リサーチサービスを行う株式会社マクロミルビットコインに関する調査を2017年10月に実施、その調査結果を公開した。全国20~69歳の男女1万人を対象にビットコインの利用実態について調査。

また、その中でも現在ビットコインを保有していると回答した100名を対象にビットコインに対する印象や、今後の展望などを質問した。調査結果からは、過半数の人がビットコインに対して不信感を持つ一方、現ビットコイン保有者の約4割は今後、コインの価値が上がると予想していることが明らかとなった。

 

ビットコインについて認知しているのは30%、利用したことがある人はわずか3.3%に留まる

「あなたはビットコインを知っていますか」という質問に対して、知っていると答えた人は31.4%、名前は聞いたことがあるが意味は分からないという人が56.2%、まったく知らないという人は12.4%と、ビットコインに関して理解している人が少ない現状が明らかとなった。

 

また、ビットコインの購入経験がない人が94.7%と、ビットコインを扱ったことのない人が大半を占めている。

さらに、ビットコインを利用したい人とやや利用したいという人は合わせて9.4%にとどまり、利用したくないという人だけで51.8%と過半数を占めていた。これらの結果から、ビットコインに関して良い印象を持っている人が少ないことが伺われる。

実際に、ビットコインに対するイメージを聞いたところ、信頼できない(48.3%)、怪しい(38.4%)、騙されそう(29.6%)といった印象が上位を占めた。便利そう、楽しそうといった印象を持つ人はいるものの、不信感を持つ人の多さが目立つ結果となった。

また、ビットコインを利用したいが、保有していない人を対象にその理由を聞いたところ、上位にはリスクが高そう(48.0%)、購入方法が分からない(35.0%)という回答が連なり、ビットコインに対する知識が浅いが故に手を出しにくいものになっていることが分かる。

このようなビットコインに対する印象も相まって、「今後、仮想通貨が普及し、日常生活でも利用され始めていくことが想像できるか」という質問では、想像できる、ある程度想像できると答えた人を合わせて21.0%であり、過半数の人が想像できないと答えているのだ。

 

ビットコイン所有者の中でもコインの価値が上昇するか下落するかは意見が分かれる

ビットコインを所有していると答えた人の中の100人に対する調査において、ビットコインを購入したきっかけは「仮想通貨に興味があった」「ビットコインが今後普及していくと思ったから」がどちらも42.0%と一番多い理由であった。また、54.0%の人は長期投資のためにビットコインを購入したと答え、投資や決済手段を目的とした購入が大半であった。

だが、2017年10月19日時点での1ビットコインは約63万円で、2020年の東京オリンピックの時点でビットコインの価値が10万円以下になると予測する人は26.0%と最多の回答数であった。一方で続いて多くの回答を得たのは100万~200万円未満(12.0%)、60~70万円未満(11.0%)であり、グラフからはビットコインの価値が上昇すると考える人と下落すると考える人はほぼ同じ割合であることがわかる。

なお、ビットコイン決済に関しては、コンビニ(43.0%)やECサイト(40.0%)でビットコイン決済対応を望む声が多い結果となった。

 

調査結果から、ビットコインの保有経験者は少なく、ビットコインに関して詳しく知らない人は不信感を持つ人が多くいることがわかる。日本では2014年にマウントゴックス社がビットコインを消失し、経営破綻したことが大々的に報じられたことをきっかけに悪印象が広まったことが考えられる。確かにビットコイン自体の相場が大きく変動するため、大きく損をするリスクもあるがビットコインが世界的に注目を浴びているのも事実だ。ビットコインは仮想通貨であることから特定の国の影響を受けず、国を超えた取引において容易な送金が可能となるといったメリットも確かに存在する。