを報じられた

 

スマートスピーカー市場への参入が遅れたApple社。発売を開始した2018年1月には、市場はすでにAmazon Echoにより支配され、飽和状態であった。広告やマーケティング関連ニュースを取り扱うメディアAdAgeは関係者の話として、当初の多数の予約注文にも拘わらずHomePodは競争力に欠け、苦戦を強いられている、と報じている

 

HomePodは、Amazon Echo、及び他の音声アシスタント機能を持つコネクテッドスピーカーとの差別化を図るため、音質を重視。一方で、Siriとの統合はあまり重要視しないスマートスピーカーとして販売された。

 

電子商取引の市場調査会社Slice Intelligenceのデータによると、HomePodは発売当初はスマートスピーカー売上全体の3分の1を獲得し、米国市場での存在感を示していた。しかし、Appleストアで実際に音質を聴くことができたにも拘わらず、発売以降消費者の関心は次第に薄れていったという。

 

Slice Intelligenceによると、HomePodが発売後10週間で獲得したのは市場の10%。対して、Amazon Echoは73%、Google Homeは14%であった。Appleストアのスタッフの話によれば、HomePodの1日の販売数が10個未満にとどまる店舗もあり、在庫が店舗や倉庫で山積みになっていると言う。

 

極めて重要なホリデーシーズン商戦を逃したことで、HomePodがスマートスピーカー市場に割って入るチャンスは非常に低くなってしまった。また、HomePodの価格は約349ドル(244ポンド)で、ほとんどのスマートスピーカーよりも200ドルほど高い。これは、比較購買をする消費者にとって、購買欲を失う重大な要因であるだろう。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の4/13公開の記事を翻訳・補足したものです。