企業が費やす広告費について2017年上半期、初めてビデオ広告がバナー広告を上回った。現在のビデオ広告は、全デジタル広告費の35%を占めている。

 

イギリスのインタラクティブ広告業界団体IAB UKPwC報告によると、2017年前半には広告主はビデオ広告に6億9,900万ポンドを費やしている。これは前年比46%の増加で、ビデオ広告は急速に成長している広告フォーマットと言える。一方、バナー広告費は2%以下の増加で6億8,500万ポンドだった。

ビデオ広告の中でも、ウェブメディア上の広告枠に配信される動画広告「アウトストリーム」と、コンテンツとコンテンツの間に表示される広告「ソーシャルインフィード」は、52%を占める最も普及したフォーマットであり、広告費は3億6,300万ポンド。これは、広告費の44%で3億900万ポンドを占めているプレ(動画本編の前に配信される広告)/ポスト・ロール(動画本編の後に配信される広告)の額を超えている。

「オンライン動画を閲覧する時間は、ここ数年で大きく伸びている。広告主がコンテンツを消費の動向を追うと同時に、動画が急速に成長する広告フォーマットになっていくのは、当然のことだ」とIAB UKのCEO、Jon Mew氏は語る。

同レポートによれば、ディスプレイ広告(Webサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告)は全体で18%増の20億ポンド。サーチ広告(検索エンジンの、検索結果画面に掲載されるクリック課金型のインターネット広告)は15%増の28億ポンド、またクラシファイド広告(簡潔な文章を一覧掲載する形式の広告)は6億9,200万ポンドであった。全体として、デジタル広告費は2017年前期で13.8%増の5億5,600万ポンドだという。

また現在、モバイルはデジタル広告の43%を占め、23億3,700万ポンドに上る。これは38%の増加で、ディスプレイ広告の57%、ビデオ広告の70%、ソーシャルメディア広告の83%を占めている。ソーシャルメディア自体の消費額は42%増の10億5,000万ポンドで、ディスプレイ広告市場の53%を占めている。

 

※当記事は「Mobile Marketing Magazine」の10/17公開の記事を和訳・補足したものです。