ニールセンデジタル株式会社は、PCとスマートフォンの非重複の利用者数を用いて各サービスの利用状況をまとめている。ここからスマートフォンからの利用が中心であることは明らかだが、スマートフォン全盛期のなか、PCではどのようなサービスがどのような時に利用されているのか、8月16日発行のメルマガの中で読み解いている。

 

年代と共に増えるPCの利用者数

消費者はどのようなデバイスでインターネットにアクセスしているのだろう。ニールセンのインターネット基礎調査より、PC及びスマートフォンからのインターネット利用者の合計を100%として内訳をみる。これによると、スマートフォンがインターネット利用の中心で、49歳以下では90%がスマートフォンからインターネットを利用していた。一方で、PCのみの利用者をみると年代と共に増えていくことがわかる。ただし、スマートフォンとの併用も合わせたPCのリーチという視点でみると、59歳までは約50%と年代別でも大きな違いは見られなかった。

さらに、サービスごとにPCからの利用者割合が高いサービスを見たところ、MSN/Outlook/Bing/Skypeはトータルデジタル利用者数は2,433万人であり、PCのみの利用者割合は60%であり、次に多いMicrosoft(2,230万人)の34%と大きく差をつけた。

また、1位のMSN/Outlook/Bing/Skypeや4、5位のポータル系サービスはブラウザを立ち上げるとデフォルトで設定されていることもあり、PCからの利用者割合が高いことが想像できる。

特に上位で特徴的なのは3位のkakaku.com、6位、7位の旅行系サービスだ。これらのサービスはその利用シーンとして毎日日常的に利用するというよりは、モノを買いたいとき、旅行に行きたいときに見るサービスであり、隙間時間の流し読みではなく多くの情報を得たり、ページを見比べたりしながらじっくり検討するために利用している人が多いことが伺われる。

この背景には、家電購入や、旅行など比較的高額商品の購入を検討するときには慎重になり、情報量が多いサイトでじっくり検討・比較することから大画面のPCを利用するといったことが考えられる。

 

ユーザーにとって利用したいときに利用したいデバイスでサービスが便利に使えることが重要

スマートフォンの利用が中心となっていく中でも、PCのみのリーチは最大52%となっており、まだPCが利用されるシーンがあることがわかる。本来ECサイトや旅行サービスでは消費者が購入してくれれば、利用されたデバイスは関係がなく、消費者がどのデバイスを経由するにしろ、便利に利用できることが重要だ。このため、デバイスを分断してプランニングしてしまうと、オーバーフリークエンシーになったり、伝えたい人に情報が効率良く伝わらなかったりする。このことから上記のようなデバイスを横断的に同じ人として扱う「人ベース」のデータが参考となるだろう。

 

今や家庭にPCを持つのみではなく、1人1台のスマートフォンを持つことでその人の都合によって、同じサイトへのアクセスでも利用されるデバイスは異なる。企業はサイト作りや、広告をするにあたってクロスデバイスを意識しないわけにはいかないだろう。