Facebook社は、2017年の第4四半期および通年の決算報告を発表した。2017年第4四半期の売上高は、129.7億ドル(91億ポンド)となり、2016年第4四半期の88億ドルから47%増に。
売上の大部分を占める広告売上が127.8億ドルで、その内、モバイル広告売上の割合は、2016年第4四半期の84%からさらに増加し、広告売上全体の89%を占めた。新たな米国の税務・雇用法(Tax Cuts and Jobs Act)による海外利益に対する22.7億ドルの課税があったにもかかわらず、第4四半期の純利益は前年度比20%増の42.7億ドルとなった。
2017年12月31日時点のデイリーアクティブユーザー数は14億人、月間アクティブユーザー数は21.3億人となり、どちらとも前年度比の14%増加を記録した。
2017年通年の売上は、399.4億ドルで、2016年の268.9億ドルから49%の増加。純利益は、前年比56%増の159億ドルだ。Facebook社の社員数は、前年比47%増加し、25,105人となった(コミュニティオペレーション、オンラインオペレーション、Facebookセキュリティ対策業務を行う14,000人を含む)。
Facebook社CEO、Mark Zuckerberg氏による自身のFacebookページへの投稿によると、自殺を示唆する記事を検出する新技術構築によって、緊急に助けを必要とする100名以上に対し、初期対応者がコンタクトを取ることができたとのこと。また、Facebookが削除したイスラム過激派組織であるISISやテロ組織であるアルカイダが関与するテロに関するコンテンツのうち99%は、ユーザーによって通報される前に、同社が削除したと報告している。
Facebook社は上記のような成長を遂げたにも関わらず、Zuckerberg氏は、昨年を「厳しい1年」だったと振り返った。「世界の不安や分裂が、Facebook上に現れた。国家からの干渉、衝撃的で偏見に満ちた虚偽ニュース、ソーシャルメディアの有用性についての議論などにより、Facebookプラットフォームは悪用された。我々は、Facebookサービスがどのように使用されているかを完全に把握し、善を促し、被害を防止するためにできること全てを遂行する責任がある。これは、2018年の私の個人的な挑戦でもあるのだ」と同氏。
Zuckerberg氏の投稿により、ユーザーのニュースフィード上のコンテンツの優先表示を決定するアルゴリズムを新たに変更した影響で、第4四半期におけるFacebookのユーザー利用時間は、約5%減少したことが明らかにされた。1日あたりにすると、5,000万時間の減少となる。この事についてZuckerberg氏は「明確にしておきたいが、ユーザー同士のつながりをサポートすることは、Facebookに費やす時間を最大限増加させることよりも重要である。通常は、Facebookの利用時間についての指標は公開していない。なぜなら利用時間によって、ユーザーのエンゲージメントを測ることは最善な方法ではないからだ。だが利用時間は、ユーザーがFacebookに費やす時間を価値あるものにするために、我々がどれだけ尽力しているかを測る指標となる」と、述べている。
決算発表を受け、時間外取引でFacebook社の株価は、4.5%下落。しかし、CFOのDavid Wehner氏が、収支報告の中でアナリストに対し、上半期のドル安進行の恩恵を受けだろうと語った後に、終値より2%高まで回復した。
また、Zuckerberg氏はFacebookへの投稿で、「Facebook、Instagram、Messenger上に出稿されている広告を、対象とするユーザー以外も閲覧できる機能をスタートさせ、広告の透明性を推進する施策を展開している」と述べた。現在は、カナダにおいてテスト中だか、中間選挙に先立ち、2018年の夏には米国で展開する予定だ。
最後にZuckerberg氏は、Facebookプラットフォーム上でユーザーと企業間のライブチャットを可能にする「Messengerプラグイン」のリリース後、毎月20億件以上のメッセージが企業とユーザー間で送信されていることを明らかにした。
※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の2/1公開の記事を翻訳・補足したものです。