小売分野サーチマーケティング会社のNetElixirは、ホリデーシーズンのeコマース売上増加率が前年より低迷と予測
米国マーケティング会社NetElixirは、9年間にわたる大・中規模オンライン小売業者からの集計データに基づき、2017年のホリデーシーズンのeコマース売上は対前年比10%増の成長と予測している。
この小売分野の調査会社が予測する2017年の成長率10%という数値は、昨年の11%より若干低い。
同社は2017年ホリデーシーズン予測レポートを発表したニュースリリースで、ホリデーシーズンのeコマースの成長が減速している3つの理由を具体的に示す。一つ目は、Amazonが夏に開催している年に一度の大セール「Amazon Prime Day」で買い物をするユーザー数の増加、2つ目にオンライン販売におけるプライスポイント(値ごろ)の低下、そして3つ目に、増加する小売店閉鎖による全般的なオンライン売上の減少である。
NetElixirはニュースリリースにて、「2017年は業界全体の売上の低迷と、店舗閉鎖による小売販売の落ち込みが見られた」と指摘。「我々のクライアントの今年の売上高、注文数、アベレージ・オーダー・バリュー(ユーザーが1回の注文で支払う平均額。AOV)を昨年と比較したところ、売上高は10%減、注文数は9%減、AOVは1%減と、いずれも大幅に減少している」
Amazonのホリデーシーズンの売上シェア
同社はさらに、ホリデーシーズンにおけるAmazonのeコマース売上シェアが、去年の30%から34%に拡大すると予測している。
Amazonに関するNetElixirの予測は、デジタルコマース調査会社Slice Intelligenceのデータに基づいた以前のレポートよりも、実際には低い数値。NetElixirは、昨年のホリデーシーズンのAmazonのオンライン売上の市場シェアは30%としているが、Slice Intelligence のレポートでは、Amazonは、同ホリデーシーズンの売上市場シェアの38%を占め、2017年第1四半期においては40.9%に拡大したと報告されている。
市場シェアの数値の差は、各社のレポート作成の方法論に起因するものだろう。NetElixirの予測は、同社の顧客ベースであるオンライン小売業者から取得したデータセットに基づいている。 一方Slice Intelligenceは、オンライン買い物客である500万人以上の調査協力者から調査用のデータを収集している。
いずれにしても、Amazonがホリデーシーズンのeコマース売上において、最大のシェアを獲得することは確実だ。NetElixirによると、Amazonのホリデーシーズン売上高は昨年より55億ドル増加し、285億ドルになると予測される。
「Amazonが巨大な影響力を持ち続け、eコマース市場の統合編成が行われる中、小売業者がホリデーショッピングシーズンに競争力を保つためにはeコマースに重点を置くことが不可欠」と、NetElixir社CEOのUdayan Bose氏は語る。
オンライン小売分野の売上成長とAmazonの市場シェア以外に、ホリデーシーズンのモバイルショッピングの増加も予測している同社。スマートフォンで全オンライン購入の35%が行われると見込んでいる。
※当記事は米国メディア「Marketing Land」の8/24公開の記事を翻訳・補足したものです。