株式会社ファーストリテイリング2018年8月期 上期業績および通期見通し及び、今後の展望に関する資料を発表。2018年度上期の売上高は1兆1,867億円と前年同期比16.6%増加し、国内、海外、ジーユーの各セグメントにおいて計画を上回った増収増益であった。また、今後のユニクロ事業ではグローバル経営に注力し、5年後にはグローバルでのEC比率、収益ともに2倍以上を目指すと発表した。

 

国内ユニクロ事業、ECの売上は31.6%増収の372億円

国内ユニクロ事業では、例年以上の寒さと精算・物流・販売が連動した販売計画が功を成したことから、秋冬商戦で好調な販売トレンドが継続。1月は冬物商品の欠品により若干の減収もみられたが、2月は春物が順調に立ち上がり増収に繋がった。また、EC事業においては、有明倉庫のEC専用化など事業を拡大。売上は372億円で31.6%の増収、売上構成比は、6.2%から7.5%に増加した。

なお、国内ユニクロ事業の下期業績予想では、既存店の売上高は約2%の増益を予想、この内ECでは30%の増収を見込んでいる。

 

グローバル経営とEC化促進により拡大を目指す

ユニクロ事業は今後、グローバル経営で拡大を目指す。Life Wearとしてユニクロのポジションを世界中で確立すべく、ヒートテック、エアリズム、ウルトラライトダウンをはじめとした戦略商品を拡大、海外でのマーケティングを強化していく。

また、新しい購買体験の提供としてECと実店舗の連携を強化。実店舗・倉庫・ECの在庫共有化や、実店舗とEC会員を統合した会員プラットフォームの形成により、ユーザーにとってより利便性の高いサービスを提供する。これに伴いECサイト・アプリの進化・再構築のほか、IQ(チャットコンシェルジュ)、店舗在庫引き当てサービスの提供を予定している。

4月3日からは、ECで購入した商品の店舗受取り時、送料が無料になるサービスがスタートしている。受取り先をユニクロ店舗にすれば、商品の試着、返品・交換も可能であり、その場で裾上げサービスを受けることができる。

グローバルではユニクロのEC比率を現在の9%から2022年度には2倍以上にすることを目指し、売上収益も5年後には2倍にする目標を立てている。

 

今後ユニクロは、国内事業を超える勢いを持つ海外事業での収益増加に注力し、グローバルブランドとして世界中へ事業拡大を目指すと共に、日本ではECの浸透に合わせた実店舗とECの連携強化を計画していく。